学費・特待生制度
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私立歯学部17校の特待生制度を大学別に解説【2027年度】|制度名・免除費目・継続条件の完全ガイド

kameman
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私立歯学部の特待生制度は、「どこがいちばん安くなるか」だけでは選べません。同じ「特待生」という言葉でも、免除される費目も、枠の広さも、2年目以降に続けられる条件も、大学ごとにまるで違うからです。

この記事では、私立歯学部17校の特待生制度を、1校ずつ取り上げます。並び順は「特待生を入れた6年間の支払額が少ない順」です。各大学について、①制度名 ②6年間の支払額 ③枠と対象になる入試区分 ④免除される費目 ⑤免除されない費目 ⑥継続条件、という同じ6項目でそろえました。

そしてもう一つ、この記事だけの内容があります。1つの大学に制度が2つ、3つ、4つとある大学の「制度どうしの関係」です。愛知学院大学の4区分、日本大学松戸歯学部の3制度、北海道医療大学のS・A・B特待、奥羽大学の全額・半額・同窓特待、鶴見大学の2ルート、神奈川歯科大学の2制度。いちばん大きな制度だけを見ていると、実は自分が対象になる制度を見落とします。

17校を横一列に並べた順位そのものについては、私立歯学部の特待生制度ランキング2027をご覧ください。本記事は、その中身を1校ずつ縦に掘り下げた続編にあたります。


目次

  1. この記事の読み方|17校を同じ6項目でそろえました
  2. 一覧表|私立歯学部17校 特待生を入れた6年間の支払額(2027年度)
  3. 愛知学院大学歯学部
  4. 北海道医療大学歯学部
  5. 大阪歯科大学
  6. 岩手医科大学歯学部
  7. 奥羽大学歯学部
  8. 松本歯科大学
  9. 福岡歯科大学
  10. 日本歯科大学新潟生命歯学部
  11. 日本歯科大学生命歯学部
  12. 日本大学松戸歯学部
  13. 明海大学歯学部
  14. 朝日大学歯学部
  15. 鶴見大学歯学部
  16. 神奈川歯科大学
  17. 昭和医科大学歯学部
  18. 日本大学歯学部
  19. 東京歯科大学
  20. 1つの大学に制度が2つ以上あるとき|はしご・排他・並列
  21. 学費が下がっても、留年すれば1年で1,500万円
  22. まとめ|志望校の特待生は6項目で確認する

この記事の読み方|17校を同じ6項目でそろえました

志望校が決まっている方は、上の目次から直接その大学へ飛んでください。ここでは、各大学の表を読むときの前提を先にお伝えします。

1つ目:比べているのは「本体学費」だけです。

入学金、授業料、施設維持費や教育充実費といった、大学が定める学納金を6年分足した金額です。諸会費・共済会費・教科書代・実習器材費などの外だし費用は含みません。この定義は私立歯学部17校の学費ランキング2027とそろえています。実際の総支出は、各大学の「免除の対象外費目」の欄にある金額のぶん、これより大きくなります。

2つ目:金額は「その大学でもっとも上の特待生に選ばれた場合」の金額です。

枠を取れなかった場合、あるいは途中で外れた場合には当てはまりません。

3つ目:2027年度入学者を対象とした金額でそろえていますが、2校だけ例外があります。

岩手医科大学歯学部は令和8年度(2026年度)学生募集要項に記載された学納金額をもとにした数値で、令和9年度(2027年度)は本記事執筆時点で未公表です。東京歯科大学も学納金ページが2026年度入学者向けのままです。

4つ目:制度が複数ある大学の書き分け方です。

その大学の「主たる制度」(順位の根拠になっている、いちばん大きな制度)については6項目をすべて記載します。同じ大学のほかの制度については、制度名・金額・人数・対象入試区分・申請の要否をまとめました。あわせて、制度どうしがどういう関係にあるのかを各校の本文で説明しています。

5つ目:収録しているのは「入学試験の成績で決まり、大学が金額を公表している制度」です。

学費が最初から下がる「減免」と、いったん納めてから戻ってくる「給付」の両方を含みます。入学後の成績で毎年選ばれる在学生向けの制度は、入試の特待生とは別物として扱っています(紛らわしい大学については本文で区別を補足しました)。


一覧表|私立歯学部17校 特待生を入れた6年間の支払額(2027年度)

支払額が少ない順です。大学名をクリックすると、その大学の解説へ飛びます。

順位 大学 定価(6年) 特待後の支払額 免除・給付額 枠
1愛知学院大学歯学部30,600,000円本体学費 全額免除30,600,000円4名
2北海道医療大学歯学部27,000,000円3,496,800円23,503,200円非公表
3大阪歯科大学31,500,000円3,814,800円27,685,200円20名程度
4岩手医科大学歯学部27,600,000円4,200,000円23,400,000円5名を限度
5奥羽大学歯学部25,500,000円4,500,000円 ※算出値21,000,000円16名
6松本歯科大学18,000,000円4,700,000円13,300,000円若干名
7福岡歯科大学26,300,000円13,800,000円12,500,000円約20名
8日本歯科大学新潟生命歯学部21,000,000円15,690,000円5,310,000円約15名
8日本歯科大学生命歯学部31,380,000円15,690,000円15,690,000円若干名
10日本大学松戸歯学部29,400,000円17,200,000円12,200,000円 ※給付一般選抜3名
11明海大学歯学部17,930,000円17,930,000円―制度なし
11朝日大学歯学部17,930,000円17,930,000円―制度なし
13鶴見大学歯学部26,250,000円22,750,000円3,500,000円3名
14神奈川歯科大学27,000,000円23,050,000円3,950,000円各日程1名
15昭和医科大学歯学部27,000,000円24,000,000円3,000,000円42名
16日本大学歯学部31,600,000円28,800,000円2,800,000円非公表
17東京歯科大学31,900,000円31,900,000円非公表若干名

