【2026年度版】日本大学松戸歯学部の留年率・ストレート合格率を総点検

kameman
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日本大学松戸歯学部に令和2年度に入学したのは115人。その6年後、歯科医師国家試験に合格して歯科医師になれたのは30人でした。入学者を分母にしたストレート合格率は26.1%です。

これは大学が公表した数字です。 文部科学省が発表している、他の大学と比較できる数字は、第116回から第118回の3年平均で42.3%(私立17大学中9位)です。この記事では、この2種類の数字をはっきり分けたうえで、留年率・退学率・卒業率・学費・偏差値まで、日本大学松戸歯学部の6年間を通しで点検します。数字はすべて文部科学省・厚生労働省・大学公式サイトの公表値のみを使っています。

本記事の要点(30秒まとめ)

  • 令和2年度入学115人 → 6年で卒業53人(46.1%) → 国家試験合格30人(26.1%・大学が公表した数字)
  • 文部科学省の確定データで比較できるのは第116〜118回の3年平均42.3%=私立17大学中9位
  • 確定値の直近は、第117回51.3%(私立3位)→第118回38.6%(私立12位)。そこから第119回相当26.1%まで、12ポイント規模の下落が2回続いている
  • 6つの入学年度すべてで比較できる区間は1年次から2年次だけ。平均14.6%(幅10.5〜18.9%)
  • 6年次留年率(大学公表の③表ベース)は令和5年度12.8%→令和6年度21.2%→令和7年度38.8%
  • 退学等の割合3.0%は私立17校の平均4.4%より低く、低いほうから5番目
  • 学費6年総額2,940万円は、私立17大学中6位

私立歯学部の学費は6年間で2,000万円を超える大学が多く、日本大学松戸歯学部は2,940万円です。学費を負担するご家庭にとっては、入学後の留年リスクを数字で把握しておくことが、そのまま経済的な意思決定になります。この記事は受験生・歯学部進学を検討中の高校生と浪人生に向けて書いていますが、保護者の方にも役立つよう、お金の話は第10章にまとめました。

この記事と同じ内容は、YouTube動画版でも解説しています(2026年9月29日18時公開)。動画はこちら → 【日本大学松戸歯学部 2026年度】入学115人、6年で歯科医師になれたのは30人(YouTube)


目次

  1. 結論:令和2年度入学の115人のうち、6年で歯科医師になれたのは30人
  2. この記事で使うデータと、対象の確認
  3. 日本大学松戸歯学部の基本情報|立地・偏差値・学費
  4. ストレート合格率とは何か|新卒合格率との違い
  5. 令和2年度入学コホートの6年間|115人のゆくえ
  6. 壁はどこにあるのか|入学年度別の脱落率と、比較の限界
  7. ストレート合格率の10年推移と私立17大学ランキング
  8. 第119回国家試験の本番で何が起きたか|新卒合格率47.9%の内訳
  9. 学年別の留年・休学率と、6年次留年率・退学率
  10. 学費2,940万円と、留年1年1,500万円という現実
  11. 偏差値×ストレート合格率|私立17大学での立ち位置
  12. まとめ|3つのポイント
  13. よくある質問(FAQ)
  14. 出典・参考リンク一覧

1. 結論:令和2年度入学の115人のうち、6年で歯科医師になれたのは30人

結論から書きます。令和2年度に日本大学松戸歯学部へ入学した115人のうち、6年間で卒業できたのは53人(46.1%)、そのまま第119回歯科医師国家試験に合格して歯科医師になれたのは30人(26.1%)でした。

入学した人のおよそ半分が6年で卒業に届き、そのうちのさらに一部が国家試験を突破した、という形です。入学者を分母にすると、6年で歯科医師になれたのは4人に1人という計算になります。

ただし冒頭でも触れたとおり、この26.1%は大学が令和8年5月1日現在として公表した数字です。文部科学省が毎年まとめている確定集計は、本記事の公開時点ではまだ公表されていません。他大学の同じ数字と並べて順位づけすることは、現時点ではできません。

そこで本記事では、比較の軸として文部科学省が確定させた第116回から第118回の3年平均42.3%を使います。この42.3%は私立17大学中9位です。

なお、私立歯学部のストレート合格率は、上位2校(東京歯科大学・昭和医科大学歯学部)を除くと僅差で並ぶ団子状態です。日本大学松戸歯学部の42.30%に対して、10位の福岡歯科大学は42.27%、11位の朝日大学歯学部は42.07%と、9位から11位は0.3ポイント以内に収まっています。この帯の順位は、わずかな変動で大きく入れ替わるため、順位は目安として読んでください。


2. この記事で使うデータと、対象の確認

修学状況の数字に使うのは、文部科学省「歯学部の修学状況等の調査」、厚生労働省の歯科医師国家試験結果、日本大学の公式サイト公表データの3つだけです。 入試難易度の偏差値だけは、河合塾とベネッセの公表値を、どちらの数字かを明記したうえで使います。SNS上の伝聞や出所のわからない推計値は使いません。

この記事の対象は「松戸歯学部」です

日本大学には歯学部が2つあります。千葉県松戸市にある松戸歯学部と、東京都千代田区神田駿河台にある歯学部です。この記事で扱うのは松戸歯学部のほうです。駿河台の歯学部は別学部・別キャンパスで、数字もまったく別なので取り違えにご注意ください。駿河台の歯学部については、2026年9月22日公開の別記事・別動画で同じ形式にて解説しています(日本大学歯学部(駿河台)の修学状況)。

基準日は令和8年5月1日

大学が公表している修学状況のデータは、令和8年5月1日現在の数値です。したがって、この記事で「6年間を追いかける集団」は令和2年度に入学した人たちで、その卒業実績は令和7年度卒業、国家試験は第119回にあたります。

この記事は「年1回の決定版」です

本サイトでは、各大学の修学状況を年に1回、最新の公表値がそろったタイミングで全面的に更新しています。他大学もあわせて比較したい方は、全29歯学部の修学状況まとめをご覧ください。


3. 日本大学松戸歯学部の基本情報|立地・偏差値・学費

日本大学松戸歯学部は、千葉県松戸市栄町西にキャンパスを置く歯学部です。

項目 内容
所在地〒271-8587 千葉県松戸市栄町西2-870-1
アクセスJR 松戸駅 西口からバス約15分
令和8年度 入学者数143人
河合塾 方式別ランク2026年度 35.0 → 2027年度 35.0(横ばい)
ベネッセ 偏差値2027年度 一般方式 46
学費6年総額2,940万円(2027年度・詳細は第10章)

