九州歯科大学の留年率・ストレート合格率・学費【最新データで総点検】【2026年7月更新】
九州歯科大学に入学したら、6年で歯科医師になれる可能性はどのくらいあるのか。どの学年で留年しやすく、6年間でいくらかかるのか。本記事では、文部科学省「歯学部の修学状況等の調査」、厚生労働省の歯科医師国家試験結果、河合塾の偏差値データ、そして大学公式サイトの公表データを使って、パンフレットでは見えにくい「入学後の6年間」を総点検します。
先に結論をお伝えすると、九州歯科大学のストレート合格率(修業年限内合格率)は、直近3年平均73.7%で国公立12校中7位という中位の実績です。さらに、退学率は0.1%で、当ブログが集計した国公立・私立あわせて全29校の中で最も低い水準にあります。直近3年度で見るかぎり、退学の発生がきわめて少ない大学です。一方で、入学した学生を世代ごとに追跡すると、つまずきやすいのは4〜5年次の高学年で、これは低学年に留年が集中しやすい多くの私立とは逆の構造です。そして学費(入学金+授業料)は6年合計で私立平均のおよそ7.5分の1。この「出口の中位安定」「辞めにくさ」「高学年型の留年」「学費の安さ」という4つの特徴を、データで確認していきましょう。
※ 九州歯科大学には「歯学部歯学科」と「歯学部口腔保健学科」があります。本記事で扱う修学状況・合格率・留年率などの数値は、すべて歯学科のみが対象です(口腔保健学科のデータは含みません)。
目次
- 九州歯科大学の基本情報
- ストレート合格率とは(新卒合格率との違い)
- ストレート合格率の10年推移|3年平均73.7%は国公立12校中7位
- コホート追跡|入学95人のゆくえ(R元コホートはストレート卒業率87%)
- どの学年でつまずくか|入学コホートで見る脱落率
- 留年率は近年高め|退学率0.1%は掲載全29校中で最小水準
- 学費は入学金+授業料の6年合計で約350万円(県内者)と留年1年の経済的リアリティ
- 偏差値×ストレート合格率で見る国公立12校での立ち位置
- まとめ|3つのポイント
九州歯科大学の基本情報
まず、大学の基本プロフィールを押さえておきます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 福岡県北九州市小倉北区真鶴2-6-1 |
| アクセス | JR南小倉駅から徒歩約15分(JR小倉駅からは西鉄バス「歯大前」下車で約25分) |
| 入学者数 | 毎年95人(令和元〜7年度の7年連続・文部科学省提出資料より) |
| 河合塾偏差値(2027年度) | 方式別55/学部学科ランク57.5(共通テスト得点率70%)※2026年7月確認時点の予想値 |
| 学費(入学金+授業料の6年合計) | 349.68万円(県内者)/373.48万円(県外者)※2026年度掲載額・諸費用別途 |
| 附属病院 | 公立大学法人 九州歯科大学附属病院(大学と同一敷地) |
九州歯科大学は、1914年(大正3年)に九州歯科医学校として創立され、1949年に新制大学へ昇格、2006年に公立大学法人となった歴史ある大学です。公式サイトでは「九州歯科大学は全国に29校ある歯科大学および歯学部の中で唯一の公立大学です」と紹介されており、国立でも私立でもない唯一の公立歯科系大学という点が大きな特徴です。
公立大学ならではの注意点として、「県内者」か「県外者」かで入学金が変わります。授業料は同額ですが、入学金は県内者282,000円に対し県外者520,000円と238,000円の差があります。どちらに該当するかの要件は大学の定めによるため、必ず募集要項でご確認ください。この区分で初期費用が変わる点は、進学先を検討するご家庭にとって見落としやすいポイントです。
出典:九州歯科大学 公式サイト(所在地・沿革・アクセス・附属病院)/河合塾(偏差値)/文部科学省提出資料(入学者数)
ストレート合格率とは(新卒合格率との違い)
本題に入る前に、当ブログが最重要指標としている「ストレート合格率」を説明します。すでにご存じの方は次のセクションへ進んでください。
