歯学部で留年が多い学年は?入学後に待つ6つの壁を学年別に解説
歯学部に合格したあと、6年間のどこに、どんな壁が待っているのか。受験で苦しい思いをした人ほど、合格した安心感でひと息つきたくなるかもしれません。でも、歯学部の本当の勝負は、入学したあとに始まります。
この記事では、文部科学省が公表している私立歯学部17校の修学状況データをもとに、1年次から6年次までの学年ごとの壁と、番外編としてお金の壁を順番に整理しました。どの学年についても、「データで言えること」「考えられる要因」「入学前に準備できること」の3つに分けて書いています。
入学を考えている受験生の方はもちろん、一緒に進路を考えている保護者の方にも、入学前の準備に役立てていただければと思います。
この記事の要点
- 「一番留年が多い学年」は、物差しによって答えが変わります。入学者100人を基準にすると1年次(12.55人分)、その学年にいる人を基準にすると6年次(14.43%)が最も多くなります
- 5年次は、どちらの物差しで見ても全学年で最も減らない学年です(3.48人分・5.44%)。ただし、すぐ後に在学中で最大の6年次の壁が待っています
- 4年次の共用試験(CBT・OSCE)は、歯科医師法に位置づけられた全国共通の試験です。1〜3年の低学年でしっかり準備できていれば、決して怖い壁ではありません
- 歯学部について、退学の理由を分けた統計は公表されていません。退学等の割合は、国立0.67%・私立4.35%です
- どの学年の壁も、低学年からの学習習慣で越えやすくなると考えられます
※学年別の数値は、私立歯学部17校の平成30年度・平成31年度入学者の2か年平均です(文部科学省「歯学部の修学状況等の調査結果」の公表値をもとに当サイトで算出)。
目次
- 一番留年が多い学年は?2つの物差しで答えが変わる
- 学年別の数値一覧|私立17校平均
- 壁1 1年次|学習習慣の壁
- 壁2 2〜3年次|暗記量の壁
- 壁3 4年次|共用試験(CBT・OSCE)の壁
- 壁4 5年次|最も減らない学年の落とし穴
- 壁5 6年次|卒業試験の壁
- 番外編|お金の壁
- まとめ|6つの壁と、入学前にできる準備
一番留年が多い学年は?2つの物差しで答えが変わる
結論から言うと、「一番留年が多い学年」は、どの物差しで測るかによって答えが変わります。 入学者100人を基準にすると1年次、その学年にいる人を基準にすると6年次が最も多くなります。
ここでいう「減る」「次に進めなかった」は、留年・休学・退学などで、同級生と一緒にストレートで次の学年へ上がれなかったことを指します。歯学部をやめた人だけではなく、1学年遅れて在学を続ける人も含まれます。
物差し1:入学者100人を基準にした減り方
ひとつめの物差しは、入学した100人を基準にして、各学年で何人分が減るかを見る方法です。
文部科学省の公表データから、平成30年度と平成31年度に入学した人たちの進み方を、私立17校で平均しました。入学時を100人とすると、1年次のあいだに12.55人分が減ります。これが全学年で最も大きな減り方です。
物差し2:その学年にいる人を基準にした割合
ふたつめの物差しは、その学年までたどり着いた人のうち、何%が次に進めなかったかを見る方法です。たとえば6年次なら、6年生までたどり着いた人のうち、何%が最低修業年限(6年)で卒業できなかったかを数えます。
こう数え直すと、答えが変わります。最も高いのは6年次の14.43%です。
1年次だけは、どちらの物差しでも母数が入学者100人になるので、同じ12.55という数字になります。その1年次の12.55%を、6年次が上回るわけです。上の学年ほど母数となる人数が減っていくため、止まる人数が少なくても、割合は大きく出ます。

文部科学省の「留年・休学を経験したことがある学生の割合」は今回使いません
文部科学省は、学年ごとに留年・休学を経験したことがある学生の割合も公表しています。令和7年度の私立17校平均で、1年次は7.88%、6年次は41.55%です。