出典:日本大学松戸歯学部 公式サイト/河合塾/ベネッセ

「令和8年度入学143人」と「令和2年度入学115人」を混同しない

上の表にある令和8年度の入学者143人は、いまの1年生の人数です。この記事でこれから6年間を追いかけるのは、令和2年度に入学した115人であり、まったく別の集団です。以降、本記事で「115人」と書いたときは、すべて令和2年度入学のコホート(同じ年に入学した集団)を指します。

偏差値は「方式別ランク」で見ています

本サイトでは、河合塾の偏差値について方式別ランク(入試方式ごとのボーダー偏差値)を主軸にしています。日本大学松戸歯学部は2026年度も2027年度も35.0で、横ばいです。ベネッセの偏差値は、2027年度の一般方式が46です。

ベネッセの数値については、本記事では経年比較をしません。 年度によって集計している方式区分が異なるため、年度をまたいで並べると基準の違う数字を比べることになるからです。予備校によって母集団も算出基準も違うため、偏差値を語るときは必ず出典と方式をセットで確認してください(参考:偏差値の見方 河合塾×ベネッセ)。詳しい内訳は第11章で扱います。


4. ストレート合格率とは何か|新卒合格率との違い

大学の広報で見かける「国家試験合格率」の多くは新卒合格率であり、入学前の受験生が本当に知りたい確率とは別物です。 ここが本サイトの出発点なので、最初に定義を整理します。

指標 分母 分子 何がわかるか
新卒合格率その年の新卒受験者数新卒の国家試験合格者数卒業試験・進級判定を通過した人の中での合格率
ストレート合格率(修業年限内合格率)入学者数6年(修業年限内)で国家試験に合格した人数入学した人が6年で歯科医師になれる割合

新卒合格率の分母は「新卒受験者数」です。つまり、6年間の進級判定と卒業試験をすべて通過した人だけが分母に残ります。留年した人も退学した人も、分母から静かに消えています。ですから新卒合格率がどれだけ高くても、そこに至るまでに何人がふるい落とされたのかは、この指標からは見えません。

これに対してストレート合格率(正式名称は修業年限内合格率)は、分母が入学者数です。留年も退学も、すべて分母に残ったまま計算されます。入学前の人が確認すべきなのは、こちらの数字です。

なお、本サイトでは「1からストレート合格率を引いた値=将来その人が既卒受験生になる確率」といった読み替えはしていません。留年・退学・進路変更など、分母から外れる理由は複数あるためです。


5. 令和2年度入学コホートの6年間|115人のゆくえ

令和2年度に入学した115人が、学年ごとにどう推移したのかを見ます。この大学の特徴は、どこか1か所で大きく落ちるのではなく、1年次から5年次までの各段階で1割台ずつ減っていくことです。そして、いちばん大きく減るのは最後でした。

令和2年度入学コホートの進級フロー
段階 人数 前段階からの増減 前段階比の減少率 入学者115人に対する割合
入学(令和2年度)115——100%
2年次進級96−1916.5%83.5%
3年次進級82−1414.6%71.3%
4年次進級71−1113.4%61.7%
5年次進級62−912.7%53.9%
6年次進級62±00.0%53.9%
卒業53−9—46.1%
第119回国家試験合格30−23—26.1%

出典:日本大学松戸歯学部 公式サイト(令和8年5月1日現在)/文部科学省「歯学部の修学状況等の調査」

表の読み方

ここでの人数は、入学した115人のうち、留年や休学、退学をせずにその学年までストレートで進級できた人の数です。人数が減っている分だけ、その学年で予定どおりには上の学年へ上がれなかった学生がいる、という意味になります。

各段階で1割台ずつ減っていく

減少率を並べると、1年次から2年次が16.5%、2年次から3年次が14.6%、3年次から4年次が13.4%、4年次から5年次が12.7%です。どこかに極端な山があるのではなく、どの段階でも1割台の脱落が続いています。

そして5年次から6年次だけは、ひとりも減っていません(±0人)。

ここで表現に注意が必要です。学年間の脱落を「3年次の壁」のように書くと3年生のときに苦しんだように読めますが、実際に留年判定を受けたのはその前の学年(2年生のとき)です。本記事では、この取り違えを避けるため、一貫して「1年次から2年次」「2年次から3年次」という区間の形で表記します。

最後の2段がいちばん大きい

6年次に到達したのは62人。ここから6年間で卒業できたのが53人で、入学者115人に対して46.1%です。さらに第119回歯科医師国家試験に合格したのが30人で、入学者を分母にすると26.1%。これがストレート合格率です。

6年次62人から卒業53人へ、そして合格30人へ。この最後の2段が、6年間で最も大きな減少です。

この26.1%は大学が公表した数字であり、文部科学省の確定集計はまだ出ていません。他大学との比較は現時点ではできない、という点をあらためて確認しておきます。なお、同じ令和2年度入学コホートのデータは【第119回】合格者379人減の分析でも扱っています。私立17校全体で、入学者が6年間でどう減っていくのかを比べたい方はコホート生存曲線で見る私立17校の6年間をご覧ください。

卒業した53人と、卒業できなかった人たちが国家試験本番でどうなったのかは、第8章で分解します。


6. 壁はどこにあるのか|入学年度別の脱落率と、比較の限界

この章では、令和2年度から令和7年度までの6つの入学コホートを並べます。ただし結論を先に書くと、「どの学年が最も減るのか」を6つの年度で横並びに比べることはできません。 最初に、その理由をはっきりさせておきます。

まず、比較の限界を示します

このデータは令和8年5月1日時点のものです。したがって、直近に入学した年度ほど、追える学年が短くなります。

入学年度 観測できた区間の数
令和2年度5
令和3年度5
令和4年度4
令和5年度3
令和6年度2
令和7年度1

令和2年度入学と令和3年度入学は1年次から6年次まで5つの区間すべてを追えますが、令和4年度入学は4つ、令和5年度入学は3つ、令和6年度入学は2つ、そして令和7年度入学にいたっては1年次から2年次の1つしか観測できていません。