大学の広告やパンフレットでよく使われるのは新卒合格率です。これは歯科医師国家試験の新卒受験者数を分母とした合格率で、卒業試験や進級判定で受験者が選別されたあとの数字です。つまり、入学前の人が本当に知りたい「入学してから歯科医師になれる確率」は、新卒合格率からは見えません。
そこで当ブログが主軸にしているのがストレート合格率(正式名称:修業年限内合格率)です。
- 分母: 入学者数
- 分子: 6年間(修業年限内)で国家試験に合格した人数
入学者を分母にするため、留年や退学も含めた6年間の現実がそのまま反映されます。
※ 本記事のコホート追跡・ストレート合格率・学年別脱落率の数値は、大学が文部科学省の様式に沿って公表しているデータに基づき、編入学を除く入学者ベースです(大学公表資料の注記に準拠)。
ストレート合格率の10年推移|3年平均73.7%は国公立12校中7位
それでは、九州歯科大学のストレート合格率を、第109回から第118回までの10年分で確認します。

| 受験回 | 九州歯科大学 | 国公立12校平均 |
|---|---|---|
| 第109回 | 74.7% | 67.4% |
| 第110回 | 73.7% | 69.6% |
| 第111回 | 75.8% | 72.1% |
| 第112回 | 70.5% | 70.9% |
| 第113回 | 86.3% | 69.9% |
| 第114回 | 78.9% | 71.5% |
| 第115回 | 77.9% | 65.7% |
| 第116回 | 75.8% | 71.3% |
| 第117回 | 66.3% | 75.0% |
| 第118回 | 78.9% | 75.6% |
※国公立12校平均は、当ブログが文部科学省のデータをもとに独自に算出した数値です。東京科学大学は2024年10月に東京医科歯科大学と東京工業大学が統合して誕生した大学で(「改称」ではありません)、この集計では統合前の東京医科歯科大学の実績を東京科学大学の実績として通算しています。
このデータから読み取れるのは、九州歯科大学がおおむね国公立12校平均と同水準で推移しつつ、年による振れ幅がやや大きいことです。第113回は86.3%と平均(69.9%)を大きく上回った一方、第117回は66.3%と平均(75.0%)を下回りました。実数値では66.3%(第117回が最低)〜86.3%(第113回が最高)の間で推移しています。
なお、参考までに私立15大学平均(第109〜118回で36%台〜43%台)と比べると、九州歯科大学はいずれの回も上回っています。ただし、これは国公立と私立という設置形態の違いによるもので、大学の教育の質の優劣を示すものではありません。国公立は選抜性が高く定員も少ないため、私立平均との単純比較には注意が必要です。
※私立15大学平均は、ストレート合格率が突出して高い東京歯科大学・昭和医科大学(旧・昭和大学)の上位2校を除いた、当ブログ独自集計の平均値です。
※ ここでのストレート合格率(修業年限内合格率)は、文部科学省の修学状況データに基づくもので、確認できる最新回は第118回です。厚生労働省が公表する国家試験の結果自体は第119回(2026年3月発表)まで出ていますが、ストレート(修業年限内)の集計は第118回までが最新である点にご注意ください。
直近3年平均は73.7%=国公立12校中7位
単年の数字はぶれるため、当ブログでは直近3年の平均で評価します。第116〜118回の3年平均は73.7%で、国公立12校中7位の中位です。
| 順位 | 大学 | 3年平均(第116〜118回) |
|---|---|---|
| 1位 | 北海道大学 | 84.1% |
| 2位 | 岡山大学 | 82.7% |
| 3位 | 鹿児島大学 | 81.8% |
| 4位 | 新潟大学 | 80.0% |
| 5位 | 東京科学大学 | 76.5% |
| 6位 | 長崎大学 | 76.0% |
| 7位 | 九州歯科大学 | 73.7% |
| 8位 | 広島大学 | 72.3% |
| 9位 | 大阪大学 | 71.1% |
| 10位 | 東北大学 | 70.0% |
| 11位 | 徳島大学 | 62.5% |
| 12位 | 九州大学 | 57.0% |
出口の実績としては、国公立12校のちょうど真ん中あたり。突出しているわけではありませんが、後半のグループとは明確に差があり、安定して中位を確保しています。
