国公立大学の修学状況
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新潟大学の留年率・ストレート合格率・学費【最新データで総点検】【2026年8月更新】

kameman
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新潟大学に入学したら、6年で歯科医師になれる可能性はどのくらいあるのか。どの学年で留年しやすく、6年間でいくらかかるのか。本記事では、文部科学省「歯学部の修学状況等の調査」、厚生労働省の歯科医師国家試験結果、河合塾の偏差値データ、そして大学公式サイトの公表データを使って、パンフレットでは見えにくい「入学後の6年間」を総点検します。

先に結論をお伝えすると、新潟大学には「確定しているデータ」と「直近の実力」の間に大きなギャップがあります。新潟大学が公表している進級・卒業の詳細データで結果が確定している最新の世代は平成30年度入学(第117回国試世代)で、この世代のストレート卒業率は67.5%。比較できる国公立8校の中では最も低い水準です(ただし8校の基準となる入学世代はそろっていません。詳しくは本文で説明します)。一方、文部科学省が毎年公表しているストレート合格率(修業年限内合格率)の直近3年平均は80.0%で、国公立12校中4位という上位グループの実績です。

さらに、第115回以降のストレート合格率は65.0%と87.5%を1回ごとに行き来する交互振動(振れ幅は一貫して±22.5ポイント)で、単年の数字だけを見ると評価が大きくぶれます。入口の側を見ると、河合塾の方式別偏差値55.0でそろう国公立4校(新潟・長崎・九州歯科・徳島)の中で、新潟大学の出口実績は最も高い(新潟80.0% > 長崎76.0% > 九州歯科73.7% > 徳島62.5%)という位置にあります。

つまり新潟大学は、大学公式ページの詳細データだけを見ていると”今の強さ”が見えにくい大学です。この記事では、「確定データと直近の実力のギャップ」「単年で見る危うさ」「脱落は2年次に集中」「退学率と学費」という特徴をデータで確認し、最後に受験生・保護者の方への前向きな提言でまとめます。


目次

  1. 新潟大学の基本情報
  2. ストレート合格率とは(新卒合格率との違い)
  3. ストレート合格率の10年推移|3年平均80.0%は国公立12校中4位
  4. コホート追跡|入学40人のゆくえ(確定データは平成30年度入学=第117回で止まる)
  5. どの学年でつまずくか|脱落は2年次に集中(8.81%)
  6. 留年率は6.2〜16.2%で推移|退学率0.9%は国公立12校で中位
  7. 学費は入学金+授業料の6年合計で約350万円(国立標準額)と留年1年の経済的リアリティ
  8. 偏差値は指標で評価が割れる(方式別55.0×学部学科60.0)——同ランク4校で出口トップ
  9. まとめ|3つのポイント

新潟大学の基本情報

まず、大学の基本プロフィールを押さえておきます。

項目内容
所在地〒951-8514 新潟県新潟市中央区学校町通2-5274
アクセス新潟駅前から市内バスで「市役所前」下車、徒歩3分/JR越後線「白山駅」下車、徒歩約15分/自動車は新潟バイパス・桜木ICから約10分/新潟空港からタクシーで約30分
入学者数実績として40人で推移(平成30〜令和7年度・文部科学省 令和7年5月1日現在の集計より)
河合塾偏差値(2027年度)方式別55.0/学部学科ランク60.0/共通テスト得点率 前期72%・後期78% ※2026年7月確認時点の予想値
学費(入学金+授業料の6年合計)349.68万円(国立標準額・県内外の区別なし)※2026年度掲載額・諸費用別途
大学院大学院医歯学総合研究科(医学部と統合した組織)

アクセス面では、新潟駅前から市内バスに乗り「市役所前」で降りて徒歩3分というルートが最も分かりやすい経路です。JRを使う場合は越後線「白山駅」から徒歩約15分で、駅からの距離という点ではバス利用のほうが近くなります。

ここで、本記事を読むうえで大切な注意点を1つお伝えします。新潟大学の歯学部には、歯学科のほかに口腔生命福祉学科が置かれています。本記事で扱うストレート合格率・進級・卒業・国家試験合格などの数値は、すべて歯学科(歯科医師を養成する6年制課程)のみを対象としており、口腔生命福祉学科の数字は含まれていません。修業年限も進路も異なる学科ですので、混同しないようご注意ください。大学院は歯学部単独ではなく、医学部と統合した「大学院医歯学総合研究科」という組織になっています。

なお、新潟県内には新潟大学のほかに私立の日本歯科大学新潟生命歯学部があります。そのため本記事では「新潟県唯一」「北陸唯一」といった位置づけの表現は使いません。また、募集人員の選抜方式別の内訳(一般選抜・学校推薦型選抜等)は今回参照した公開情報では確認できませんでしたが、入学者数(1年次の学生数)は平成30年度から令和7年度まですべての年度で40人と安定しています(文部科学省の令和7年5月1日現在の集計による)。本記事では、この40人という数字をもとにコホート(入学世代)を追跡していきます。

新潟大学が公表している進級・卒業の詳細データは、令和6年5月1日時点が最新です。この時点で確定している世代の卒業率は67.5%とやや低めに出ていますが、後ほど紹介する国全体の年次データでは、直近のストレート合格率はより高い水準にあることがわかります。数字の背景にある”時点の違い”を知っておくと、大学選びの際に安心材料になります。

出典:新潟大学 公式サイト(所在地・アクセス・学部構成・大学院)/河合塾(偏差値)/大学公表資料(入学者数)