まだ到達していない学年は、データなしです。 本記事では、そこを推定値で埋めることはしません。

入学年度別の脱落率マトリクス

入学年度×5区間の脱落率マトリクス
入学年度 1→2年次 2→3年次 3→4年次 4→5年次 5→6年次
令和2年度16.5%14.6%13.4%12.7%0.0%
令和3年度10.5%14.7%5.7%15.9%5.8%
令和4年度18.9%6.8%4.2%23.9%データなし
令和5年度13.3%11.7%20.4%データなしデータなし
令和6年度12.8%13.3%データなしデータなしデータなし
令和7年度15.8%データなしデータなしデータなしデータなし

出典:日本大学松戸歯学部 公式サイト(令和8年5月1日現在)/文部科学省「歯学部の修学状況等の調査」。脱落率の分母は各区間の直前の学年の人数(前年次比)です。

この表を見て「行ごとにいちばん大きい数字」を探したくなりますが、そこには落とし穴があります。令和4年度から令和7年度までの4つの行では、行内で最大の数字が、たまたま最後に観測できた区間になっています。 これは実際にその学年が最大の関門だったことを意味するのではなく、その先がまだ観測されていないだけです。統計でいう打ち切り(右側打ち切り)の影響です。

したがって本記事では、この表から「最も減る学年が入学年度によって動いている」という結論は出しません。 比較できる範囲だけで話を進めます。

6つの入学年度すべてで比較できるのは、1年次から2年次だけ

ステージ別の平均脱落率
区間 観測できたコホート数 各年度の値 平均
1→2年次616.5 / 10.5 / 18.9 / 13.3 / 12.8 / 15.814.6%
2→3年次514.6 / 14.7 / 6.8 / 11.7 / 13.312.2%
3→4年次413.4 / 5.7 / 4.2 / 20.410.9%
4→5年次312.7 / 15.9 / 23.917.5%
5→6年次20.0 / 5.82.9%

出典:日本大学松戸歯学部 公式サイト(令和8年5月1日現在)/文部科学省「歯学部の修学状況等の調査」より当サイトが算出

6つの入学年度すべてに共通して観測できるのは、1年次から2年次の区間だけです。 令和2年度から順に16.5%、10.5%、18.9%、13.3%、12.8%、15.8%。平均すると14.6%、幅は10.5%から18.9%です。

入学した年に関係なく、最初の1年で1割から2割が、予定どおりには2年次へ上がれていません。 これは6年ぶんの入学者で確認できる、この大学の一貫した特徴です。

一方で、4年次から5年次の平均17.5%と、5年次から6年次の平均2.9%は、観測できたコホートがそれぞれ3つ・2つしかありません。 数字としては算出できますが、大学の傾向として読むには材料が足りません。

5つの区間すべてを追えているのは、令和2年度と令和3年度の2つだけ

5区間すべてが観測できている入学年度は、令和2年度と令和3年度の2つです。この2つを比べると、最も減った区間が違います。

入学年度 最も減った区間 値
令和2年度1→2年次16.5%
令和3年度4→5年次15.9%

出典:日本大学松戸歯学部 公式サイト(令和8年5月1日現在)/文部科学省「歯学部の修学状況等の調査」より当サイトが算出

同じ大学でも、入学した年によって減り方の形が変わる可能性はあります。ただし、完全に追えている入学年度は2つしかありません。2例だけで「入学年度によって関門が動く」と結論づけるのは早すぎるため、本記事では断定しません。

4年次から5年次の数字について

もう1つ、数字だけお伝えします。4年次から5年次の脱落率は、令和2年度入学が12.7%、令和3年度入学が15.9%、令和4年度入学が23.9%と、だんだん大きくなっています。

ただし、この学年に到達しているのは3つの入学年度だけです。 3つの数字だけで「新しい壁ができた」と名づけるのは早すぎるため、本記事ではそうした呼び方をしません。令和5年度以降の入学者がこの学年に届いたら、来年以降の決定版で追いかけます。

なお、令和8年度入学コホート(143人)については、まだ2年次のデータそのものが存在しません(データなし)。他大学でも同じようにコホート単位で6年間を追いかけています(コホート生存曲線で見る私立17校の6年間)。


7. ストレート合格率の10年推移と私立17大学ランキング

ここからは、文部科学省が確定させた数字だけを使います。日本大学松戸歯学部の第109回から第118回までのストレート合格率は、最高52.4%・最低24.7%の間で動いてきました。振れ幅が非常に大きいのが、この大学の特徴です。

ストレート合格率10年推移
受験回 ストレート合格率 私立17大学中の順位 私立15大学平均
第109回24.7%16位36.13%
第110回37.8%10位38.73%
第111回27.4%13位37.16%
第112回43.4%13位43.65%
第113回47.1%7位43.90%
第114回52.4%6位43.71%
第115回30.7%14位39.85%
第116回37.0%12位40.74%
第117回51.3%3位40.23%
第118回38.6%12位42.13%

出典:文部科学省「歯学部の修学状況等の調査」。私立15大学平均は東京歯科大学・昭和医科大学歯学部を除く15校について当サイトが独自に算出した平均値です。

比較基準に「私立15大学平均」を使う理由

本サイトでは、ストレート合格率の平均を語るとき、東京歯科大学と昭和医科大学歯学部を除いた私立15大学の平均を主軸にしています。この2校は3位以下と20ポイント近く離れた水準にあり、含めて平均すると数字が引き上げられ、残り15校の中での違いが見えにくくなるためです。一方で、順位は2校を含む私立17大学中で表記します。

10年間で私立15大学平均を上回ったのは3回だけ

上の10回のうち、日本大学松戸歯学部が私立15大学平均を上回ったのは、第113回・第114回・第117回の3回だけです。

振れ幅の中身

順位の動きを追うと、この大学の振れ幅がよく分かります。

  • 第114回は52.4%で私立6位
  • その次の第115回は30.7%で14位まで落ちる
  • そこから第117回には51.3%まで戻して私立3位。この10年で最も高い順位
  • ところが続く第118回は38.6%で12位。マイナス12.7ポイント、9ランクの下落

なお、前章でも触れたとおり、私立歯学部のストレート合格率は上位2校を除くと僅差で並ぶ団子状態です。中位帯ではわずか数ポイントの変動で順位が大きく入れ替わる構造があり、順位の上下は合格率の変化を増幅して見せます。順位だけでなく、必ず数値そのものも確認してください。

私立17校の長期推移をまとめて見たい方は、私立17校 ストレート合格率10年推移の詳細をご覧ください。

私立17大学ストレート合格率ランキング(第116〜118回の3年平均)