国公立12校のストレート合格率10年推移をまとめて比較したい方は、国公立歯学部のストレート合格率 推移まとめをご覧ください。第118回単年の詳しい順位は、第118回 国公立歯学部ストレート合格率ランキングで確認できます。
出典:文部科学省(ストレート合格率)
コホート追跡|入学95人のゆくえ(R元コホートはストレート卒業率87%)
次に、実際に入学した学生がどの学年で減っていくのかを、入学年度別(コホート)に追跡します。対象は、卒業・国家試験までの結果が確定している令和元年度入学世代(第118回国試受験世代)です。あわせて、令和2年度入学世代についても、大学が公表した令和7年5月1日時点の途中経過を点線で示します。

| 入学世代 | 入学 | 2年次 | 3年次 | 4年次 | 5年次 | 6年次 | ストレート卒業 | 国試合格 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 令和元年度(第118回) | 95人 | 93人 | 93人 | 93人 | 91人 | 90人 | 83人(87%) | 75人(78.9%) |
| 令和2年度(令和7年5月1日時点) | 95人 | 94人 | 92人 | 90人 | 84人 | 71人 | 未公表 | 未公表 |
※各学年の人数は、入学者のうち留年・休学・退学をせずにその学年までストレートで進級した人数です(%は入学者数95人が分母)。人数が減っている分だけ、その学年で留年するなどして予定どおり進級できなかった学生がいることを意味します。令和2年度入学世代は、今回参照した大学公表資料(令和7年5月1日現在)では6年次進級71人までが掲載されています。この世代が受験する第119回国家試験(2026年3月発表)はすでに結果が出ていますが、この世代のストレート卒業・合格の集計はまだ公表されていません(厚生労働省の新卒合格者数には留年経験者も含まれるため、ストレートの実績とは区別しています)。
令和元年度入学世代は「9割近くがストレート卒業」
令和元年度入学世代でまず注目したいのは、低学年での減り方が非常にゆるやかなことです。95人でスタートし、2年次93人、3年次93人、4年次93人と、3年間でわずか2人しか減っていません。入学したほとんどの学生が、予定どおり4年次まで進級しています。
減少が目立つのは後半です。5年次91人、6年次90人と進み、ストレートで卒業できたのは83人でした。入学者95人に対してストレート卒業率は87%という高水準です。9割近くが6年間で卒業までたどり着いている計算になります。
卒業した83人のうち75人が国家試験に合格
一方で、卒業したあとの国家試験では少し数字が動きます。ストレート卒業した83人のうち、第118回国家試験に合格したのは75人でした。入学者95人を分母にしたストレート合格率は78.9%です。
ここで注意したいのが、新卒合格率とストレート合格率は別の指標だという点です。厚生労働省が公表する第118回の九州歯科大学の新卒合格率は83.8%ですが、これは「その年度の新卒受験者99人」を分母にした数字で、留年を経験した学生の合格も含みます(この99人は厚生労働省の公表データで、大学公表資料の令和6年度6年次在籍者数〔編入学を含む〕と一致します)。一方、ストレート合格率78.9%は「令和元年度入学者95人」を分母にし、6年間ストレートで到達した合格者75人だけを対象にしたものです。分母も対象も違うため、単純に比べることはできません。
※ なお、歯科医師国家試験の結果は年度によって変動します。厚生労働省が公表する直近の第119回(2026年3月発表)では、九州歯科大学の新卒合格率は78.0%(前年の第118回は83.8%)、総数でも63.6%(前年77.2%)と下がりました。いつの世代も同じ結果になるとは限りません。あくまで確定データが揃った世代の実績として捉えてください(第119回は新卒・総数の数値で、ストレート=修業年限内の集計はまだ第118回までが最新です)。
出典:文部科学省の調査様式に基づき大学が公表した修学状況データ(令和7年5月1日基準)/厚生労働省(新卒・総数合格率)