※ 順位は同額をタイとして数えています(8位が2校なら次は10位、11位が2校なら次は13位)。同順位内の並び順は便宜的なものです。

※ 枠の欄は「その大学でもっとも上の特待生に選ばれる人数」です。制度全体の総人数とは異なる大学があります(詳細は各大学の欄をご覧ください)。

※ 岩手医科大学は令和8年度実績、東京歯科大学の定価は2026年度入学者向けの金額です。

※ 出典:各大学公式サイトの学費案内・学生募集要項・入学試験要項・大学案内・学内規程

支払額の水準で見ると、17校は4つのグループに分かれます。

グループ 該当順位 校数 支払額のレンジ
6年間の支払いが500万円を切る1〜6位6校全額免除〜4,700,000円
1,000万円台まで下がる7〜10位4校13,800,000円〜17,200,000円
入試の成績による制度が無い11位タイ2校17,930,000円
初年度だけ、あるいは一部だけが下がる13〜17位5校22,750,000円〜31,900,000円

定価の順位からどの大学が何ランク動いたのかは、前編の特待生ランキング記事で表にまとめています。ここからは、17校を1校ずつ見ていきます。


愛知学院大学歯学部

特待生を入れた6年間の支払額は、17校で1位。 ただし、この大学でいちばん気をつけたいのは金額ではなく、制度が4つあり、出願の時点でどれを狙うかを決めることになるという構造のほうです。

まず、主たる制度である新入生特待生から見ていきます。

確認項目 内容
制度名新入生特待生
6年間の支払額定価30,600,000円 → 本体3費目が全額免除(免除額30,600,000円)
枠・対象入試区分4名/前期試験A、「共通テスト」利用試験Ⅰ期/自動選考(申込不要)
免除の対象費目入学金・歯学教育充実費・授業料の全額
免除の対象外費目歯学会費・後援会費・同窓会費などの諸会費(6年で541,000円)/歯学部共済会費700,000円/教科書・実習用消耗品代 約1,600,000円/共用試験受験料
継続条件「2年次以降は継続条件を満たした場合に免除」とのみ記載(数値基準は非公表)

「6年間0円」ではありません

免除の対象になるのは、入学金・歯学教育充実費・授業料という本体の3費目だけです。学納金一覧の6年総合計は31,141,000円で、差額の541,000円にあたる後援会費などは残ります。さらに歯学部共済会費70万円、教科書と実習用消耗品代がおよそ160万円、別に必要です。免除額としてはたしかに17校で最大ですが、支出がゼロになるわけではありません。

制度は4つ|成績上位者を上から割り振る「はしご」

この大学には、入学試験の成績で決まる制度が、新入生特待生、歯学部専願特待生、くすのき奨学生の3種類あります。くすのき奨学生はさらに2つに分かれるため、金額の大きい順に並べると4区分です。あわせて31名の枠があり、大学は成績上位者をこの順に割り振るという選抜のイメージを図で示しています。

制度 型 枠 6年間の免除・給付額 対象入試区分 申込み
新入生特待生減免4名30,600,000円前期試験A・共通テスト利用試験Ⅰ期不要
創立150周年記念愛知学院大学 歯学部専願特待生減免20名15,600,000円前期試験A・共通テスト利用試験Ⅰ期出願時に申込用紙の提出が必要
くすのき奨学生 スーパーエクセレンス給付1名14,850,000円前期試験Aのみ―
くすのき奨学生 エクセレンス給付6名7,100,000円前期試験Aのみ―

歯学部専願特待生は、入学金の全額と、歯学教育充実費・授業料の半額が免除されます。枠は20名と、新入生特待生の5倍です。ただし名前のとおり専願で、選抜された場合は原則として入学を辞退できません(国公立大学へ入学する場合は辞退できるとされています)。継続条件は新入生特待生と同じで、「2年次以降は継続条件を満たした場合に免除」とだけ書かれています。

くすのき奨学生の2区分は、対象が前期試験Aだけで、共通テスト利用試験は含まれません。どちらも給付型なので、学納金はいったん全額を納めることになります。スーパーエクセレンスは1年次分を全額給付、2年次以降は授業料の半額を給付して6年間で1,485万円。エクセレンスは1年次分を全額給付、2年次以降は毎年30万円を給付して6年間で710万円です。継続条件は「2年次以降は継続条件を満たした場合に給付」とされています。

4制度は「排他」の関係にあります

ここが最重要です。歯学部専願特待生に申し込むと、新入生特待生とくすのき奨学生の対象からは外れます。 また、新入生特待生に選ばれた人も、くすのき奨学生の対象にはなりません。

申込用紙は出願時に提出する必要があるため、結果を見てから選び直すことはできません。この大学では、4つの制度が「どれか1つに当たる」のではなく、申込用紙を出すかどうかで入るはしご自体が変わります。枠の広さと免除額のどちらを取るかを、出願の時点で決めることになります。


北海道医療大学歯学部

制度は1系統ですが、その中がS・A・Bの3段階に分かれています。対象になる入試も継続条件も3区分で共通なので、成績によって免除の幅だけが変わる「はしご」型です。

確認項目 内容
制度名特待奨学生制度(S特待・A特待・B特待)
6年間の支払額定価27,000,000円 → S特待で3,496,800円(免除額23,503,200円)
枠・対象入試区分2027年度は全学部あわせて94名(歯学部の内訳は非公表)/一般選抜、共通テスト利用選抜(前期・後期・後期B)/申請不要
免除の対象費目授業料
免除の対象外費目後援会費などの委託徴収金/教科書代・実習器材費/休学在籍料
継続条件最短修業年限の期間中は、学業成績にかかわらず免除が継続(歯学部は最大6年間)