単年のストレート合格率は年ごとの振れ幅が大きいため、本サイトでは単年ではなく直近3年の平均で評価します。

順位 大学 3年平均
1東京歯科大学71.87%
2昭和医科大学歯学部70.60%
3愛知学院大学歯学部52.07%
4日本歯科大学生命歯学部51.43%
5奥羽大学歯学部48.50%
6大阪歯科大学47.13%
7北海道医療大学歯学部44.30%
8日本大学歯学部(駿河台)44.27%
9日本大学松戸歯学部42.30%
10福岡歯科大学42.27%
11朝日大学歯学部42.07%
12明海大学歯学部38.33%
13神奈川歯科大学36.17%
14岩手医科大学歯学部34.10%
15日本歯科大学新潟生命歯学部32.93%
16松本歯科大学30.10%
17鶴見大学歯学部29.50%

出典:文部科学省「歯学部の修学状況等の調査」より当サイトが算出

日本大学松戸歯学部は42.30%で9位です。10位の福岡歯科大学は42.27%、11位の朝日大学歯学部は42.07%で、9位から11位は0.3ポイント以内に収まっています。この帯の順位は年によって容易に入れ替わります。

なお、8位の日本大学歯学部(44.27%)は駿河台の別学部です。数値も順位も別のものなので、取り違えにご注意ください。第118回単年の大学別データは第118回国試 大学別合格率の詳細分析にまとめています。

第119回相当(26.1%)を、この系列に並べてはいけない理由

第119回相当は比較不可

冒頭の26.1%は、上の10回の確定系列とは切り離して見てください。理由は2つあります。

  1. ストレート合格率の公表元は文部科学省の修学状況調査であり、最新版は例年12月ごろに公表されます。令和8年度版(第119回相当)は本記事の公開時点では未公表です。
  2. 私立17校の公開タイミングは、大学ごとに違います。各校が自校サイトで先行公開する時期はそろっていません。

したがって、第119回相当については、私立15大学平均との比較も、私立17大学中の順位も算出できません(データなし)。 先行公開している一部の大学の数値を平均しても、15校分がそろっていない以上、平均としては使えません。本記事では、そうした一部だけの平均を比較の基準にすることはしません。

そのうえで、数字の並びとして確認できること

比較はできませんが、日本大学松戸歯学部自身の数字の並びとしては、次のことが確認できます。

区間 変化
第117回 51.3% → 第118回 38.6%−12.7ポイント
第118回 38.6% → 第119回相当 26.1%−12.5ポイント

直近は、12ポイント規模の下落が2回続いています。 10年全体を見れば上下に振れていますが、直近の2回は同じ向きに落ち続けている、という並びです。

そして確定している第116回から第118回の3年平均は42.3%、私立17大学中9位です。


8. 第119回国家試験の本番で何が起きたか|新卒合格率47.9%の内訳

第119回歯科医師国家試験で、日本大学松戸歯学部の新卒の出願者は116人でした。ところが、実際に受験できたのは71人。45人が受験に至っていません。

出願116→受験71→合格34のファネル
段階 人数
新卒 出願者116人
新卒 受験者71人
新卒 合格者34人

出典:厚生労働省「第119回歯科医師国家試験の学校別合格者状況」/日本大学松戸歯学部 公式サイト(令和8年5月1日現在)

この116人は、大学が公表している令和7年度の6年次在籍総数と一致します。そして71人は、同じ年度の卒業者総数と一致します。卒業できなければ、出願していても受験には進めない。 その構造が、数字にそのまま出ています。

新卒合格率は47.9%

新卒合格率の全国比較
指標 値
全国 新卒合格率(第119回)80.15%
日本大学松戸歯学部 新卒合格率(第119回)47.9%

出典:厚生労働省「第119回歯科医師国家試験の学校別合格者状況」

受験した71人のうち合格は34人で、新卒合格率は47.9%です。第119回の全国の新卒合格率80.15%を、32.3ポイント下回る水準です。

卒業者71人の内訳を分解する

ここからさらに中身を分けますが、その前に前提をはっきりさせておきます。

これからお話しする18人と4人という数字は、大学も厚生労働省も、直接は公表していません。 大学が公表した卒業者の総数71人と、厚生労働省が公表した新卒受験者数71人が一致することから、卒業した人は全員が受験したとみなして、差し引きで求めた数字です。

もう1つ、大学の卒業者の表には「編入学を含む」という注記があります。 一方、6年間を追いかけるコホートの表(①表)は編入学を含みません。したがって、この18人には、留年を経て卒業した人と、編入学で入学した人の両方が含まれうることになります。18人全員が留年をした人とはかぎりません。

その前提のうえで、内訳は次のとおりです。

卒業者71人の内訳分解
区分 人数 合格者数 合格率
6年間ストレートで卒業した人53人30人56.6%
それ以外の卒業者18人4人22.2%
卒業者 合計71人34人47.9%

出典:日本大学松戸歯学部 公式サイト(令和8年5月1日現在)/厚生労働省「第119回歯科医師国家試験の学校別合格者状況」。18人・4人は上記の前提にもとづく当サイトの差し引き算出値です。

6年で卒業までたどり着けたかどうかが、国家試験本番の結果にも差として表れている形です。 56.6%と22.2%で、34.4ポイントの開きがあります。

【算出方法の詳細】18人・4人はどうやって求めた数字か

読者が同じ計算を再現できるよう、前提を明記します。

手順1:公表されている数字を並べる

数字 値 公表元
令和7年度 6年次在籍総数116人日本大学松戸歯学部(令和8年5月1日現在)
令和7年度 卒業者の総数71人日本大学松戸歯学部(同上)
うち、6年間(標準修業年限内)で卒業した人53人日本大学松戸歯学部(同上)
第119回の新卒出願者数116人厚生労働省 学校別合格者状況
第119回の新卒受験者数71人厚生労働省 学校別合格者状況
第119回の新卒合格者数34人厚生労働省 学校別合格者状況
うち、6年間で国家試験に合格した人30人日本大学松戸歯学部(同上)

手順2:71人と71人の一致に着目する

大学が公表した卒業者の総数71人と、厚生労働省が公表した新卒受験者数71人が一致しています。ここから、「その年に卒業した71人は全員が新卒として第119回を受験した」とみなします。卒業しても受験しなかった人がいれば、新卒受験者数は71人より少なくなるはずだからです。