ただしこの数字は、いまその学年にいる学生のうち、入学してから一度でも留年や休学をしたことがある人の割合です。上の学年ほど在学してきた年数が長く、経験する機会が積み重なっていきます。学年が上がるほど大きくなりやすい仕組みの数字なので、この記事では学年の比較に使いません。
この指標の詳しい見方は、留年・休学者の割合(文部科学省データ)で解説しています。
まとめると
- 入学者100人で見ると → 1年次(人数として最も多く減る)
- その学年にいる人で見ると → 6年次(割合として最も止まりやすい)
だからこそ、学年ごとに中身を見る意味があります。修学状況のデータそのものの見方は、全29大学の修学状況比較と文科省データで読み解く歯学部のリアルもあわせてご覧ください。
学年別の数値一覧|私立17校平均
2つの物差しの数値を、学年ごとに並べると次のとおりです。 物差し1では1年次が最多・5年次が最少、物差し2では6年次が最多・5年次が最少になります。
| 学年(次に進むタイミング) | 物差し1:入学者100人あたり減る人数 | 物差し2:その学年にいる人のうち次に進めなかった割合 |
|---|---|---|
| 1年次(2年次に上がるとき) | 12.55人分(最多) | 12.55% |
| 2年次(3年次に上がるとき) | 10.59人分 | 12.11% |
| 3年次(4年次に上がるとき) | 5.96人分 | 7.76% |
| 4年次(5年次に上がるとき) | 6.88人分 | 9.70% |
| 5年次(6年次に上がるとき) | 3.48人分(最少) | 5.44%(最少) |
| 6年次(卒業するとき) | 8.74人分 | 14.43%(最多) |
※私立歯学部17校の平均。平成30年度・平成31年度入学者の2か年平均です。
※物差し1の「人分」は、入学者を100人としたときの減少幅(ポイント)です。
※6年次は、最低修業年限(6年)で卒業できなかった人を数えています。北海道医療大学の卒業段階の値は平成30年度入学者のみです(平成31年度入学者分は未公表)。
※出典:文部科学省「歯学部の修学状況等の調査結果」をもとに当サイトで算出。
表から読み取れるポイントは3つです。
- 1年次と2年次は、どちらの物差しでも大きい:2年次にいる人のうち次に進めなかったのは12.11%で、1年次の12.55%とほとんど変わらない高さです
- 3年次でいったん小さくなり、4年次でふたたび大きくなる:入学者100人あたりで3年次5.96人分、4年次6.88人分です
- 5年次は最少、その直後の6年次が割合として最多:5年次の5.44%と6年次の14.43%が並んでいます
入学した100人のうち、4年次にストレートでたどり着けるのは70.89人です。大学ごとに何人残るかは、コホート生存曲線で見る私立17校の6年間で大学別に追いかけています。この記事では大学別の比較はせず、どの学年に、どんな種類の壁があるのかを、制度の側から見ていきます。
壁1 1年次|学習習慣の壁
1年次は、入学者100人あたりで最も多く人が減る学年です。 教養科目が中心だから楽な学年、というわけではありません。
データで言えること
- 入学者100人あたり12.55人分が1年次で減り、全学年で最多です
- その学年にいる人を基準にしても12.55%で、在学中の学年では6年次に次ぐ高さです
人数で見ても、割合で見ても、最初の1年は決して軽い学年ではありません。
1年次の実際
1年生は教養科目が中心で、まだ楽な学年だと思っていませんか。実際には、出席率80%以上を1年次から求める大学があります。
解剖学が1年次から始まる大学もあります。 岩手医科大学、日本大学歯学部、松本歯科大学、大阪歯科大学、福岡歯科大学などです(各大学のシラバスで確認)。
考えられる要因