S・A・Bで支払額はこう変わります

区分 6年間の支払額 免除額
S特待3,496,800円23,503,200円
A特待13,650,000円13,350,000円
B特待20,325,000円6,675,000円

S特待とB特待では、免除額が3倍以上開きます。区分名だけで判断せず、自分がどの区分になったのかを必ず確認してください。なお、2026年度版には歯学部のS・A・B別の人数が掲載されていましたが、2027年度は歯学部だけの内訳が公表されていません。

「成績要件なし」は事実、ただし期間の上限があります

継続条件について、要項には「最短修業年限期間中は、学業成績にかかわらず学生納付金の免除が継続します」と明記されています。成績要件が無いと要項に書かれているのは、17校でこの大学だけです。

ただし「完全無条件」ではありません。免除の期間は最短修業年限、歯学部は最大6年間です。留年して7年目に入ると対象外となり、定価の負担に戻ります。成績の要件が無いことと、期間の上限があることは、必ずセットで理解しておく必要があります。


大阪歯科大学

枠が2年で大きく広がった大学です。そして、募集要項と、大学が公開している内規とで、継続条件の書かれ方が違うという特徴があります。

確認項目 内容
制度名入学者選抜成績優秀者特待生制度
6年間の支払額定価31,500,000円 → 3,814,800円(免除額27,685,200円=年額4,614,200円の6年分)
枠・対象入試区分20名程度/一般選抜(前期)、一般選抜(全学部日程)[理科2科目型]、共通テスト利用選抜(前期)[5科目型]/自動選考
免除の対象費目入学金を除いた学費
免除の対象外費目入学金600,000円。委託徴収金(学友会費・父兄会費)と共済会費については、免除の対象かどうかを公表資料から確定できません
継続条件要項は「留年、休学、学則に違反するなど不適格と判断されない限り継続」。内規には「成績不良である場合は学費の免除を取り消す」という条件があります

枠は2年で3名から20名程度へ

対象人数は、2025年度が3名、2026年度が15名程度、2027年度が20名程度と推移しています。大学自身が「対象人数を昨年度の15名から20名へ拡大しました」と広報しています。特待生の枠は、定価の学費と違って年度ごとに変わることが珍しくありません。

なお、一般選抜(全学部日程)は[理科2科目型]のみが対象で、[理科1科目型]は対象になりません。出願方式の選び方がそのまま特待生の対象・対象外を分けます。

要項と内規で、継続条件の書かれ方が違います

募集要項には「留年、休学、学則に違反するなど不適格と判断されない限り、特待生としての学費免除は継続されます」と書かれています。この文面だけを読むと、成績の条件は無いように見えます。

一方、大学が公開している内規には、「成績不良である場合は、入学特待生の学費の免除は取り消す」という条件があります。判定は前学期の成績発表時と、進級発表時の年2回で、これは17校でもっとも頻繁です。また、休学した場合は資格が取り消され、復学しても免除は戻りません。

ここで誤解のないようにお伝えしておきます。この内規は、大学が隠しているものではありません。 大学は公式サイトの「諸規則」のページで、内規の全文と、改正時の新旧対照表まで公開しています。探せば読める公開情報です。お伝えしたいのは、募集要項の1ページだけを見て「条件が緩い」と判断するのは危険ということです。

なお、「成績不良」がどのくらいの水準なのかという数値基準は、内規にも他のどの資料にも書かれていません。基準そのものが非公表、というのが正確な整理です。

また、この大学には在学中の成績で選ばれる別枠の特待生制度(年100万円の減免)もありますが、これは入試の特待生とは別の制度です。


岩手医科大学歯学部

対象になる入試区分がはっきり限定されている大学です。一般選抜からは特待生になれません。

以下の金額は令和8年度(2026年度)実績です。大学自身が「令和9年度の学納金額が変更となる場合は、減免額も変更となる」と明記しており、令和9年度の額は本記事執筆時点で未公表です。

確認項目 内容
制度名歯学部特待生制度(特待生A・特待生B)
6年間の支払額定価27,600,000円 → 特待生Aで4,200,000円(免除額23,400,000円)/特待生Bは9,600,000円(免除額18,000,000円)
枠・対象入試区分特待生A 5名を限度/特待生B 10名を限度/共通テスト利用選抜または医学部入学試験利用選抜の合格者のみ(一般選抜は対象となりませんと要項に明記)/自動選考
免除の対象費目授業料、施設整備費、教育充実費
免除の対象外費目入学金600,000円/諸会費/寮費
継続条件進級時の成績が上位3分の1以内。 外れると翌年以降の減免は停止。加えて卒業後5年間、本学で研修を行うことを確約することが条件

免除される費目については、費目ごとの金額表まで大学が公表しています。特待生Aなら、施設整備費も教育充実費も0円です。総額だけでなく内訳まで示している大学は多くありません。

継続条件が「点数」ではなく「順位」である点にも注意が必要です。自分の点数が去年と変わらなくても、まわりが伸びれば外れることがあります。 これは制度の性質の話であって、大学を批判するものではありません。

別枠の制度|歯学部同窓生学納金減免制度

この大学には、もう一つ歯学部同窓生学納金減免制度があります。こちらは入試の成績で選ぶものではありません。

項目 内容
対象本学同窓会の正会員の、3親等以内の親族
対象入試区分入試区分を問わず申請できます(一般選抜を含む)
申請申請制
減免額授業料の半分にあたる年125万円(6年分を積み上げると750万円)
継続6年間が限度。原級に留まっている間は減免が止まり、進級すると再開