ストレート合格率とは(新卒合格率との違い)

本題に入る前に、当ブログが最重要指標としている「ストレート合格率」を説明します。すでにご存じの方は次のセクションへ進んでください。

大学の広告やパンフレットでよく使われるのは新卒合格率です。これは歯科医師国家試験の新卒受験者数を分母とした合格率で、卒業試験や進級判定で受験者が選別されたあとの数字です。つまり、入学前の人が本当に知りたい「入学してから歯科医師になれる確率」は、新卒合格率からは見えません。

そこで当ブログが主軸にしているのがストレート合格率(正式名称:修業年限内合格率)です。

  • 分母: 入学者数
  • 分子: 6年間(修業年限内)で国家試験に合格した人数

入学者を分母にするため、留年や退学も含めた6年間の現実がそのまま反映されます。

※ 本記事のコホート追跡・ストレート合格率・学年別脱落率の数値は、大学が文部科学省の様式に沿って公表しているデータに基づき、編入学を除く入学者ベースです(大学公表資料の注記に準拠)。


ストレート合格率の10年推移|3年平均80.0%は国公立12校中4位

それでは、新潟大学のストレート合格率を、第109回から第118回までの10年分で確認します。

図:ストレート合格率の10年推移(新潟大学 vs 国公立12校平均・第109〜118回)。第115回以降は65.0%⇔87.5%の交互振動。出典:文部科学省のデータをもとに当ブログ作成

図の実線が新潟大学、破線が国公立12校平均です。実線は多くの回で破線より上にありますが、第115回以降は大きく上下しているのが見て取れます。数値で確認していきましょう。

受験回新潟大学国公立12校平均差(新潟−平均)
第109回75.0%67.4%+7.6pt
第110回72.5%69.6%+2.9pt
第111回75.0%72.1%+2.9pt
第112回82.5%70.9%+11.6pt
第113回80.0%69.9%+10.1pt
第114回77.5%71.5%+6.1pt
第115回65.0%65.7%−0.7pt
第116回87.5%71.3%+16.2pt
第117回65.0%75.0%−10.0pt
第118回87.5%75.6%+12.0pt

※表の「差(新潟−平均)」は、丸める前の平均値から算出しています。そのため第114回と第118回では、表に示した平均値(小数第1位)との単純な引き算と0.1ポイントずれて見えます(それぞれ平均が71.45%・75.55%と四捨五入の境界にあたるためです)。

※国公立12校平均は、当ブログが文部科学省のデータをもとに独自に算出した数値です。東京科学大学は2024年10月に東京医科歯科大学と東京工業大学が統合して誕生した大学で(「改称」ではありません)、この集計では統合前の東京医科歯科大学の実績を東京科学大学の実績として通算しています。

このデータから読み取れることは2つあります。1つは、新潟大学は10年のうち8つの回で国公立12校平均を上回っていることです。平均を下回ったのは第115回(65.0%・平均65.7%でマイナス0.7ポイント)と第117回(65.0%・平均75.0%でマイナス10.0ポイント)の2回のみでした。とくに第116回は平均を16.2ポイント、第118回は12.0ポイント上回っており、良い回の水準は国公立の中でもはっきり高い部類です。

もう1つは、年ごとの振れ幅がとても大きいことです。10年間の実数値は最小65.0%(第115回・第117回)〜最大87.5%(第116回・第118回)で、その差は22.5ポイントあります。しかも第115回以降は、65.0% → 87.5% → 65.0% → 87.5% と、1回ごとにぴたりと交互に振れています。この4回に限れば振れ幅は一貫して±22.5ポイントで、完全な交互パターンです。なぜこのような振動が起きるのか、その原因は公表データからは分かりません。数字はあくまで結果として受け止めてください。

なお、参考までに私立15大学平均(第109〜118回で36%台〜43%台)と比べると、新潟大学は最も落ち込んだ第115回・第117回(いずれも65.0%)を含め、いずれの回も上回っています。ただし、これは国公立と私立という設置形態の違いによるもので、大学の教育の質の優劣を示すものではありません。国公立は選抜性が高く定員も少ないため、私立平均との単純比較には注意が必要です。

※私立15大学平均は、ストレート合格率が突出して高い東京歯科大学・昭和医科大学(旧・昭和大学)の上位2校を除いた、当ブログ独自集計の平均値です。

※ ここでのストレート合格率(修業年限内合格率)は、文部科学省の修学状況データに基づくもので、確認できる最新回は第118回です。厚生労働省が公表する国家試験の結果自体は第119回(2026年3月発表)まで出ていますが、ストレート(修業年限内)の集計は第118回までが最新である点にご注意ください。

直近3年平均は80.0%=国公立12校中4位

単年の数字は大きくぶれるため、当ブログでは直近3年の平均で評価します。第116〜118回の各回のストレート合格率を平均すると80.0%で、国公立12校中4位の上位グループです。

※ 本記事の3年平均は、各回の合格率(%)を単純平均したものです(12校すべて同じ方法でそろえています)。新潟大学は3年とも入学者数が40人でそろっているため、入学者数と合格者数をそれぞれ合算して求める方法(加重平均)でも80.0%となり、どちらの計算でも同じ数字になります。

順位大学3年平均(第116〜118回)
1位北海道大学84.1%
2位岡山大学82.7%
3位鹿児島大学81.8%
4位新潟大学80.0%
5位東京科学大学76.5%
6位長崎大学76.0%
7位九州歯科大学73.7%
8位広島大学72.3%
9位大阪大学71.1%
10位東北大学70.0%
11位徳島大学62.5%
12位九州大学57.0%