手順3:差し引きで内訳を求める

  • それ以外の卒業者:71人 − 53人 = 18人
  • それ以外の卒業者のうち合格者:34人 − 30人 = 4人

したがって、6年で卒業した53人の合格率は 30 ÷ 53 = 56.6%、それ以外の卒業者18人の合格率は 4 ÷ 18 = 22.2% となります。

この算出の限界

この推定が成り立つのは、「卒業者全員が受験した」という前提が正しい場合に限られます。仮に卒業者のうち数人が受験を見送っていた場合、新卒受験者71人の中には別の内訳が入り込むことになり、18人・4人という数字はずれます。加えて、前述のとおり卒業者の表は編入学を含むため、18人の内訳そのものを特定することもできません。大学・厚生労働省のいずれも内訳を公表していない以上、18人・4人は公表値ではなく推定値です。本記事では、この2つの数字を公表値と同格には扱いません。

なお、同じ第119回について複数校を横断して分析した記事は【第119回】合格者379人減の分析にまとめています。


9. 学年別の留年・休学率と、6年次留年率・退学率

この章では、性質の違う2種類の数字を扱います。 1つは文部科学省が公表している在籍者ベースの留年・休学率、もう1つは大学が公表している6年次留年率です。同じ「6年次」を見ていても、数えているものが違います。最初に定義を整理してから、数字に入ります。

この章で扱う2つの指標

在籍者ベースの留年・休学率 6年次留年率
出典文部科学省日本大学松戸歯学部 公式サイト(③表)
分母その年度の各学年の在籍者その年度の6年次在籍者(編入学を含む)
分子在学中に一度でも留年または休学を経験した学生その年度中に卒業できなかった学生
数えているもの入学から現在までの累積(一度でも経験があるか)その1年の結果(卒業できたかどうか)

在籍者ベースの留年・休学率は、文部科学省の公表資料に「在学中に一度でも留年・休学を経験した学生の割合」と注記されている数字です。いま留年している学生の割合ではありません。1年生のときに留年して、その後は順調に進級した学生も数に入ります。経験が入学から積み上がっていくため、学年が上がるほど大きく出ます。

令和7年度 学年別の留年・休学率(在籍者ベース)

令和7年度 学年別の留年・休学率
学年 1年次 2年次 3年次 4年次 5年次 6年次
留年・休学率8.1%25.0%16.3%35.3%33.0%44.8%

出典:文部科学省「歯学部の修学状況等の調査」(令和7年度)

6年次では44.8%と、半数近くに達します。高学年ほど高くなりますが、きれいな右肩上がりではありません。 2年次25.0%から3年次16.3%へいったん下がり、4年次で35.3%へ跳ね上がり、5年次33.0%へまた下がっています。

この44.8%は「6年生の半数が毎年留年する」という意味ではありません(詳しくはFAQ Q5で解説しています)。どの学年でつまずきやすいのかを知りたいときは、第5章・第6章で見た入学コホートごとの追跡のほうが正確です。指標ごとに測っているものが違う、と理解してください。他校との比較は留年率ランキング詳細版をご覧ください。

1年次の留年・休学率は、直近で下がった

1年次 留年・休学率の6年推移
年度 令和2 令和3 令和4 令和5 令和6 令和7
1年次 留年・休学率2.5%9.5%7.4%16.9%20.4%8.1%

出典:文部科学省「歯学部の修学状況等の調査」

1年次の数字を経年で並べると、令和2年度2.5%から令和6年度20.4%まで、一度下がった年(令和3年度9.5%→令和4年度7.4%)をはさみながら、おおむね上がってきていました。 「上がり続けた」わけではない点に注意してください。

そして令和7年度は8.1%です。上昇の傾向が、直近で反転しました。 これが令和7年度時点の状況です。この先どうなるかは、この6点からは判断できません。本記事では、今後の推移を推定で延長することはしません。

大学全体の留年・休学率は2年連続で低下

年度 令和2 令和3 令和4 令和5 令和6 令和7
全体 留年・休学率23.2%26.5%24.8%31.2%29.1%27.1%

出典:文部科学省「歯学部の修学状況等の調査」

大学全体では、令和5年度の31.2%がこの6年間で最も高い水準で、そこから令和6年度29.1%、令和7年度27.1%と、直近2年は連続で下がっています。 「悪化し続けている」とは言えません。

6年次留年率は、令和7年度に38.8%

6年次留年率の3年推移と2指標の違い

歯学部には、進級の関門とは別に「卒業の壁」があります。6年生まで到達しても、その年度に卒業できるとは限りません。この壁の高さを表すのが6年次留年率です。定義はシンプルで、その年に6年次に在籍していた学生のうち、何パーセントがその年度中に卒業できなかったかを示します。

年度 6年次在籍総数 卒業者総数 6年次留年率
令和5年度141人123人12.8%
令和6年度104人82人21.2%
令和7年度116人71人38.8%

出典:日本大学松戸歯学部 公式サイト「修学状況に関する情報」(③表・編入学を含む。令和7年度は公表値からの算出)

12.8%、21.2%、38.8%と、3年で26ポイント上がっています。

ただし、この表の読み方には2つ注意点があります。

1つ目は、確認できるのがこの3年分だけだという点です。令和4年度以前の6年次留年率は公表データが手に入りません(データなし)。本記事では、手に入らない年度を推計で埋めることはしません。

2つ目は、3つの点だけでは傾向線を引けないという点です。3年連続で上がっているのは事実ですが、これが今後も続く流れなのか、一時的な上下動の一部なのかは、3点からは判断できません。本記事では「3年連続で上がっている」という事実の提示にとどめます。

令和7年度の38.8%と44.8%は、別の指標です

同じ令和7年度の6年次について、この章では38.8%(6年次留年率)と44.8%(在籍者ベースの留年・休学率)という2つの数字が出てきました。混同しやすいので、あらためて整理します。

6年次留年率 38.8% 在籍者ベースの留年・休学率 44.8%
出典日本大学松戸歯学部 公式サイト文部科学省
分子その年度中に卒業に届かなかった45人在学中に一度でも留年または休学を経験した学生
数えているものその1年の結果入学から現在までの累積
編入学の扱い含む(③表の注記)—

算出方法も対象範囲も違うため、数値は一致しません。同じ意味の数字として並べてはいけません。 また、この2つの公表値からは、どの学生が両方に該当するのかまでは分かりません。個人単位のクロス集計は公表されていないため、本記事では2つの数字を重ね合わせた読み方はしません。

なお、「6年次在籍116人から、令和2年度入学コホートの6年次到達62人を引いた54人が留年者」という読み方もできません。 ③表は編入学を含み、コホート追跡の①表は含まないため、54人の内訳は特定できないからです。