ただし、上で説明した特待生制度との重複はできません。 一般選抜で受験する予定の同窓生の親族にとっては、特待生制度の対象外を補う受け皿になっている制度です。


奥羽大学歯学部

専用の入試区分(特待生選抜)で決まる、17校でも珍しいタイプです。そして、支払額の数字の扱いに注意が必要な大学でもあります。

確認項目 内容
制度名特待生選抜
6年間の支払額定価25,500,000円 → 4,500,000円(当サイトの算出値)/免除額21,000,000円(授業料6年分)
枠・対象入試区分一期8名・二期4名・三期4名の計16名/特待生選抜入学試験(専用区分。ほかの区分で合格して手続きを終えたあとでも出願可)
免除の対象費目授業料
免除の対象外費目教科書・実習器材費/委託徴収金
継続条件進級試験の成績で、全額免除の継続は80点以上、半額免除は75点以上。最大6年間

4,500,000円は大学の公表値ではありません

ここは丁寧に説明します。4,500,000円は、当サイトが「免除の対象は授業料である」という前提で積み上げた算出値です。

大学が特待生の説明で使っている数字は、「6年間で2,150万円かかるところが、入学金の50万円になる」というものです。ところが同じ冊子の学費のページには、6年間の学費合計は2,550万円と書かれています。差の400万円は、2027年度から新しく加わった施設維持費と教育充実費の5年分にあたります。

つまり、特待生の説明に使われている2,150万円は、この2費目を足す前の金額だということです。そして、この新設2費目が免除の対象になるかどうかを、大学は明示していません。出願前に大学へ直接ご確認いただくことをおすすめします。

枠は16名|半額免除の区分もあります

枠は2026年度入試から、それまでの30名が16名になりました。この16名の中には、授業料の半額を免除する区分も含まれます。全額に届かなかった成績上位者から選ばれる形で、免除されるのは授業料の半分です。

別枠の制度|同窓特待(子女特待生)

対象者を限った別枠として、同窓特待があります。

項目 内容
対象同窓生・教職員・東北歯科専門学校卒業生の子女
条件特待生選抜入試か一般選抜を受験し、取得点数70点以上の人のなかから、人物および健康が優秀な人を選抜
定員8名
減免額授業料から年200万円(6年間の授業料は900万円になります)
継続留年した場合は進級した時点から再開。6年が限度

※ この制度の金額・定員は、大学が発行する広報誌(2025年6月発行)で告知された「2026年度以降の入学生」向けの内容です。2027年度入試の募集要項には制度名の参照があるのみで、詳細の記載はありません。出願前に大学へご確認ください。


松本歯科大学

定価がもともと17校で3番目に低く、そこからさらに授業料が下がるという組み合わせの大学です。手続きは17校でもっともシンプルです。

確認項目 内容
制度名特待生1種
6年間の支払額定価18,000,000円 → 4,700,000円(免除額13,300,000円)
枠・対象入試区分若干名/国内の受験生は2027年度共通テスト利用選抜、留学生は留学生選抜E・F/申込みも選考試験もない完全な自動選考
免除の対象費目授業料のみ(初年度250万円→70万円、第2〜6学年は毎年300万円→70万円)
免除の対象外費目入学金500,000円/学生共済費/蒼穹会費・校友会費などの委託徴収の会費
継続条件「進級できずに原級に留まる者は資格を喪失します」。点数の基準はなく、進級していれば6年間継続

授業料の下がり方が年次ごとに示されているため、資金計画が立てやすい制度です。継続条件も、点数ではなく「進級できたかどうか」だけを見ています。成績の順位や平均点を毎年求められないという点では、17校の中でも維持のハードルは低い部類です。

なお、2年次以降には学業特待生という制度もありますが、これは在学中の成績で毎年選考される別の制度で、入試の特待生1種とは別物です。また、編入学(第2学年編入)は特待生の対象外とされています。


福岡歯科大学

制度名に「専願」と入っているとおり、合格したら入学することが前提の制度です。金額の大きさより先に、ここを確認してください。

確認項目 内容
制度名専願S特待生制度
6年間の支払額定価26,300,000円 → 13,800,000円(免除額12,500,000円)
枠・対象入試区分約20名/一般選抜A日程・B日程、共通テスト利用選抜1期〜3期(C日程は対象外)/申請制
免除の対象費目入学金500,000円の全額+授業料の年200万円分×6年
免除の対象外費目授業料の残り年100万円/施設維持費年60万円/教育充実資金年70万円
継続条件前年度の学業成績の平均点が80点以上で進級すること。 80点未満だった場合や進級できなかった場合は、翌年度以降の資格を失います

専願制であることの意味

特待生として合格したら入学することが前提で、国公立大学の歯学部歯学科に進学する場合を除いて、出願後の辞退はできません。 併願を前提に受験を組み立てている方は、この制度を狙うかどうかを出願前に決める必要があります。

なお、辞退した場合の既納金の扱いについては、大学のWebサイトが「全額お返しします」としているのに対し、募集要項では「入学金を除いたその他の納付金を返還する」という書き方になっており、説明が一致していません。ここは出願前に大学へ直接ご確認ください。

申請が2段階あります

自動選考ではありません。Web出願のときに「選考を希望する」を選択し、さらに試験当日に承諾書を提出する必要があります。共通テスト利用選抜で狙う場合は、特待生選考専用の科目指定(英語・数学・理科の3科目)もあります。手続きを1つ落とすと対象から外れます。

免除額の内訳(入学金50万円+授業料年200万円)が公表されている点は、資金計画を立てるうえで大きな利点です。なお、2年次以降には在学生向けの別枠の特待生制度(年150万円の減免)もありますが、これは入試の特待生とは別の制度です。