出口の実績としては、国公立12校の中で上位グループにあたります。1位の北海道大学(84.1%)とは4.1ポイント差、3位の鹿児島大学(81.8%)とは1.8ポイント差で、トップ争いのすぐ後ろに位置しています。

ここで、単年の数字だけを見るときの注意点をお伝えします。同じ12校を第118回の単年だけでランキングすると、新潟大学は2位(87.5%・1位の北海道大学90.4%に次ぐ位置)に上がります。反対に、第117回の単年だけでランキングすると11位相当(65.0%)まで下がります。 同じ大学が、見る年を変えるだけで2位から11位まで動いてしまうわけです。これは前述の65.0%⇔87.5%という交互振動がそのまま順位に反映されるためです。このように単年では大きくぶれるからこそ、当ブログでは3年平均(80.0%・12校中4位)を主指標として採用しています。 単年順位(2位相当・11位相当)と3年平均順位(4位)は別の数字ですので、混同しないようご注意ください。

国公立12校のストレート合格率10年推移をまとめて比較したい方は、国公立歯学部のストレート合格率 推移まとめをご覧ください。第118回単年の詳しい順位は、第118回 国公立歯学部ストレート合格率ランキングで確認できます。

出典:文部科学省(ストレート合格率)


コホート追跡|入学40人のゆくえ(確定データは平成30年度入学=第117回で止まる)

次に、実際に入学した学生がどの学年で減っていくのかを、入学年度別(コホート)に追跡します。ただし、新潟大学ではここで大切な前提があります。

まず「データの時点」を整理する

当ブログがこれまで扱った東北大学・徳島大学は、修学状況の公表データが令和7年5月1日現在で、令和元年度入学世代(第118回国試世代)まで卒業・国家試験の結果が確定していました。一方、新潟大学の進級・卒業の詳細データは令和6年5月1日現在が最新です。 そのため、卒業・国家試験の結果まで確定している最新の世代は平成30年度入学(第117回国試世代)で、東北大学・徳島大学より1世代ぶんさかのぼることになります。

これは大学が情報を出していないという話ではありません。新潟大学は令和6年5月1日時点までの入学年度別の進級マトリクスを詳細に公開しており、公表の内容自体はむしろ手厚い部類です。ポイントは、進級・卒業の詳細データには基準日があり、次の更新までは新しい世代の結果が反映されないという仕組みの側にあるということです。

そして、この基準日の違いが1つのズレを生みます。次の図をご覧ください。

図:本記事で使うデータの「時点」の違い。大学が公表する進級・卒業の詳細データは第117回(平成30年度入学の卒業)で凍結している一方、文部科学省が毎年発表するストレート合格率は第118回まで確認できる。出典:新潟大学 公表の修学状況データ・文部科学省をもとに当ブログ作成

上段の帯が大学公表の進級・卒業の詳細データ、下段の帯が文部科学省のストレート合格率です。下段のほうが1回分だけ右に長く伸びており、この「はみ出した1回分」が本記事のポイントになります。

データの種類確認できる最新の時点出典
進級マトリクス・コホート生存曲線(本セクション)平成30年度入学(第117回)まで確定・令和6年5月1日現在新潟大学 公式サイト
ストレート合格率の推移・3年平均(セクション3)第118回まで(最新)文部科学省

この図が示しているのは、令和元年度入学世代の最終結果(第118回・87.5%)は、大学公式ページの進級・卒業データではまだ確定していないものの、文部科学省の年次集計ではすでに判明しているという1年分のズレです。同じ「新潟大学の国家試験まわりの数字」でも、コホート追跡は1世代前の確定データ、ストレート合格率の推移はより新しいデータであることを、頭の片隅に置きながら読み進めてください。なお、厚生労働省が公表する新卒・総数の合格率はさらに新しく、第119回(2026年3月発表)まで確認できます。

確定コホート(平成30年度入学40人)のゆくえ

それでは、卒業・国家試験まで結果が確定している平成30年度入学世代(第117回国試世代・入学者40人)を追跡します。あわせて、令和元年度入学世代の途中経過(令和6年5月1日時点)を点線で示します。

図:入学者のゆくえ(平成30年度・令和元年度入学世代のコホート生存曲線)。平成30年度は卒業・国家試験まで確定、令和元年度は令和6年5月1日時点の公表分(6年次到達まで)を表示。出典:新潟大学 公表の修学状況データをもとに当ブログ作成

実線が確定している平成30年度入学世代、破線が令和元年度入学世代です。実線は4年次から5年次にかけて一段大きく落ち、そこから卒業・国家試験まではほぼ横ばいで進んでいます。人数で追ってみましょう。

学年の段階人数入学者40人に対する割合
入学(1年次)40人100%
2年次39人97.5%
3年次35人87.5%
4年次33人82.5%
5年次27人67.5%
6年次27人67.5%
ストレート卒業27人67.5%
国家試験合格26人65.0%

40人でスタートし、2年次で39人(マイナス1人)、3年次で35人(マイナス4人)、4年次で33人(マイナス2人)と段階的に減り、4年次から5年次にかけて33人から27人へと6人(18.2%)減っています。ここがこの世代で最大の落ち込みです。5年次から6年次は27人のままフラットに推移しました。