では、なぜ1年次でこれほど減るのか。勉強のやり方以前に、そもそも勉強する習慣が身についていないことが、いちばんの要因になっている場合が多いと考えられます。
受験が終わった解放感から、毎日机に向かう生活が途切れてしまう。大学の試験は範囲が広く、直前にまとめて覚えようとしても間に合いません。ほとんど勉強しないまま、最初の試験を迎えてしまう。そういう形でつまずく人が多い、という見方ができます。
入学前に準備できること
毎日勉強する習慣を途切れさせないことです。 合格が決まったあとも、入学までのあいだ、短い時間でいいので毎日机に向かう。大学に入ってからも、その習慣をそのまま続ける。
これを当たり前にしておくだけで、1年次の壁はかなり低くなると考えられます。
1年次の留年率を大学別に見たい方は、私立歯学部「1年次留年率」ランキングをご覧ください。
壁2 2〜3年次|暗記量の壁
2年次は、1年次とほぼ同じ高さの割合で人が止まる学年です。 背景には、基礎系の専門科目が集中することがあります。
データで言えること
- 入学者100人あたりで、2年次に10.59人分、3年次に5.96人分が減ります
- その学年にいる人を基準にすると、2年次は12.11%。1年次の12.55%とほとんど変わらない高さです
- 入学した100人のうち、4年次にストレートでたどり着けるのは70.89人です
2年次に何が起きるのか
多くの大学では、2年次に、解剖学、生理学、薬理学といった基礎系の専門科目が集中します。 1年次から始まる大学もありますが、いずれにしても、覚える量が一気に増える時期です。
考えられる要因
考えられるのは、1年次に学習習慣が固まらないまま、高校までの貯金で進級した人が、2年次の暗記量についていけなくなる、という形です。1年次を乗り切れたことで安心してしまう、という見方もできます。
入学前に準備できること
覚え方の型をつくっておくことです。
- 一度で覚えようとせず、間をあけて何度も繰り返す
- 覚えたかどうかを、自分でテストして確かめる
この反復の型を受験勉強のうちに身につけておけば、2年次の暗記量にも対応しやすくなると考えられます。
なお3年次の減り方は5.96人分で、低学年(1〜3年次)の中ではいちばん小さくなります。ただ、次の4年次で、減り方はふたたび大きくなります。
3年次までの大学別の数字は、私立歯学部「3年次までに半数が脱落」で確認できます。
壁3 4年次|共用試験(CBT・OSCE)の壁
4年次は、大学の試験とは別に、全国共通の「共用試験」が加わる学年です。 減り方は3年次より、ふたたび大きくなります。
データで言えること
- 入学者100人あたり6.88人分が減り、3年次の5.96人分より、ふたたび大きくなります
- その学年にいる人を基準にすると9.70%です
共用試験は、法律に位置づけられた全国共通の試験
共用試験は、知識を問うCBTと、実技と態度を確かめるOSCEの2つです。2021年の歯科医師法の改正により、2024年4月から、法律に位置づけられた全国共通の試験になりました。
| 歯科医師法の条文 | 内容(要旨) | 施行 |
|---|---|---|
| 第17条の2 | 共用試験に合格した歯学生は、大学が行う臨床実習で、歯科医師の指導監督のもとに歯科医業を行うことができる | 2024年4月 |
| 第11条第1号 | 歯科医師国家試験の受験資格は、大学で歯学の正規の課程を修めて卒業した人のうち、共用試験に合格した人に限る | 2026年4月 |
※第11条第1号の施行前に大学を卒業した人には、経過措置があります。
つまり共用試験に合格しなければ、臨床実習で患者さんの診療に参加することができません。さらに今は、国家試験を受けるための条件にもなっています。国家試験と同じように法律で定められた、国家試験の手前にある、もう一つの国の関門です。
大学によって、ある、ない、という話ではなく、すべての歯学部の学生が通る壁です。
考えられる要因