日本歯科大学新潟生命歯学部

日本歯科大学の2学部は、特待生を入れた支払額がどちらも15,690,000円で8位タイです。ただし定価が違うため、減免の割合は倍近く開きます。 新潟生命歯学部は定価に対して25.29%です。

確認項目 内容
制度名新潟生命歯学部特待生制度
6年間の支払額定価21,000,000円 → 15,690,000円(免除額5,310,000円=定価の25.29%)
枠・対象入試区分約15名/一般選抜、共通テスト利用選抜/自動選考
免除の対象費目入学金・授業料・教育充実費・施設維持費の4費目
免除の対象外費目育英奨学基金負担金・学生総合保険料・学生会費等
継続条件記載がありません(継続についての記述が確認できなかったのは、17校でこの学部だけです)

免除の対象は4費目ですが、6年間の合計で見ると4分の1ほどが下がるという水準になります。東京の生命歯学部が一律50%であるのに対し、こちらは定価そのものが令和6年度に引き下げられ、特待生の学納金が据え置かれた結果、割合が下がっている構造です。「同じ金額だから同じ手厚さ」ではありません。

特別枠とチャレンジ試験

約15名の枠には、校友の子弟や、北海道・四国・鳥取・島根・九州・沖縄といった遠隔地にお住まいの方向けの特別枠が内数で含まれています。枠別の人数や基準は公表されていません。

また、この学部にはチャレンジ試験という制度もあります。総合型選抜や学校推薦型選抜で合格した人が一般選抜などを受け直すと、面接を免除されたうえで特待生の選考対象になる仕組みです。この制度があるのは新潟生命歯学部だけで、東京の生命歯学部にはありません。年内の入試で早めに合格を確保しつつ、特待生も狙えるルートです。


日本歯科大学生命歯学部

東京の学部です。定価の一律50%、つまり半額という、17校でもっとも分かりやすい設計です。

確認項目 内容
制度名生命歯学部特待生制度
6年間の支払額定価31,380,000円 → 15,690,000円(免除額15,690,000円=定価の50.0%)
枠・対象入試区分若干名/一般選抜(前期)、共通テスト利用選抜(前期)の2区分のみ(後期・学校推薦型・編入学は対象外)/自動選考
免除の対象費目入学金・授業料・教育充実費・施設維持費の4費目がそれぞれ一律50%
免除の対象外費目育英奨学基金負担金・学生総合保険料・学生会費等
継続条件在学6か年の学納金を減免。ただし懲戒に処せられたり、7年目以降も在学する者は資格を喪失。成績の要件はありません

制度の紹介文には「入学金、授業料、教育充実費、施設維持費をすべて減免する」とありますが、この「すべて」は費目の列挙にかかる語です。全額免除ではなく、4費目のそれぞれが一律50%という意味になります。ここは誤読しやすいところです。

継続条件について、成績の要件はありません。裏を返すと、6年目までは留年しても半額の減免が続くということです。ただし7年目以降も在学する場合は資格を失い、定価の負担に戻ります。対象になる入試区分が前期の2つに絞られている点も、出願計画に直結します。


日本大学松戸歯学部

この大学の制度は3つあり、3つとも「いったん定価を納めてから、あとで戻ってくる」給付・返還型です。ここが減免型の大学と決定的に違います。

まず、いちばん大きい松戸歯学部鈴木奨学金から見ていきます。

確認項目 内容
制度名松戸歯学部鈴木奨学金 第3種・第4種(2027年度から新規導入)
6年間の支払額定価29,400,000円 → 17,200,000円(給付額12,200,000円。大学自身が「6年間の学費2,940万円が1,720万円に」と明示)
枠・対象入試区分一般選抜3名/付属校選抜 若干名/一般選抜のN全学統一方式第1期・A個別方式第1期・C共通テスト利用方式第1期、学校推薦型選抜(付属校)の基礎学力選抜・国公私立併願方式(第2期は対象外)/自動選考
給付の対象費目入学金・授業料・施設設備資金・教育充実料を合わせた、1年次と2年次の学費相当額
給付の対象外費目後援会費などの諸会費/教科書代
継続条件「2年次進級時の給付条件があります」と記載。その基準は公表されていません

減免ではなく給付|入学手続時にいったん全額を納めます

ここが最重要です。この制度は減免ではなく給付です。入学手続時には、いったん定価どおり全額を納付する必要があります。 給付されるのは7月の予定です。

つまり、6年間の最終的な負担は1,720万円になりますが、入学の時点で手元から出ていく金額は定価どおりということです。手元の資金計画では、この時間差を必ず織り込んでください。この点は、学費が最初から下がる減免型の大学と比べたときの大きな違いです。

残る2つの制度

制度 型 金額 人数 対象入試区分
教育充実料減免制度納付後に返還1年次の教育充実料200万円を全額一般選抜6名/付属校選抜 若干名一般選抜のN全学統一方式・A個別方式・C共通テスト利用方式(第1期・第2期の両方)、学校推薦型選抜(付属校)の2方式
松戸歯学部特別奨学金給付入学金にあたる600,000円対象区分の入学者全員(成績条件なし)総合型選抜、学校推薦型選抜(指定校制・公募制)、校友枠選抜、付属校向けの選抜=年内に実施される専願の入試(一般選抜は対象外)

教育充実料減免制度は、鈴木奨学金と同じく、いったん定価を納めてから7月に戻ってくる形で、初年度かぎりの措置です。鈴木奨学金と違い、第2期も対象になる点が実務上のポイントです。

松戸歯学部特別奨学金は、成績の条件がありません。年内に実施される専願の入試で入学した人であれば、全員が入学金相当額の給付を受けられます。ただし一般選抜で入学した場合は対象外です。こちらも1年次だけの給付です。