そしてストレートで卒業できたのは27人。入学者40人に対してストレート卒業率は67.5%です。3人に2人程度が6年間で卒業までたどり着いている計算になります。

※ 新潟大学の公式ページでは、この卒業率が整数に丸めて「68%」と表記されています。本記事では27人÷40人=67.5%という精密値を採用しています。0.5ポイントの差は大学側の整数丸めによるもので、データの不一致ではありません。 なお国家試験合格率は26人÷40人=65.0%で、公式表記の「65%」と丸め誤差なく一致します。

ストレート卒業した27人のうち、第117回国家試験に合格したのは26人でした。入学者40人を分母にしたストレート合格率は65.0%です。卒業から国家試験合格までの段階で減ったのは1人だけ(不合格率3.70%)で、次のセクションで見る進級段階で最も大きい脱落率(2年次から3年次の8.81%)と比べても半分以下の小さな水準でした。当ブログが以前扱った徳島大学(同18.18%)・鹿児島大学(同20.83%)で見られた「卒業から国家試験までの落ち込み」は、この世代では確認できません。ただしこれは平成30年度入学世代という1つの世代の実績であり、今後の世代にそのまま当てはまるとは限りません。

確定コホートの卒業率を他の国公立と並べてみる

平成30年度入学世代のストレート卒業率67.5%は、他の国公立と比べるとどの位置になるのでしょうか。当ブログが確定コホートの卒業率を把握できている国公立8校を並べると、次のようになります。

大学ストレート卒業率基準となる入学世代
鹿児島大学90.6%平成28年度
九州歯科大学87.4%令和元年度
広島大学86.8%平成30年度
徳島大学82.5%令和元年度
長崎大学82.0%平成30年度
大阪大学75.5%令和元年度
東北大学73.6%令和元年度
新潟大学67.5%平成30年度

この8校の中では、新潟大学の67.5%が最も低い水準です。 ただし、この比較には重要な留保があります。8校の基準となる入学世代がそろっていません。 鹿児島大学は平成28年度入学、九州歯科・徳島・大阪・東北の4校は令和元年度入学、新潟・広島・長崎の3校は平成30年度入学が基準です。それぞれの大学が公表している最新の確定世代を並べたものであり、同じ年に入学した学生同士を比べた表ではない点にご注意ください(各校のデータ更新のタイミングが異なるためです)。また、徳島大学82.5%と長崎大学82.0%は0.5ポイントの差があり、同じ数字ではありません。

そして何より大切なのは、この67.5%が「1世代前の確定データ」だということです。 セクション3で見たとおり、新潟大学の直近3年平均のストレート合格率は80.0%で国公立12校中4位。第118回の単年では87.5%と、12校の中で2位相当の高い数字を出しています。確定コホートの67.5%という数字だけを切り取って「厳しい大学」と受け止めるのは早計です。鹿児島大学の確定コホートについて詳しく知りたい方は鹿児島大学の記事もあわせてご覧ください。

令和元年度入学世代は6年次到達までが公表分

令和元年度入学世代(第118回国試世代・入学者40人)の途中経過も見ておきます。

入学世代入学2年次3年次4年次5年次6年次ストレート卒業国試合格
平成30年度(第117回・確定)40人39人35人33人27人27人27人(67.5%)26人(65.0%)
令和元年度(令和6年5月1日時点)40人40人40人38人38人37人未公表未公表

※各学年の人数は、入学者のうち留年・休学・退学をせずにその学年までストレートで進級した人数です(%は入学者数40人が分母)。人数が減っている分だけ、その学年で留年するなどして予定どおり進級できなかった学生がいることを意味します。

令和元年度入学世代は、1年次から3年次まで40人のまま1人も減っていません。その後3年次から4年次で2人、5年次から6年次で1人減り、6年次到達は37人でした。大学公表資料ではストレート卒業・国家試験合格の集計は公表されていません(データなし)。ただしセクション3で見たとおり、文部科学省の年次集計ではこの世代の最終結果として第118回で35人合格・87.5%が判明しています。この世代の卒業者数そのものは大学公表データからは確認できないため、卒業率については断定しません。

混同しやすい数字の整理

ここで、混同しやすい数字を整理しておきます。

まず、大学が公表した令和5年度の卒業留年に関する資料によると、6年次に在籍していた学生35人が全員卒業し、卒業留年率は0%(大学公表値)でした。ここで注意したいのは、先ほどの平成30年度入学世代の「6年次進級者27人」と、この「6年次在籍総数35人」は別の集団だということです。35人は、平成30年度入学世代の27人に、それより前の入学世代で留年を経験して6年次に在籍している学生などを加えた、令和5年度時点の6年次在籍者全体です(この集計は編入学を含みます)。この2つの「6年次」の数字を同一視して、差の8人を「留年した学生数」と読むことはできません。また、卒業留年率0%は「令和5年度に限って」6年次在籍者が全員卒業したという意味であり、新潟大学に留年が一切ないという意味ではありません。平成30年度入学世代自体、40人のうち13人が標準の6年で6年次まで到達できていません。

次に、厚生労働省が公表する第117回の新潟大学の新卒合格率は85.71%ですが、これは「その年度の新卒受験者35人」を分母にした数字です。この新卒受験者35人は、大学公表資料の6年次在籍総数35人と一致します。一方、新卒で合格した30人と、コホート追跡で見た標準修業年限内の国家試験合格者26人は一致しません。新卒受験者35人のうち、標準の6年で卒業したのは27人で、残り8人は延長した修業年限で令和5年度に卒業した学生とみられます。新卒合格30人と標準修業年限内合格26人の差4人は、この延長修業年限で卒業した学生のうちの合格者と考えられますが、正確な内訳は公表データからは分かりません。