どの学年でつまずくか|入学コホートで見る脱落率
「どの学年でつまずきやすいか」は、大学選びでいちばん知りたいところでしょう。ここで注意が必要です。よく使われる学年別の留年率(その年度の在籍者のうち、留年・休学を経験した学生の割合)では、実は「どの学年でつまずくか」は正確にはわかりません。留年・休学を経験した学生は上の学年に積み上がっていくため、高学年ほど数字が大きく出やすいからです。
そこで本記事では、入学した世代(コホート)ごとに、各学年で何%の学生が予定どおり上の学年へ進級できず脱落したかを計算しました。令和元年度から令和6年度までの入学世代について、大学が公表している入学年度別の進級データ(令和7年5月1日現在)を用い、各学年遷移の脱落率をプール集計したものが次の図と表です。

| 学年(遷移) | 1年次(入学→2年) | 2年次(2→3年) | 3年次(3→4年) | 4年次(4→5年) | 5年次(5→6年) |
|---|---|---|---|---|---|
| 脱落率 | 1.4% | 3.0% | 4.0% | 5.9% | 8.0% |
結果ははっきりしています。脱落率が最も低いのは1年次の1.4%で、学年が上がるにつれて2年次3.0%、3年次4.0%、4年次5.9%、そして5年次で8.0%と最も高くなります。つまり、九州歯科大学では学年が上がるほど脱落率が上がっていく構造になっています。
これは、当ブログで以前取り上げた私立のテンプレ校(日本歯科大学・東京)とは逆のパターンです。その大学では1〜3年次の低学年で15%前後の脱落が集中していましたが、九州歯科大学は低学年でほとんど脱落せず、後半に関門があります(あくまで私立の一例との対比であり、私立すべてが低学年集中型というわけではありません)。
なお、6年次に進級した学生がストレート卒業に至るまでの脱落率は、令和元年度世代だけで見ると7.8%です。ただしこれは1つの入学世代のみのデータ(他の世代はまだ卒業していない)なので、統計的な安定性は1〜5年次の遷移より低い点にご注意ください。
参考までに、令和元年度から令和6年度までの各入学世代の生存曲線を重ねて描いたのが次の図です。どの世代も低学年ではほとんど減らず、進級が進むにつれてゆるやかに減っていく、という似た形をしていることが確認できます。

- つまずきやすいのは4〜5年次の高学年。低学年で大きく脱落する私立の一部とは対照的に、入学後しばらくは着実に進級できる。
- ただし、後半に関門があるということは、臨床実習や共用試験、卒業に向けた学習が本格化する高学年でこそ踏ん張りが必要ということでもあります。
なお、なぜ高学年で脱落が起きるのか、その理由までは公表データからはわかりません。数字はあくまで結果の傾向として受け止めてください。
出典:文部科学省の調査様式に基づき大学が公表した修学状況データ(令和7年5月1日現在・編入学を除く)
留年率は近年高め|退学率0.1%は掲載全29校中で最小水準
次に、留年率と退学率を確認します。
留年率(在籍者ベース)は8.5〜12.8%の範囲
まず、その年度の在籍学生のうち、留年・休学を経験した学生の割合(在籍者ベースの留年率・文部科学省の集計)を見ます。九州歯科大学全体の留年率は、平成26年度以降で最小8.5%(令和3年度)〜最大12.8%(令和6年度)の範囲で推移し、令和7年度は12.7%でした。
平成28〜令和2年度は8〜9%台と低めでしたが、令和4年度以降は10〜12%台へと上昇気味です。ただし、平成26年度11.8%→平成28年度9.2%と低下した時期もあり、一貫して上昇し続けているわけではありません。近年やや高めに出ている点については、進級や卒業の判定が慎重になっている可能性も考えられますが、断定はできません。
令和7年度の学年別の留年率は、1年次5.1%、2年次11.5%、3年次13.1%、4年次17.0%、5年次15.5%、6年次14.5%でした。ここでも低学年より高学年で数字が大きめで、最も高いのは4年次の17.0%です。ただし前のセクションで見たとおり、これは留年・休学を経験した学生が上の学年に積み上がっていく集計のためで、「その学年でつまずく人が最も多い」ことを直接意味するわけではありません。