3つの制度は独立していて、上下の階層関係はありません。自分がどの入試区分で受けるかによって、対象になる制度が変わるという並列の関係です。


明海大学歯学部

入学試験の成績や学業成績によって学費が下がる制度は、ありません。 支払額は定価の17,930,000円のままです。

これは「調べたが情報が見つからなかった」ということではありません。2027年度入学者選抜試験要項に掲げられた奨学制度の対象学部に歯学部が含まれておらず、制度そのものが存在しないことを確認しています。歯学部にあるのは、経済的理由による無利子貸与の「歯学部教育後援会奨学金」です。なお、明海大学の「特待生制度」は大学院歯学研究科のみを対象としています。

初年度授業料の半額は「特待」ではありません

この大学には、入学初年度の授業料が190万円から95万円になるという設定があります。ただしこれは特待生制度ではありません。 世帯収入や成績の条件はなく、入学者全員に適用される正規の学費として学則に定められているものです。したがって、上の定価17,930,000円にすでに反映されています。「特待生を取れればさらに下がる」という性質のものではない、という点にご注意ください。


朝日大学歯学部

こちらも、入試の成績による特待生・学費減免の制度はありません。 支払額は定価の17,930,000円のままです。

歯学部が対象となる本学独自の制度は、「朝日大学・みずほ銀行提携奨学融資制度」(融資=ローン、上限1,752万円)と、「学資借入支援奨学金制度」(借入利息の一部を給付)の2つです。いずれも学費が減免されるものではありません。なお、同じ大学の法学部・経営学部・保健医療学部には授業料100%給付の学業奨励奨学金がありますが、大学が学部別に資料を分けており、歯学部版にはこのページが最初から含まれていません。

明海・朝日の2校について

この2校は、6年間の定価がどちらも17,930,000円で、17校でもっとも抑えられている水準です。つまり、もともと下げる余地が小さいという構造にあります。

この2校では、入学する全員が最初から同じ金額です。ここまで見てきた15校が「選ばれた人だけが下がる」設計なのに対し、明海・朝日は「誰でも下がっている」設計だ、と考えると分かりやすいと思います。特待生を入れた順位で11位タイになるのは、比較の物差しを「特待生を取れた場合」に置いているからであって、それ以上の意味はありません。


鶴見大学歯学部

ここから、初年度だけ、あるいは一部だけが下がるグループです。このグループの5校のうち鶴見大学・神奈川歯科大学・昭和医科大学・日本大学歯学部の4校は、入試の特待生を毎年審査して6年間続けていくという考え方が、もともとありません。 入学のときに決まって、そこで完結する制度です。制度の良し悪しではなく、性質の違いです。

確認項目 内容
制度名新入生特待奨学生
6年間の支払額定価26,250,000円 → 22,750,000円(免除額3,500,000円=初年度の学納金の全額)
枠・対象入試区分成績上位10名の2階層。350万円の免除は1位〜3位の3名(4位〜10位の7名は200万円の免除)/①学校推薦型選抜(指定校推薦1期・2期)・総合型選抜1〜3期の合格者で特待生選抜試験に申請した人/②一般選抜(個別選抜型)1期の出願者(出願すると自動的に特待生選抜試験を兼ねます)
免除の対象費目入学金を含む初年度の学納金
免除の対象外費目学生総合保険料などの諸費
継続条件ありません。免除は1年次だけです

募集要項に出てくる「10名」は、1位〜3位(350万円免除)と4位〜10位(200万円免除)を合算した制度全体の人数です。上の表の350万円に対応する人数は3名です。

もう一つのルート|共通テスト利用型 新入生特待奨学生

この大学には、共通テスト利用型の新入生特待奨学生も別にあります。共通テスト利用選抜1期の出願者から成績上位5名を選び、初年度の学納金のうち200万円を免除するものです。入学手続きの状況によっては、2期も対象になる場合があります。

重要なのは、上で説明した個別選抜型のルートとは別ルートで、どちらか一方だけが対象になるという点です。両方を同時に狙うことはできません。こちらも免除は1年次だけです。

なお、2年次以降の免除は「歯学部特待生」という在学生向けの別制度で、毎年ゼロベースで選考されます。新入生特待奨学生の継続ではありません。


神奈川歯科大学

枠の数字がもっとも混同されやすい大学です。制度全体の人数と、最上位の免除を受けられる人数を、分けて理解してください。

確認項目 内容
制度名KDU入学サポート制度
6年間の支払額定価27,000,000円 → 23,050,000円(免除額3,950,000円=初年度の学生納付金の全額)
枠・対象入試区分制度全体では一般選抜1期のA日程・B日程それぞれの成績上位1位〜15位が対象で、両日程あわせて最大30名。ただし395万円の全額免除は各日程の1位、最大でも2名/一般選抜1期A日程・B日程のみ/自動選考
免除の対象費目1位のみ、入学金を含む初年度の学生納付金を全額
免除の対象外費目委託徴収金 約8万円/2年次以降の学納金/教科書・白衣・実習器材等(6年間で約160万円)
継続条件初年度だけの制度のため、2年次以降の成績要件・継続審査の規定はありません。ただし1年次の在学中に休学・退学をした場合、免除額の全部または一部を納めていただくことがあるとされています

順位によって金額が3段階に分かれます

順位 免除額 免除の対象 人数(各日程)
1位395万円初年度の学生納付金(入学金を含む)1名
2位・3位200万円初年度の授業料から2名
4位〜15位100万円初年度の授業料から12名

2位以下の2階層は、入学金を含みません。 最上位とそれ以外で、免除の対象費目そのものが変わる設計です。「最大30名」という数字だけを見て、30名全員が395万円の免除を受けられると読まないよう注意してください。