最も大切なのは、新卒合格率85.71%(分母35・その年度の新卒受験者)と、ストレート合格率65.0%(分母40・平成30年度入学者)は、対象がまったく異なる別の指標だということです。前者はその年度に新卒で受験した人の合格割合、後者は平成30年度に入学した40人が6年間で歯科医師になれた割合です。並べて比べる際は、この違いを押さえておいてください。

※ なお、歯科医師国家試験の結果は年度によって変動します。厚生労働省が公表する直近の第119回(2026年3月発表)では、新潟大学の新卒合格率は89.19%(前年の第118回は86.00%)とわずかに上がりましたが、総数合格率は76.09%(前年84.48%)と下がりました。既卒の受験者9人のうち合格が2人だったことが総数を押し下げています。いつの世代も同じ結果になるとは限りません。原因については公表データからは分かりません(第119回は新卒・総数の数値で、ストレート=修業年限内の集計はまだ第118回までが最新です)。

出典:新潟大学 公表の修学状況データ(令和6年5月1日基準)/文部科学省(ストレート合格率)/厚生労働省(新卒・総数合格率)


どの学年でつまずくか|脱落は2年次に集中(8.81%)

「どの学年でつまずきやすいか」は、大学選びでいちばん知りたいところでしょう。ここで注意が必要です。よく使われる学年別の留年率(その年度の在籍者のうち、留年・休学を経験した学生の割合)では、実は「どの学年でつまずくか」は正確にはわかりません。留年・休学を経験した学生は上の学年に積み上がっていくため、高学年ほど数字が大きく出やすいからです。

そこで本記事では、入学した世代(コホート)ごとに、各学年で何%の学生が予定どおり上の学年へ進級できず脱落したかを計算しました。平成30年度から令和5年度までの入学世代について、大学が公表している入学年度別の進級データ(令和6年5月1日現在)を用い、各学年遷移の脱落率をプール集計したものが次の図と表です。

図:学年別の脱落率(入学複数世代のプール集計)。新潟大学は2年次から3年次に最大の関門があり、入学直後の1年次から2年次はその半分以下にとどまる。4年次の6.00%は平成30年度入学世代のマイナス6人に引かれた数値。出典:新潟大学 公表の修学状況データをもとに当ブログ作成

棒の中で最も高い2年次だけを赤で示しています。棒の下にある「n=」は、その学年の集計に使えた入学世代の数です(学年が上がるほど確定している世代が少なくなります)。

学年(遷移)1年次(入学→2年)2年次(2→3年)3年次(3→4年)4年次(4→5年)5年次(5→6年)
脱落率3.75%8.81%3.57%6.00%1.54%
集計世代数6世代5世代4世代3世代2世代

結果ははっきりしています。新潟大学で最も脱落率が高いのは2年次から3年次に上がるときの8.81%で、進級の各段階の中で最大です。注目したいのは、入学直後の1年次から2年次が3.75%と、最大の2年次(8.81%)の半分以下にとどまっていることです(進級段階の中では、5年次から6年次の1.54%、3年次から4年次の3.57%に次いで3番目に小さい数字です)。当ブログがこれまで扱った徳島大学(1年次10.0%が最大)・鹿児島大学(同10.38%が最大)はいずれも「1年次の壁」型でしたが、新潟大学はこれとは逆で、入学直後の1年次はむしろ脱落が少なく、2年次から3年次に相対的な関門があるという構造です。苦戦する学年を混同しないようご注意ください。

型としては東北大学(2年次から3年次の脱落率が全遷移中最大の14.5%)に近い形ですが、その水準(8.81%)は東北大学(14.5%)ほど大きくはありません。本記事ではこれを便宜的に「2年次型」と呼ぶことにします。

4年次の6.00%の読み方には注意が必要

もう1つ、表の中で目を引くのが4年次から5年次の6.00%です。この数字の読み方には注意が必要です。

セクション4で見たとおり、平成30年度入学世代は4年次から5年次で33人から27人へと6人(18.2%)減っています。この6.00%というプール値は、その平成30年度世代の落ち込みに大きく引かれた数値です。同じ学年段階を他の世代で見ると、令和元年度入学世代は38人→38人、令和2年度入学世代は29人→29人と、いずれも1人も減っていません。つまり「4年次から5年次の壁」は、新潟大学全体に共通する恒常的な傾向として一般化することはできません。 平成30年度入学世代に限って起きた落ち込みとして受け止めてください。なぜこの世代でこの段階の減少が起きたのか、その原因は公表データからは分かりません。

一方、2年次から3年次の8.81%は5つの入学世代を合算した数字で、平成30年度(39人→35人)・令和2年度(36人→30人)・令和3年度(39人→35人)・令和4年度(39人→36人)と複数の世代で繰り返し減少が確認されており、より安定した傾向として読み取れます。同じ「脱落率」でも、根拠となる世代数と再現性が異なる点は押さえておいてください。

参考までに、平成30年度から令和6年度までの各入学世代の生存曲線を重ねて描いたのが次の図です。入学者数が全世代で40人と一律のため、正規化はシンプルです。

平成30年度から令和6年度までの入学世代の生存曲線を重ねたグラフ。多くの世代が2年次から3年次で落ち込む一方、令和元年度入学世代は1年次から3年次まで40人のままフラット
図:入学世代別(平成30〜令和6年度)の生存曲線の重ね描き。各世代の入学者数40人で正規化。到達している学年までを表示。令和元年度入学世代は1年次から3年次までフラットで、世代ごとのばらつきが大きい。出典:新潟大学 公表の修学状況データをもとに当ブログ作成