退学率0.1%は全29校中で最小水準
一方で、九州歯科大学の際立った強みが退学率の低さです。令和4〜6年度の3か年平均で、退学率は0.1%。これは当ブログが集計した国公立・私立あわせて全29校の中で最も低い水準です。
| 区分 | 退学率(令和4〜6年度3か年平均) |
|---|---|
| 九州歯科大学 | 0.1% |
| 国公立12校 単純平均 | 約0.6% |
| 私立17校 単純平均 | 4.4% |
国公立12校平均の約0.6%、私立17校平均の4.4%と比べても、飛び抜けて低い数字です。直近3年度の実績で見るかぎり、退学の発生がきわめて少ない大学だといえます。また、退学率がきわめて低いことから、前のセクションで見た進級者数の減少の多くは、退学ではなく留年・休学による可能性が高いと考えられます(ただし、減少の個別の内訳までは公表されていません)。
なお、私立との退学率の差は設置形態(国公立/私立)の違いによる面もあり、大学の教育の質の優劣を単純に示すものではありません。ただ、九州歯科大学が国公立の中でも最小という事実は、この大学の大きな安心材料といえるでしょう。
出典:文部科学省(留年率・退学率)
学費は入学金+授業料の6年合計で約350万円(県内者)と留年1年の経済的リアリティ
ここからはお金の話です。九州歯科大学の最大の魅力のひとつが、この学費の安さです。
学費の内訳(2026年度)
| 項目 | 県内者 | 県外者 |
|---|---|---|
| 入学金 | 282,000円 | 520,000円 |
| 年間授業料 | 535,800円 × 6年 | 535,800円 × 6年 |
| 入学金+授業料の6年合計 | 3,496,800円 | 3,734,800円 |
県内者の入学金+授業料の6年合計349.68万円は、国立大学の標準額とまったく同じ水準です(年間授業料535,800円は国立標準額と同額)。県外者でも入学金が高くなるだけで、6年合計は373.48万円です。なお、この金額は入学金と授業料のみの合計で、このほかに学生保険や実習器具、教科書・参考書、学外実習の交通費などの諸費用が別途かかります(大学公式サイトの案内より)。
これを私立と比べると、その差は歴然としています。私立17校の6年総額の単純平均は約2,611万円。九州歯科大学(県内)はその約7.5分の1にあたります。私立で最も安い明海大学・朝日大学(1,793万円)と比べても約5.1分の1です。学費を負担するご家庭にとって、この差は非常に大きいといえるでしょう。なお、この学費差は国公立と私立という設置形態の違いによるものであり、教育内容や指導の質を示すものではありません。
※ 本セクションの学費は、2026年7月時点で大学公式サイトに掲載されている金額(2025年度実績または2026年度予定額)に基づきます。最新情報は必ず大学公式サイト・募集要項でご確認ください。
留年1年の経済的リアリティ(当ブログの独自試算)
当ブログでは、留年1年の経済的損失を1,500万円と試算しています。
- 学費 500万円(※実際の各大学の学費額ではなく、全大学共通の固定値です)
- 生活費 200万円
- 機会損失 800万円(キャリア終盤の1年分の年収が消える考え方)
この試算はあくまで当ブログ独自のモデル計算です。ここで使っている学費500万円は私立を想定した全大学共通の固定値で、九州歯科大学の実際の年間授業料は535,800円(県内者・県外者とも同額)と、モデル値よりはるかに低い水準です。九州歯科大学で1年留年した場合の直接の追加負担は、この授業料に生活費や必要に応じた教材費などが加わるかたちになります。一方で、生活費や機会損失(キャリア終盤の1年分の年収が消える考え方)は、設置形態に関係なく生じます。1,500万円という数字は、九州歯科大学の実際の追加負担額ではなく、複数の前提を置いた参考シナリオとしてご覧ください。
ここで、先ほどのコホートのデータを思い出してください。令和元年度入学世代は9割近く(87%)がストレート卒業しており、留年せずに進める可能性が高い大学です。とはいえ、外れてしまった場合には、学費の安い公立でも、生活費や将来の収入機会の面で大きな経済的影響が生じます。学費を負担する保護者の方にとっては、合格発表がゴールではなく、入学後の6年間こそが本番です。学費の安さという大きなメリットがある一方で、留年した場合の生活費や機会損失は設置形態に関係なく生じる、という両面を押さえておきましょう。