成績とは関係のない、もう一つの制度

この大学には、成績要件が一切ない制度がもう一つあります。学校推薦型選抜の公募制と指定校制、系属校推薦、卒業生推薦。いずれも専願の入試ですが、この区分で入学すると、成績の条件なしで入学金の60万円が全額免除されます。

「成績で取る395万円」と「専願で入るだけでゼロになる60万円」。選考のロジックが正反対の制度が、同じ大学に並んでいます。推薦系で受験する予定の方は、こちらが自動的に適用されることを知っておいてください。


昭和医科大学歯学部

枠が42名と、17校でもっとも広い大学です。ただし、免除の対象になる費目には注意が必要です。

確認項目 内容
制度名昭和医科大学特待制度
6年間の支払額定価27,000,000円 → 24,000,000円(免除額3,000,000円=初年度の授業料 前期150万円・後期150万円の全額)
枠・対象入試区分42名(歯学部の一般選抜入試Ⅰ期の募集人員と同じ数)/一般選抜入試Ⅰ期のみ/「上位合格者を対象に」とのみ記載され、申請や選考の手続きの記載はありません
免除の対象費目初年度の授業料のみ
免除の対象外費目入学金1,500,000円/2年次以降の授業料・教育施設充実費/寮生活費/学生会費・学生後援会費
継続条件初年度だけの制度のため、2年次以降の成績要件や審査はありません

入学金1,500,000円は免除されません

免除されないものの中に、大きな費目があります。入学金の150万円です。これは17校でもっとも高い入学金ですが、特待生に選ばれても免除の対象になりません。 免除額300万円という数字を見るときは、この150万円が残ることを前提に計算してください。

「6年間で最大1,800万円」の内訳

歯学部の案内には「6年間で最大1,800万円」という表現が出てきます。これは、特待制度の300万円に、在学生向けのシンシアー奨学金と歯学部特別奨学金を積み上げた最大値です。入試の特待制度そのものは300万円で、残りは入学後に別途選考される制度です。混同しないようご注意ください。


日本大学歯学部

制度に正式な名前が付いておらず、「教育充実料の減免制度」と説明されているという、17校でも珍しいケースです。

確認項目 内容
制度名正式名称の明記なし(「教育充実料の減免制度」と説明)
6年間の支払額定価31,600,000円 → 28,800,000円(免除額2,800,000円)
枠・対象入試区分枠は非公表。対象の入試区分も明示されていません(「本制度が適用されない選抜があります」とのみ記載)/合格発表に合わせて通知される自動選考
免除の対象費目教育充実料(初年次160万円、2年次・3年次が各60万円)
免除の対象外費目入学金/授業料/施設設備資金/諸会費。なお4年次から6年次には、そもそも教育充実料が設定されていません
継続条件記載がありません

大学の案内では「教育充実料の範囲内で減免する」という書き方になっています。表の2,800,000円は、上限額として読んでください。 学費・教材費のページには「280万円が減免されます」という断定的な表現もありますが、入試Q&Aや学部案内では「範囲内で」という上限の表現になっており、資料によって書き方が異なります。

対象になる入試区分が公表されていないため、出願前に「自分の受ける方式が対象かどうか」を確認できません。 志望される方は、大学に直接お問い合わせいただくのが確実です。


東京歯科大学

制度が「無い」わけではありません。ただし、公表されている情報がそこまでです。

確認項目 内容
制度名東京歯科大学特別奨学金制度(給付)
6年間の支払額定価31,900,000円のまま計上(免除額は非公表)
枠・対象入試区分学納金ページには「各学年若干名」と記載。対象になる入試区分は明示されていません
給付の対象費目「授業料 施設維持費の範囲内」という枠のみが公表されています
給付の対象外費目入学金/歯学教育充実費/父兄会費・学生会費(対象費目の裏返しとしての整理)
継続条件事業報告書の期間欄は「1年」。毎年度あらためて選考される仕組みです

2026年度の入学試験要項には、「学業成績・人物が優秀でかつ健康であり、他の学生の模範となる在学生および入学試験の成績が優秀な新入生に対して、特別奨学金規程により学資の一部が給付される」と明記されています。つまり、入学試験の成績が優秀な新入生も対象になる制度が存在します。

ただし、給付される金額も、選ばれる基準も、対象になる入試区分も、いずれも公表されていません。 受験生が出願前に計算に入れられる材料がないため、本記事では減額せず、定価のまま17位に置いています。

制度そのものが存在しない明海大学・朝日大学とは、性質が異なります。 「金額が非公表」であって「制度が無い」ではない、という区別をしておいてください。なお、上の定価31,900,000円は2026年度入学者向けの金額です。


1つの大学に制度が2つ以上あるとき|はしご・排他・並列

17校を通して見ると、複数の制度を持つ大学の「制度どうしの関係」は、3つのパターンに整理できます。 ここは、いちばん大きな制度だけを見ていると必ず見落とすところです。

①はしご型|同じ選考の中で、成績によって金額だけが変わる

大学 階層
北海道医療大学歯学部S特待 → A特待 → B特待(対象入試・継続条件は共通)
岩手医科大学歯学部特待生A(5名を限度) → 特待生B(10名を限度)
奥羽大学歯学部特待生選抜の全額免除 → 半額免除(人数は計16名の内数)
鶴見大学歯学部1位〜3位(350万円) → 4位〜10位(200万円)
神奈川歯科大学1位(395万円) → 2位・3位(200万円) → 4位〜15位(100万円)
愛知学院大学歯学部新入生特待生 → 歯学部専願特待生 → くすのきスーパーエクセレンス → くすのきエクセレンス

このタイプで大事なのは、「その制度に選ばれた」だけでは金額が決まらないということです。同じ制度名でも、区分や順位によって免除額が数倍変わります。神奈川歯科大学のように、階層によって免除の対象費目そのものが変わる大学もあります。