このグラフを見ると、世代ごとのばらつきが大きいことが分かります。令和元年度入学世代は1年次から3年次まで40人のまま1人も減っていない一方、令和2年度入学世代は2年次で36人、3年次で30人と早い段階で減っています。世代によって歩みが大きく違うのはデータから確認できる事実ですが、その原因は公表データからは分かりません。

  • 今回のデータで最もつまずきやすいのは2年次から3年次に上がるタイミング(8.81%)。入学直後の1年次から2年次は3.75%と、その半分以下にとどまる。
  • 逆に言えば、1年次で身につけた学習習慣を2年次以降も切らさずに続けられるかが、その後の6年間を左右するとも言えます。

なお、なぜ2年次から3年次で脱落が相対的に多いのか、その理由までは公表データからはわかりません。数字はあくまで結果の傾向として受け止めてください。

出典:新潟大学 公表の修学状況データ(令和6年5月1日現在・編入学を除く・歯学科のみ)


留年率は6.2〜16.2%で推移|退学率0.9%は国公立12校で中位

次に、留年率と退学率を確認します。

留年率(在籍者ベース)は6.2〜16.2%の範囲

まず留年率です。ここでいう留年率は、文部科学省の集計で、その年度に在籍する学生のうち、在学中に一度でも留年または休学を経験した学生の割合を指します(その年度に留年した学生だけを数えたものではありません)。新潟大学全体の留年率は、平成26年度以降で最小6.2%(平成26年度・平成27年度・平成29年度)〜最大16.2%(令和7年度)の範囲で推移しています。

年度全体の留年率
平成26年度6.2%
平成27年度6.2%
平成28年度6.9%
平成29年度6.2%
平成30年度7.4%
令和元年度7.3%
令和2年度10.3%
令和3年度10.6%
令和4年度11.9%
令和5年度12.5%
令和6年度13.1%
令和7年度16.2%

注目したいのは、令和元年度(7.3%)から令和7年度(16.2%)にかけての7年度分のデータが、一貫して右肩上がりになっている点です。7.3% → 10.3% → 10.6% → 11.9% → 12.5% → 13.1% → 16.2%と、前年を上回った年が6年続いています。この12年間のデータの中で最も明確な連続上昇の傾向であり、直近の令和7年度(16.2%)はこの期間で最も高い水準です。この上昇の背景については、進級や卒業の判定が慎重になっている可能性も考えられますが、断定はできません。

令和7年度の学年別の留年率は、1年次7.0%、2年次28.1%、3年次19.4%、4年次13.0%、5年次15.6%、6年次10.5%でした。最も高いのは2年次の28.1%で、次いで3年次の19.4%です。前のセクションで見た「2年次から3年次への脱落率8.81%が進級段階では最大」という傾向と、2年次の留年率が突出して高いことは整合的な事実です。逆に最も低いのは1年次の7.0%で、これも「1年次から2年次への脱落率3.75%が、2年次から3年次の8.81%の半分以下」という傾向と整合しています。ただし留年率は在籍者ベースの単年の指標、脱落率は複数世代を追跡した累積の指標であり、定義が異なる点にはご注意ください。

退学率0.9%は国公立12校で中位

次に、退学率を見てみます。令和4〜6年度の3か年平均で、新潟大学の退学率は0.9%です。

区分退学率(令和4〜6年度3か年平均)
新潟大学0.9%
国公立12校 単純平均約0.6%
私立17校 単純平均4.4%

この0.9%という数字は、国公立12校の中では9位(中位)にあたります。鹿児島大学(0.8%)と広島大学(1.0%)の間に位置し、全国29の歯学部(国公立12校+私立17校)の中でも9位です。ここまで見てきたとおり、新潟大学はストレート合格率3年平均が国公立12校中4位と上位グループである一方、退学率については突出して低いわけではなく中位にとどまっているという組み合わせです。これは、退学率が良好だった東北大学(0.5%)とも、国公立で最も高いグループだった徳島大学(1.1%)とも異なる位置づけです。

ただし、なぜ退学率が中位なのか、その原因は公表データからは分かりません。これらは統計上の割合であって、個々の学生の事情はさまざまです。なお、私立17校平均の4.4%と比べると大幅に低い水準ですが、この差は設置形態(国公立/私立)の違いによる面もあり、大学の教育の質の優劣を単純に示すものではありません。

出典:文部科学省(留年率・退学率)


学費は入学金+授業料の6年合計で約350万円(国立標準額)と留年1年の経済的リアリティ

ここからはお金の話です。新潟大学は国立大学のため、学費は大きな魅力のひとつです。

学費の内訳(2026年度)

項目金額
入学金282,000円
年間授業料535,800円 × 6年
入学金+授業料の6年合計3,496,800円

新潟大学の入学金+授業料の6年合計349.68万円は、文部科学省が定める国立大学の標準額とまったく同じ水準です(年間授業料535,800円は国立標準額と同額)。国立大学のため、県内者・県外者の区別はなく、一律です。なお、この金額は入学金と授業料のみの合計で、このほかに学生保険や実習器具、教科書・参考書、学外実習の交通費などの諸費用が別途かかります