4年次で減り方がふたたび大きくなるのは、臨床系の科目が本格的に始まることに加えて、共用試験に向けて、それまでに学んだ内容をまとめて問われるからだと考えられます。
裏を返せば、この壁の高さは、1年次から3年次までの積み上げで変わる、という見方ができます。1〜3年の低学年でしっかり準備できていれば、決して怖い壁ではありません。
入学前に準備できること
- CBTとOSCEという試験があることを、今のうちに知っておく
- 学年が上がっても前の学年の内容を忘れないよう、復習を続ける習慣をつくっておく
CBTは、受けて終わりの試験ではありません。その結果からは、国家試験の合格に向けた大切な情報が分かります。試験の中身と、結果から何が分かるのかは、今後の動画・記事で詳しく扱います。
4年次の大学別の数字は4年次脱落率・ストレート5年到達率、試験の仕組みは歯学部CBT試験の解説と歯学部OSCE試験の解説をご覧ください。
壁4 5年次|最も減らない学年の落とし穴
5年次は、どちらの物差しで見ても、6年間で最も人が減らない学年です。 壁は低めですが、重要な学年だと考えています。
データで言えること
- 入学者100人あたりで、5年次に減るのは3.48人分
- その学年にいる人を基準にしても5.44%
- どちらの物差しで見ても、全学年で最も少ない数字です
1年次の12.55人分、2年次の10.59人分と並べると、その少なさがよくわかります。ここまで来れば一安心、と感じるかもしれません。でも、この数字だけを見て安心するのは、まだ早いです。
すぐ後に、6年間で最大の壁がある
5年次のすぐ後には、6年間で最大の壁が待っています。6年生までたどり着いた人のうち14.43%が、ストレートで卒業できていません。在学中の学年の中で、最も高い割合です。そして卒業した後にも、国家試験という壁が続きます。
つまり5年次は、安全な学年なのではなく、最大の壁がまだ来ていないだけの学年、という見方ができます。
5年次は「試験がない学年」ではない
5年生には試験がないから減らない、と考える人もいるかもしれません。でも、5年次にも、学力や実技の試験を進級の関門として置いている大学はあります。 5年次は試験がない学年、というわけではありません。
臨床実習が始まる学年
5年次の大きな特徴は、臨床実習が始まることです。各大学の公式サイトで確認できる範囲では、臨床実習は5年次から始まります。講義を聞いて試験を受ける毎日から、指導を受けながら実際の診療に参加する毎日へ。学年の中身が大きく変わります。
診療の現場で体を動かし、患者さんと向き合う時間が長くなり、机に向かう時間は短くなりがちだと考えられます。学力に関する関門が少ないことが、5年次で人が減らない主な要因だと推定されます。
臨床実習の後にも、全国共通の実技試験がある
臨床実習の後にも、全国共通の実技の試験があります。CPXとCSXと呼ばれる試験で、2023年度は、全国29大学すべてで実施されました(医療系大学間共用試験実施評価機構「共用試験ガイドブック」)。4年次のCBT・OSCEとは違い、法律に位置づけられた試験ではありません。
臨床実習は、ただ現場に出ればよい期間ではなく、その後にも評価が待っているということです。この試験の中身は、臨床実習後の実技試験(CPX・CSX)の解説をご覧ください。
考えられること|5年次は逆転のチャンス
5年次は、逆転のチャンスの学年でもあると考えられます。臨床実習で疲れていても、毎日少しでも国家試験の勉強を続けられるかどうか。ここで差がつきやすい、という見方ができます。実習に追われて勉強から離れやすい時期だからこそ、続けた人は、周りとの差を詰めていけると考えられます。
もうひとつ大事なのが、臨床実習そのものです。臨床実習は、これまで学んできた知識と、目の前の患者さんの状況をつなげて、理解を深めることができる大切な機会です。 漫然と過ごすのではなく、将来のためにも、ひとつひとつの実習を大事にしていきましょう。