出典:九州歯科大学 公式サイト(学費)/私立17校の学費は各大学公式サイト
偏差値×ストレート合格率で見る国公立12校での立ち位置
最後に、国公立12校の中での立ち位置を「入口(偏差値)×出口(ストレート合格率)」で整理します。
九州歯科大学の河合塾 方式別偏差値は55(2027年度)、共通テスト得点率は70%で(いずれも2026年7月確認時点の予想値)、これは国公立12校の中では下位グループ(最下位タイ)にあたります。一方、出口のストレート合格率3年平均は73.7%で12校中7位の中位。つまり、入口が相対的に控えめでも、出口では中位を確保している大学だといえます。
ここで興味深いのが、国公立12校全体を見ると、偏差値とストレート合格率の間にはほとんど相関がないことです。国公立12校で偏差値(方式別)とストレート合格率3年平均の相関係数を計算すると、r≒−0.01とほぼゼロでした。参考までに、当ブログが以前私立16校(BF校を除く)で同じ計算をしたときはr≒0.73で、こちらは「偏差値が高い大学ほど出口も高め」という緩やかな右肩上がりの傾向が見られました(ただし例外もあります)。国公立ではその緩やかな傾向すら当てはまらないのです。

つまり、少なくとも今回の国公立12校・この指標の組み合わせでは、入口の偏差値から出口の実績を予測することはできませんでした。だからこそ国公立では、大学ごとにストレート合格率を個別に確認する必要があります。
その中で九州歯科大学は、回帰線からの残差が−0.4ポイントとほぼゼロ。「偏差値のわりに強い/弱い」というよりは、12校の平均的な水準どおりの位置にあります。
ただし、この結果は参考程度に受け止めてください。国公立12校というサンプルは小さく(n=12)、偏差値も方式別で55・57.5・60の3水準に集中しているため、横軸の分解能が低く、少数の外れ値(九州大学の残差−17.0ポイント、北海道大学の残差+10.1ポイントなど)の影響を受けやすいという限界があります。
いずれにせよ、偏差値は入口の難易度、ストレート合格率は出口の実績です。国公立ではこの2つが連動しないからこそ、大学選びでは必ず両方を確認してください。当ブログの歯学部偏差値ランキングの分析記事では、国公立12校の偏差値・共通テスト得点率・ストレート合格率を同じ表で比較していますので、あわせてご覧ください。
出典:河合塾(偏差値・共通テスト得点率)/文部科学省(ストレート合格率)
まとめ|3つのポイント
本記事のポイントを3つにまとめます。
- 出口の実績: ストレート合格率は直近3年平均73.7%で国公立12校中7位の中位。確定した令和元年度入学世代はストレート卒業率87%と、9割近くが6年で卒業までたどり着いている
- 辞めにくさと留年構造: 退学率0.1%(令和4〜6年度平均)は全29校中で最小水準。ただし脱落は4〜5年次の高学年に多く、低学年集中型の私立の一部とは逆のパターン
- お金: 入学金+授業料の6年合計349.68万円(県内者)は私立平均の約7.5分の1という大きなメリット。ただし留年すれば、学費が安い公立でも生活費や将来の収入機会の損失が生じる(当ブログの留年1年1,500万円モデルは私立想定の参考試算)
なお、本記事で示した数字はあくまで統計的な評価です。合格や進級を最終的に決めるのは一人ひとりの学習習慣であって、九州歯科大学の在学生や志願者の方を貶める意図はまったくありません。むしろデータが示すのは、この大学では「入学後、着実に学び続けられる」という事実です。低学年からしっかり学習習慣を身につけ、着実に進級すれば、ストレート合格は十分に手が届く目標です。
九州歯科大学だけでなく、全国29歯学部の留年率・卒業率・ストレート合格率を横断的に比較したい方は、「歯学部 留年率・卒業率ランキング【全29大学・最新データ】」もあわせてご確認ください。
データ出典: 文部科学省「歯学部の修学状況等の調査」/厚生労働省 歯科医師国家試験結果/河合塾(偏差値)/九州歯科大学 公式サイト