これを私立と比べると、その差は歴然としています。私立17校の6年総額の単純平均は約2,611万円。新潟大学はその約7.5分の1にあたります。私立で最も高い東京歯科大学(3,190万円)と比べると約9.1分の1、私立で最も安い明海大学・朝日大学(ともに1,793万円)と比べても約5.1分の1です。学費を負担するご家庭にとって、この差は非常に大きいといえるでしょう。なお、この学費差は国公立と私立という設置形態の違いによるものであり、教育内容や指導の質を示すものではありません。

※ 本セクションの学費は、2026年7月時点で大学公式サイト等に掲載されている2026年度の金額に基づきます(2027年度の学費は本記事執筆時点で未公表のため、2026年度額を使用しています)。最新情報は必ず大学公式サイト・募集要項でご確認ください。

留年1年の経済的リアリティ(当ブログの独自試算)

当ブログでは、留年1年の経済的損失を1,500万円と試算しています。

  • 学費 500万円(※実際の各大学の学費額ではなく、全大学共通の固定値です)
  • 生活費 200万円
  • 機会損失 800万円(キャリア終盤の1年分の年収が消える考え方)

この試算はあくまで当ブログ独自のモデル計算です。ただし、この500万円は全大学共通の固定値モデルであり、新潟大学の実際の年間授業料は535,800円(国立大学標準額と同額)と、モデル値よりはるかに低い水準です。実額に置き換えると、留年1年あたりの損失は、生活費200万円+機会損失800万円を中心とした1,000万円程度が現実的な下限になります。ただし、生活費200万円・機会損失800万円は一定の前提を置いた概算であり、住まいや就職の時期、将来の収入などによって実際には大きな個人差があります。1,500万円という数字は、新潟大学の実際の追加負担額ではなく、複数の前提を置いた参考シナリオとしてご覧ください。

ここで、先ほどのコホートのデータを思い出してください。確定コホート(平成30年度入学世代)のストレート卒業率は67.5%。3人に2人程度がストレートで卒業できる計算です。ただし直近3年平均のストレート合格率は80.0%と高く、この確定コホートの数字だけを見て「厳しい大学」と判断するのは早計かもしれません。いずれにせよ、卒業までの過程では生活費や将来の収入機会の面で大きな経済的影響が生じる可能性があります。学費を負担する保護者の方にとっては、合格発表がゴールではなく、入学後の6年間こそが本番です。学費の安さという大きなメリットがある一方で、留年や国家試験でつまずいた場合の生活費や機会損失は設置形態に関係なく生じる、という両面を押さえておきましょう。

出典:新潟大学 公式サイト(学費)/私立17校の学費は各大学公式サイト


偏差値は指標で評価が割れる(方式別55.0×学部学科60.0)——同ランク4校で出口トップ

最後に、国公立12校の中での立ち位置を「入口(偏差値)×出口(ストレート合格率)」で整理します。

その前に、新潟大学の偏差値について1つ大切な注意点があります。新潟大学は、河合塾のどの偏差値指標を見るかによって評価が大きく変わる大学です。2027年度入試向けの河合塾の数値を見ると、次のようになっています(いずれも2026年7月確認時点の予想値)。

  • 方式別偏差値(前期日程):55.0(国公立12校の中では最も低いグループ。徳島・長崎・九州歯科と並ぶ)
  • 学部学科偏差値:60.0(複数の入試方式をまとめ直したランク・国公立12校の中では最も高いグループ。東北・東京科学・岡山・広島・徳島と並ぶ)
  • 共通テスト得点率:前期日程72%/後期日程78%

このように、同じ新潟大学でも「方式別偏差値では下位グループ、学部学科偏差値では上位グループ」と評価が5.0ポイント分割れます。単純に「偏差値が低い」「高い」とひとくくりにできない大学なので、どの指標を見ているかを必ず確認する必要があります。なお、この方式別55.0×学部学科60.0という組み合わせは徳島大学とまったく同じで、新潟大学だけの特徴ではありません。共通テスト得点率は前期72%・後期78%と後期日程のほうが6ポイント高くなっていますが、前期・後期の定員配分などの詳細はデータがなく、断定はできません。

以下の散布図では、当ブログの他の分析記事と系列をそろえるため、方式別偏差値を横軸に使っています

図:河合塾 方式別偏差値(2027・前期日程)× ストレート合格率3年平均の散布図(国公立12校)。横軸は前期日程の方式別偏差値。偏差値とストレート合格率の相関はほぼゼロ。出典:河合塾・文部科学省をもとに当ブログ作成

まず入口と出口の事実を並べてみます。新潟大学の方式別偏差値55.0は国公立12校の中で最も低いグループ、出口のストレート合格率3年平均80.0%は12校中4位の上位グループです。入口は下位グループ、出口は上位グループという組み合わせです。ただし、これを「偏差値がこうだから合格率もこうなる」といった因果関係で解釈するのは適切ではありません。

同じ方式別偏差値55.0の4校で、出口は17.5ポイント開く

ここで、本記事でぜひお伝えしたい事実があります。方式別偏差値が55.0でそろう国公立4校を、出口のストレート合格率3年平均で並べてみると次のようになります。

順位大学方式別偏差値ストレート合格率3年平均
1位新潟大学55.080.0%
2位長崎大学55.076.0%
3位九州歯科大学55.073.7%
4位徳島大学55.062.5%

入口の偏差値がまったく同じ4校でも、出口の実績は最大17.5ポイント開きます。そしてその中で最も高いのが新潟大学(80.0%)です。 これは統計モデルによる推計ではなく、公表値をそのまま並べた事実です。同じ偏差値グループの徳島大学の6年間について詳しく知りたい方は、同じ偏差値グループの徳島大学の記事もあわせてご覧ください。