この6年次留年率は、私立17校を横並びに比較し、新卒合格率との組み合わせで4つのタイプに分類した記事でも使っている指標です。日本大学松戸歯学部が全体のどのあたりに位置するかを確認したい方は、私立17校「卒業の壁」徹底比較をあわせてご覧ください。

※ 集計期間が違う点にご注意ください。 リンク先の記事は、17校を同じ条件で並べるために令和5年度と令和6年度の2年平均を使っており、日本大学松戸歯学部の6年次留年率は17.0%と表示されます。本記事の38.8%は令和7年度の単年値です。集計している年度と平均の有無が違うだけで、どちらも同じ③表・同じ計算式による正しい数字です。在籍者ベースの44.8%と混ぜないでください。

退学率は私立17校の中では低い

指標 値
日本大学松戸歯学部の退学等の割合(令和4〜6年度の3か年平均)3.0%
私立17校の単純平均4.4%
私立17校中の位置低いほうから5番目(神奈川歯科大学と同率)

出典:文部科学省「歯学部の修学状況等の調査」より当サイトが算出。同率の大学は同順位としています。

退学等の割合は3.0%で、私立17校の単純平均4.4%より明確に低い水準です。留年する学生は少なくない一方、退学まで至る学生は私立の中では少ない部類。日本大学松戸歯学部の修学状況は、そういう形をしています。


10. 学費2,940万円と、留年1年1,500万円という現実

日本大学松戸歯学部の6年間の学費総額は、2027年度の公表額で2,940万円です。私立17大学の中で6番目に高い金額です。

学費の内訳(2027年度)

区分 金額
入学金60万円
1年次630万円
2年次530万円
3年次430万円
4年次430万円
5年次430万円
6年次430万円
6年間合計2,940万円

出典:日本大学松戸歯学部 公式サイト(2027年度)。2027年度は2026年度と同額で据え置きです。

私立17大学 学費6年総額ランキング(2027年度)

順位 大学 6年総額
1東京歯科大学3,190万円
2日本大学歯学部(駿河台)3,160万円
3大阪歯科大学3,150万円
4日本歯科大学生命歯学部3,138万円
5愛知学院大学歯学部3,060万円
6日本大学松戸歯学部2,940万円
7岩手医科大学歯学部2,760万円
8神奈川歯科大学2,700万円
8昭和医科大学歯学部2,700万円
8北海道医療大学歯学部2,700万円
11福岡歯科大学2,630万円
12鶴見大学歯学部2,625万円
13奥羽大学歯学部2,550万円
14日本歯科大学新潟生命歯学部2,100万円
15松本歯科大学1,800万円
16明海大学歯学部1,793万円
16朝日大学歯学部1,793万円

出典:各大学公式サイト(2027年度)。2027年度の学費は17校すべて確定しています。同額の大学は同順位としています(8位が3校のため次は11位、16位が2校)。

奨学金・特待生制度(2027年度)

制度 内容
鈴木奨学金 第3種・第4種2027年度から新規導入。 給付額1,220万円(2年次まで学費相当額)
教育充実料 減免200万円
松戸歯学部特別奨学金入学金相当額60万円(専願入学者のみ)

出典:日本大学松戸歯学部 公式サイト(2027年度)

学費・特待生制度は2027年度入試時点の公表情報です。適用条件・採用人数は年度によって変わる可能性があるため、最新の情報は必ず大学公式サイトでご確認ください。 私立17校の特待生制度を横断で比較したい方は私立歯学部17校 特待生制度を大学別に完全解説をご覧ください。

留年1年は1,500万円の損失(当サイトの独自試算)

本サイトでは、留年1年の経済的損失を1,500万円として計算しています。

項目 金額 内容
学費500万円全大学共通の固定値。実際の各大学の年額とは別です
生活費200万円留年により追加で1年分必要になる生活費
機会損失800万円キャリア終盤の年収1年分。歯科医師になる時期が1年遅れることで、最後の1年が失われるという考え方
合計1,500万円

この1,500万円は当サイトの独自試算です。公的機関が公表している数字ではありません。また学費の500万円は、大学ごとのばらつきを排して論点をシンプルにするために全大学共通で置いている固定値であり、日本大学松戸歯学部の実際の年額(430万〜630万円)とは別のものです。

保護者の方へ|2,940万円は「ストレートで卒業できた場合」の金額です

学費表に書かれている2,940万円は、6年間を予定どおり進級して卒業した場合の総額です。ここまで見てきたとおり、令和2年度入学コホートでは入学115人のうち6年で卒業できたのは53人(46.1%)でした。そして令和7年度は、6年生の44.8%が、在学中に一度でも留年または休学を経験していました。

もし1年留年すれば、当サイトの独自試算で1,500万円が上乗せされる計算になります。仮に2年留年すれば3,000万円です。ご家庭の資金計画を立てるときは、学費表の総額に加えて、この追加コストが発生しうる前提で考えておくと安全です。

なお、学費と留年リスクを合算した「実質コスト」という考え方は実質コストランキングで整理しています。入学時点の学費が安い大学でも、留年率が高ければ実質コストは逆転しうる、というのがこの指標の見方です。ただしリンク先は平成30年度・平成31年度入学コホートの2年平均を使った別規格の試算であり、本記事の単年値とは定義が違います。


11. 偏差値×ストレート合格率|私立17大学での立ち位置

河合塾の方式別ランクは、2026年度も2027年度も35.0で横ばいです。

指標 2026年度 2027年度 変化
河合塾 方式別ランク35.035.0横ばい

2027年度の方式別の内訳は次のとおりです。

入試方式 2027年度
A個別方式 第1期35.0
N全学統一方式 第1期37.5
共通テスト利用 C方式(得点率)43%

出典:河合塾(方式別のボーダー偏差値・2027年度)

ベネッセの偏差値は、2027年度の一般方式が46です(出典:ベネッセ・2027年度)。ベネッセについては経年比較をしません。 年度によって集計している方式区分が異なるため、年度をまたいで並べると基準の違う数字を比べることになります。

予備校ごとに母集団と算出基準が異なるため、偏差値を比較するときは必ず同じ予備校・同じ方式の数字どうしで比べてください。ボーダー偏差値を確認するときは、ご自身が受験した模試で比較するのが確実です(詳しくは偏差値の見方 河合塾×ベネッセ)。