②排他型|片方を選ぶと、もう片方の対象から外れる

  • 愛知学院大学歯学部:歯学部専願特待生に申し込むと、新入生特待生とくすのき奨学生の対象から外れます。申込用紙は出願時の提出が必要で、結果を見てからは選べません。
  • 鶴見大学歯学部:一般選抜(個別選抜型)ベースの新入生特待奨学生と、共通テスト利用型の新入生特待奨学生は、どちらか一方だけが対象になります。
  • 岩手医科大学歯学部:歯学部特待生制度と歯学部同窓生学納金減免制度は、重複して受けることができません。

このタイプは、出願の時点で選択を迫られるのが特徴です。出願書類を書き始める前に、ご家庭で方針を決めておく必要があります。

③並列型|対象になる入試区分が違うだけで、上下関係はない

  • 日本大学松戸歯学部:鈴木奨学金(第1期のみ)、教育充実料減免制度(第1期・第2期)、松戸歯学部特別奨学金(年内の専願入試)の3制度。どの入試で受けるかによって、対象になる制度が変わります。
  • 神奈川歯科大学:成績で決まるKDU入学サポート制度(一般選抜1期)と、成績条件なしで入学金が免除される推薦系の制度。選考のロジックが正反対です。
  • 奥羽大学歯学部:入試成績で決まる特待生選抜と、対象者を限った同窓特待。

このタイプでは、「自分が受ける入試区分に紐づく制度はどれか」という順序で確認すると迷いません。金額の大きい制度から見るのではなく、入試区分から逆算するということです。


学費が下がっても、留年すれば1年で1,500万円

最後に、いちばん大事なことをお伝えします。

特待生制度の有無や大きさは、教育の質やストレート合格率とは別の軸です。 ここまでの17校の比較は、あくまで各大学の公表資料をもとにした制度の評価にすぎません。制度が手厚い大学に入れば安泰、制度が無い大学は不利、という話ではまったくありません。実際に6年間で卒業できるかどうかを決めるのは、最終的には個人の学習習慣です。

出口の指標については私立歯学部のストレート合格率ランキングと歯学部29大学の修学状況まとめ、入口の指標については歯学部偏差値ランキング2027年版で、それぞれ別の物差しから整理しています。学費だけで志望校を決めないために、あわせてご覧ください。

そのうえで、当サイトが繰り返しお伝えしている数字があります。留年1年の経済的損失は約1,500万円です。内訳は、学費の1年分が500万円、生活費が200万円、そして卒業と就業が1年遅れることによる機会損失が800万円。これは当サイト独自の試算で、学費は大学間のぶれをなくすため全大学共通の固定値を用いています。

そして特待生の場合は、ここに「残りの年数ぶんの免除が消える」という損失が重なります。 3年次で資格を失えば、4年次から6年次までの3年分の免除がなくなる。制度によっては、留年した時点で以後の資格が与えられないものもあります。6年間の総額が下がっても、続けられなければその前提が崩れます。

お金を出す側から見ても、取れるかどうかより、学習を継続できるかどうかのほうが大事だということです。


まとめ|志望校の特待生は6項目で確認する

17校を1校ずつ見てきました。要点を3つに絞ります。

  1. 同じ「特待生」でも、制度の設計はまったく違います。 免除される費目は、授業料だけの大学から、入学金を含む本体の全部という大学まで。枠は各日程1名という大学から42名という大学まで開きがあります。そして、1つの大学の中に制度が2つ、3つ、4つとある大学もあります。いちばん大きな制度だけを見て決めないことが大事です。
  2. 継続条件も大学ごとに違います。 成績の要件が無いと要項に明記されているのは1校だけで、そこにも6年間という期間の上限がありました。募集要項には書かれていない条件が、大学が公開している内規の側にある大学もあります。
  3. 金額だけでは判断できません。 専願で辞退できない大学、いったん定価を全額納めてから給付される大学、初年度だけの大学、金額が非公表の大学、制度が無いかわりに定価が抑えられている大学。順位の数字の裏側は、17校ぶん全部違います。

志望校が決まっている方は、制度名/6年間の支払額/枠と対象になる入試区分/免除される費目/免除されない費目/継続条件の6項目を、この記事の表からそのまま書き写して手元に置いてください。そして出願前に、最新の学生募集要項で必ず突き合わせてください。特待生制度は年度ごとに変更されることが珍しくありません。

最後にもう一度。特待生の継続条件として求められる水準は、6年間で卒業して歯科医師国家試験に合格することを目指すなら、そもそも残しておきたい成績でもあります。条件そのものは厳しいものですが、学費のためだけの基準ではなく、勉強を続けるための目標のひとつと考えることもできます。低学年のうちからしっかり学習習慣を身につけ、着実に進級していけば、ストレート合格は十分に狙えます。特待生を「取ること」と「続けること」は、その延長線上にあります。

あわせて読みたい

動画版もあります

本記事の内容は、YouTubeの動画版でも解説しています。表を見ながら理解したい方はこちらもどうぞ。


本記事の金額・制度内容は、各大学が公式サイト・学生募集要項・入学試験要項・大学案内・学内規程・事業報告書等で公表している情報をもとに、2026年9月時点で整理したものです。特待生制度は年度によって変更されることが多いため、出願前には必ず各大学の最新の学生募集要項でご確認ください。

出典:各大学公式サイト(学費案内・学生募集要項・入学試験要項・大学案内・学内規程・事業報告書・自己点検評価報告書)


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歯学部受験情報館を運営しているシカラボです。 教育機関で10年以上、歯学部に関するデータを扱ってきました。 入学者ベースのストレート合格率・留年率・退学率など、見落とされやすい指標を、 厚生労働省・文部科学省・各大学公式サイトの一次資料から継続的に分析しています。
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