国公立では偏差値と出口がほとんど連動しない

4校の比較を12校全体に広げると、さらにはっきりします。国公立12校で偏差値(方式別)とストレート合格率3年平均の相関係数を計算すると、r≒−0.01とほぼゼロでした。参考までに、当ブログが以前私立16校(BF校を除く)で同じ計算をしたときはr≒0.73で、こちらは「偏差値が高い大学ほど出口も高め」という緩やかな右肩上がりの傾向が見られました(ただし例外もあります)。国公立ではその緩やかな傾向すら当てはまらないのです。

つまり、今回の国公立12校とこの指標の組み合わせでは、偏差値とストレート合格率の間に直線的な関係はほとんど確認できませんでした。だからこそ国公立では、大学ごとにストレート合格率を個別に確認することが大切です

なお、この結果は参考程度に受け止めるべきものです。国公立12校というサンプルは小さく(n=12)、方式別偏差値も55・57.5・60の3水準に集中しているため、横軸の分解能が低いという限界があります。そもそも相関がほぼゼロである以上、回帰線そのものに偏差値から合格率を説明する力はほとんどなく、今回の結果を国公立歯学部全般に一般化することはできません。

いずれにせよ、偏差値は入口の難易度、ストレート合格率は出口の実績です。国公立ではこの2つが連動しないからこそ、大学選びでは必ず両方を確認してください。当ブログの歯学部偏差値ランキングの分析記事では、国公立12校の方式別偏差値・学部学科偏差値・共通テスト得点率・ストレート合格率を同じ表で比較していますので、あわせてご覧ください。

出典:河合塾(偏差値・共通テスト得点率)/文部科学省(ストレート合格率)


まとめ|3つのポイント

本記事のポイントを3つにまとめます。

  1. 出口の実績: ストレート合格率は直近3年平均80.0%で国公立12校中4位の上位グループ。同じ方式別偏差値55.0の4校(新潟・長崎・九州歯科・徳島)の中では最も高い。ただし単年では65.0%と87.5%を交互に行き来しており、第118回だけなら2位相当、第117回だけなら11位相当まで動く(だからこそ3年平均で見る)
  2. 構造とデータの時点: 学年別の脱落は2年次から3年次に集中(8.81%)し、入学直後の1年次から2年次は3.75%とその半分以下にとどまる「2年次型」。卒業から国家試験までの落ち込みはほぼない(確定世代で不合格率3.70%)。ただし進級・卒業の詳細データは令和6年5月1日時点が最新で、確定した最新世代は平成30年度入学(第117回・ストレート卒業率67.5%)にとどまる
  3. お金: 入学金+授業料の6年合計349.68万円(国立標準額)は私立平均の約7.5分の1という大きなメリット。ただし留年すれば、学費が安い国立でも生活費や将来の収入機会の損失が生じる(当ブログの留年1年1,500万円モデルは私立想定の参考試算・実額ベースではおよそ1,000万円程度が目安)

確定コホートのストレート卒業率は67.5%。3人に2人程度がストレートで卒業できる計算ですが、直近3年平均のストレート合格率は80.0%と国公立12校の中でも上位です。大学選びの際は、1つの数字だけでなく複数の情報源を照らし合わせることが、経済的なリスクを正しく見積もるうえでも大切になります。学費を負担するご家庭にとっても、合格発表がゴールではなく、入学後の6年間こそが本番です。

なお、本記事で示した数字はあくまで統計的な評価です。合格や進級を最終的に決めるのは一人ひとりの学習習慣であって、新潟大学の在学生や志願者の方を貶める意図はまったくありません。確定コホートの卒業率(67.5%)だけを見ると厳しい印象を受けるかもしれませんが、直近3年平均のストレート合格率は80.0%と国公立12校の中でも上位で、同じ方式別偏差値55.0の4校の中では最も高い出口実績です。大学のパンフレットや公式ページの数字は、必ずしも”今この瞬間”の実力を表しているとは限りません。 受験生・保護者の皆さんには、大学公式サイトだけでなく、文部科学省など複数の情報源を照らし合わせて、最新の実力を判断材料にしていただくことをおすすめします。

そして新潟大学については、入学直後の1年次から2年次の脱落率は3.75%で、最大の関門である2年次から3年次(8.81%)の半分以下にとどまっています。その1年次で身につけた学習習慣を2年次以降も切らさずに続けられれば、着実に進級を重ね、ストレートで歯科医師を目指せる環境が整っていると言えるでしょう。

新潟大学だけでなく、全国29歯学部の留年率・卒業率・ストレート合格率を横断的に比較したい方は、「歯学部 留年率・卒業率ランキング【全29大学・最新データ】」もあわせてご確認ください。国公立12校のストレート合格率の推移は国公立歯学部のストレート合格率 推移まとめで確認できます。

データ出典: 文部科学省「歯学部の修学状況等の調査」/厚生労働省 歯科医師国家試験結果/河合塾(偏差値)/新潟大学 公式サイト


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公式データで歯学部を分析
歯学部受験情報館を運営しているシカラボです。 教育機関で10年以上、歯学部に関するデータを扱ってきました。 入学者ベースのストレート合格率・留年率・退学率など、見落とされやすい指標を、 厚生労働省・文部科学省・各大学公式サイトの一次資料から継続的に分析しています。
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