私立17大学の「入口×出口」一覧

偏差値×ストレート合格率 散布図

横軸に河合塾の2027年度方式別ランク(入口の難易度)、縦軸に第116〜118回のストレート合格率3年平均(出口の実績)を置いた場合の、17校のデータは次のとおりです。

大学 河合塾 方式別ランク(2027年度・採用方式) ストレート合格率 3年平均
東京歯科大学55.0(Ⅰ期)71.87%
昭和医科大学歯学部55.0(一般)70.60%
大阪歯科大学50.0(一般)47.13%
日本大学歯学部(駿河台)50.0(A個別方式)44.27%
日本歯科大学生命歯学部47.5(一般)51.43%
朝日大学歯学部45.0(Ⅰ期)42.07%
明海大学歯学部45.0(AB日程)38.33%
日本歯科大学新潟生命歯学部45.0(一般)32.93%
愛知学院大学歯学部40.0(前期A3科目型)52.07%
北海道医療大学歯学部40.0(前スタンダード)44.30%
岩手医科大学歯学部40.0(一般)34.10%
鶴見大学歯学部37.5(一般)29.50%
松本歯科大学37.5(ⅠⅡ期)30.10%
奥羽大学歯学部35.0(一般)48.50%
日本大学松戸歯学部35.0(A個別第1期)42.30%
福岡歯科大学35.0(口腔歯・一般)42.27%
神奈川歯科大学35.0(一般)36.17%

出典:河合塾(方式別のボーダー偏差値・2027年度)/文部科学省「歯学部の修学状況等の調査」

この17校について回帰を取ると、回帰式は y = 1.170x − 5.487、相関係数は r = 0.665(決定係数0.442)です。全体としては、偏差値が高い大学ほどストレート合格率も高いという、ゆるやかな右肩上がりの傾向が出ています。

同じ偏差値帯でも、出口の実績は割れる

ただし、方式別ランクが同じ35.0の大学は4校あり、そのストレート合格率3年平均には大きな開きがあります。

大学 方式別ランク ストレート合格率 3年平均
奥羽大学歯学部35.048.50%
日本大学松戸歯学部35.042.30%
福岡歯科大学35.042.27%
神奈川歯科大学35.036.17%

出典:河合塾/文部科学省「歯学部の修学状況等の調査」

最も高い奥羽大学歯学部48.50%と、最も低い神奈川歯科大学36.17%の差は12.33ポイントです。入学難易度を示す偏差値だけで、出口の実績が決まるわけではありません。

しかも日本大学松戸歯学部の場合は、第7章で見たとおり、出口の数字そのものが年によって大きく動きます。偏差値は入口の難易度、ストレート合格率は出口の実績です。大学選びでは、必ずこの両方を、しかも複数年ぶん確認してください。


12. まとめ|3つのポイント

日本大学松戸歯学部の修学状況を、3つのポイントに整理します。

1つ目|出口の実績は私立17大学中9位。直近は12ポイント規模の下落が2回続いている

文部科学省の確定データで見ると、第116回から第118回のストレート合格率3年平均は42.30%で、私立17大学中9位です。10位の福岡歯科大学(42.27%)とはほぼ同率で、この帯の順位は年によって容易に入れ替わります。

そして確定値の直近は、第117回51.3%(私立3位)から第118回38.6%(私立12位)へマイナス12.7ポイント。さらに大学が公表している第119回相当は26.1%で、マイナス12.5ポイント。12ポイント規模の下落が2回続いています。

2つ目|6つの入学年度すべてで比較できるのは、1年次から2年次だけ

令和8年5月1日時点のデータでは、直近に入学した年度ほど追える学年が短くなります。6つの入学年度すべてに共通して観測できるのは1年次から2年次の区間だけで、そこは平均14.6%(幅10.5〜18.9%)でした。入学した年に関係なく、最初の1年で1割から2割が予定どおりには2年次へ上がれていません。

5つの区間すべてを追えているのは令和2年度と令和3年度の2つだけで、この2つでも最も減った区間は違っていました。ただし2例だけなので、本記事ではそこから結論は出していません。まだ到達していない学年はデータなしです。

3つ目|学費2,940万円は、ストレートで卒業できた場合の金額

第119回は、6年生116人が新卒として出願し、実際に受験できたのは71人でした。6年総額2,940万円は私立17大学中6位。そして令和7年度は、6年生の44.8%が、在学中に一度でも留年または休学を経験していました。もし留年すれば、当サイトの独自試算で1年あたり1,500万円が加わります。

そして最後にもう一度確認です。本記事で扱った26.1%というストレート合格率は、大学が公表した数字です。文部科学省の確定集計はまだ公表されておらず、他大学と並べた比較は現時点ではできません。

この記事を読んだ受験生・保護者の方へ

ここまで、決して楽観的ではない数字を並べてきました。最後に大切なことをお伝えします。

今日の数字は、あくまで統計的な評価です。 大学全体の傾向を示すものであって、個人の結果を予言するものではありません。合格や進級を最終的に決めるのは、一人ひとりの学習習慣です。同じ大学の同じ学年でも、ストレートで進級して国家試験に合格する学生は毎年確実に存在します。第117回には私立3位まで上がった実績もあります。

また、本記事は在学生や志願者の方々をおとしめる意図で書いたものではありません。公表されているデータを整理して、入学前に知っておいたほうがよい情報を届けることが目的です。

低学年のうちから学習習慣を固め、着実に進級していけば、ストレート合格は十分に手が届きます。データは、そのための準備をどこに向けるかを教えてくれる材料です。特にこの大学については、1つの学年に極端な山があるのではなく、入学から5年次まで各段階で1割前後の脱落が続いているという形でした。そして6つの入学年度すべてで観測できるのは最初の1年です。入学直後から気を抜かず、毎年の進級判定を淡々とクリアしていく。そこに照準を合わせておくことが、この記事から持ち帰ってほしい一番の結論です。

他大学と横並びで比較したい方は、全29歯学部の修学状況まとめからご覧ください。


13. よくある質問(FAQ)

Q1. ストレート合格率の「振れ幅が大きい」とは、どのくらいですか

A. 文部科学省の確定データ(第109回から第118回)で見ると、最高は第114回の52.4%(私立6位)、最低は第109回の24.7%(私立16位)です。その差は27.7ポイントあります。

順位の動きはさらに激しく、第114回の私立6位から第115回は14位へ、第117回は3位まで戻し、第118回は12位へ落ちています。単年の数字で判断すると評価が大きくぶれるため、本サイトでは直近3年の平均で評価しています。日本大学松戸歯学部の第116回から第118回の3年平均は42.30%(私立17大学中9位)です。

なお、順位が大きく動く背景には、私立歯学部のストレート合格率が上位2校を除くと僅差で並ぶ団子状態にあることも関係します。数ポイントの変動で順位が何ランクも動く構造です。

Q2. 1年次から2年次の脱落は、具体的にどのくらいですか

A. 6つの入学年度すべてで観測でき、令和2年度から順に16.5%、10.5%、18.9%、13.3%、12.8%、15.8%です。平均14.6%、幅は10.5%から18.9%です。

入学した年に関係なく、最初の1年で1割から2割が予定どおりには2年次へ上がれていません。 これは6年ぶんの入学者で確認できる、この大学の一貫した特徴です。

一方で、「どの学年が最も減るのか」については本記事では結論を出していません。令和8年5月1日時点のデータでは、直近に入学した年度ほど追える学年が短く、6つの入学年度のうち4つでは行内最大の数字が「最後に観測できた区間」になっているためです(詳しくは第6章をご覧ください)。

Q3. 新卒合格率とストレート合格率は、どちらを見るべきですか

A. これから入学する立場なら、ストレート合格率です。

新卒合格率は、その年に卒業できた人だけを分母にした数字です。進級判定と卒業試験を通過した人だけが分母に残るため、そこに至るまでに何人が留年・退学したのかは見えません。日本大学松戸歯学部の第119回でいえば、新卒合格率は47.9%ですが、入学者115人を分母にしたストレート合格率は26.1%です。同じ年の同じ大学の話でも、指標が違えば21.8ポイントの差が出ます。

さらにこの大学の第119回では、新卒として出願した116人のうち、実際に受験できたのは71人でした。新卒合格率の分母には、この45人は入っていません。

新卒合格率は「卒業生の質保証」を示す指標としては意味があります。ただし、入学前の受験生が知りたいのは「入学してから歯科医師になれる確率」であり、それを表しているのはストレート合格率のほうです。

Q4. 記事にある「26.1%」を、他の大学の数字と比べてもよいですか

A. 現時点では比べないでください。

26.1%は、日本大学松戸歯学部が令和8年5月1日現在として自校サイトで公表した数字です。ストレート合格率の公式集計は文部科学省が例年12月ごろに公表するもので、第119回相当にあたる令和8年度版はまだ出ていません。そして私立17校の公開タイミングは大学ごとに違うため、17校分がそろっていません。

そのため、第119回相当については私立15大学平均も算出できず、私立17大学中の順位も出せません(データなし)。他大学と比べたい場合は、17校すべての確定値がそろっている第116回から第118回の3年平均42.30%(私立17大学中9位)を使ってください。

Q5. 6年次の留年・休学率44.8%は、「6年生の半分が留年する」という意味ですか

A. 違います。この44.8%は、令和7年度に6年生として在籍していた人を分母にした割合です。

文部科学省の公表資料には、この指標について「在学中に一度でも留年・休学を経験した学生の割合」と注記されています。つまり、1年生のときに一度留年して、その後は順調に進級した学生も、6年生になった時点でこの44.8%に数えられます。経験が入学から積み上がっていくため、高学年の数字は構造的に大きく出ます。毎年6年生の半分が新たに留年するという意味ではありません。

どの学年でつまずきやすいのかを知りたい場合は、同じ集団を6年間追いかけるコホート分析(本記事の第5章・第6章)のほうが正確です。

なお、第9章に出てくる6年次留年率38.8%は、この44.8%とは別の指標です。どちらも令和7年度の6年次を見ていますが、38.8%は「その年度中に卒業に届かなかった学生の割合」(大学公表の③表・編入学を含む)、44.8%は「在学中に一度でも留年・休学を経験した学生の割合」(文部科学省)です。前者はその年1年の結果、後者は入学からの累積を数えています。算出方法も対象範囲も違うため、44.8%を6年次留年率と呼ぶことはできません。

Q6. 駿河台の日本大学歯学部のデータと混ざっていませんか

A. 混ざっていません。本記事の数字はすべて千葉県松戸市の日本大学松戸歯学部のものです。

日本大学には松戸歯学部と歯学部(駿河台)の2つがあり、文部科学省・厚生労働省の資料でも別の学校として集計されています。参考までに、駿河台の日本大学歯学部は第116〜118回のストレート合格率3年平均が44.27%(私立17大学中8位)、2027年度の学費6年総額は3,160万円です。

混同しやすいのは、第117回です。 松戸歯学部は51.3%で私立3位、駿河台の歯学部は43.0%で私立9位でした。数値も順位も別です。第118回は松戸歯学部が38.6%で私立12位、駿河台の歯学部が45.3%で私立9位です。駿河台の歯学部については日本大学歯学部(駿河台)の修学状況で、同じ形式にて解説しています。


14. 出典・参考リンク一覧

本記事で使用したデータの公表元は以下のとおりです。

大学公式

  • 日本大学松戸歯学部「教育情報の公表(修学状況に関する情報)」:https://www.dent.nihon-u.ac.jp/faculty/education/info/ ※日本大学の歯学部門の教育情報公表ページです。松戸歯学部の進級・卒業・国家試験合格の人数、6年次在籍総数・卒業者総数(③表)はこちらから確認できます
  • 日本大学松戸歯学部 公式サイト:https://www.dent.nihon-u.ac.jp/(所在地・アクセス・学費・奨学金制度)

公的機関

  • 文部科学省「医学・歯学教育」:https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/iryou/1324090.htm 「各大学の歯学部歯学科の入学状況及び国家試験結果等」「歯学部歯学科の学科別の修学状況等」が掲載されているページです。ストレート合格率(修業年限内合格率)・学年別の留年・休学率・退学等の割合の一次出典で、例年12月ごろに最新年度版が公表されます。
  • 厚生労働省「歯科医師国家試験」:https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/shikaishi/(第119回の全国合格率・学校別合格者状況)

予備校

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関連動画(YouTube)

※ 学費・奨学金制度は2027年度入試時点の公表情報にもとづいています。制度は年度によって変更されることがあるため、最新情報は必ず大学公式サイトでご確認ください。



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歯学部受験情報館を運営しているシカラボです。 教育機関で10年以上、歯学部に関するデータを扱ってきました。 入学者ベースのストレート合格率・留年率・退学率など、見落とされやすい指標を、 厚生労働省・文部科学省・各大学公式サイトの一次資料から継続的に分析しています。
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