では、自分が今どの位置にいるのかは、どうすればわかるのか。4年次の時点の自分の位置は、CBTの結果で確認できます。 その結果をどう読み、国家試験の準備にどう生かすかは、今後の動画・記事で解説します。
入学前に準備できること
これまでの章と同じです。疲れている日でも、少しだけ机に向かう。 その習慣を、今のうちにつくっておくことです。
壁5 6年次|卒業試験の壁
6年次は、その学年にいる人を基準にしたとき、在学中の学年で最も止まりやすい学年です。 卒業の手前で止まる人が、割合としては最も多くなります。
データで言えること
- 入学者100人あたりでは8.74人分が、6年次でストレートに卒業できずに止まります。1年次、2年次に次ぐ大きさです
- 6年生までたどり着いた人を基準にすると14.43%。在学中の学年の中で、最も高い割合です
14.43%は、6年次まで到達した人の約7人に1人が、最低修業年限で卒業できていないということです。
卒業試験の基準は、大学ごとに大きく違う
6年次の壁として大きいのが、卒業試験です。国家試験と同じ形式で問題を出す大学もあれば、必修の領域に高い基準点を設けている大学もあります。卒業試験の基準は、大学ごとに大きく違います。
考えられる要因
国家試験に合格できる力があるかどうかを、大学がこの段階で厳しく確かめている、という見方ができます。5年次の臨床実習のあいだに勉強から離れていた人ほど、ここで苦しくなりやすいと考えられます。
入学前に準備できること
ここまでの章と同じです。低学年から学習習慣をつくり、5年次も勉強を止めないこと。 それが、6年次の壁を越える一番の準備になると考えられます。
卒業試験と国家試験の関係は卒業試験と国家試験の乖離、大学ごとの6年次の留年率は卒業の壁マトリクスで詳しく扱っています。動画版は卒業の壁 徹底比較(6年次留年率×新卒合格率)です。
番外編|お金の壁
最後の6つめは、番外編のお金の壁です。 歯学部について、学費が払えなくなって退学した人がどれくらいいるのかは、統計からは分かりません。分かっているのは、退学等の割合と学費の総額です。
歯学部の退学理由を分けた統計は、公表されていない
学費が払えなくなって、歯学部を辞める人はどれくらいいるのか。実は、歯学部について、退学の理由を分けた統計は公表されていません。 文部科学省が歯学部について公表しているのは、退学等の割合の総数までです。どんな理由で辞めたのかは、わからないのです。
参考:全国の中途退学の理由では「経済的困窮」が13.2%
参考になるのが、文部科学省「令和6年度 学生の中途退学者・休学者数の調査結果」です。中途退学の理由のうち、経済的困窮は13.2%でした。
ただしこれは、全国の大学・短期大学・大学院・高等専門学校を合わせた値で、歯学部のデータではありません。 歯学部の退学者のうち13.2%が経済的な理由、という意味ではない点に注意してください。
そのうえで、学費が高い歯学部では、経済的な理由で退学する人の割合は、これより多い可能性も考えられます。
歯学部の退学等割合|国立と私立
では、歯学部の退学はどれくらいあるのか。文部科学省が公表している退学等の割合を、令和4年度から6年度の3か年平均で見ると、次のとおりです。
| 区分 | 退学等割合(令和4〜6年度の3か年平均) |
|---|---|
| 国立(11校平均) | 0.67% |
| 私立(17校平均) | 4.35% |
※出典:文部科学省「歯学部の修学状況等の調査結果」の公表値をもとに当サイトで算出。
※国立と私立の差は、学費が原因であることを示すものではありません(相関であり、因果ではありません)。
私立は国立のおよそ6.5倍です。私立は学費が高く、退学の割合も高い。これが、データから分かっていることです。 大学別の退学率は退学率ランキングで確認できます。
私立17校の学費は、6年間で1,793万〜3,190万円
私立17校の学費は、2026年度の金額で見ると、6年間の合計で、最も安い大学が1,793万円、最も高い大学が3,190万円、平均は約2,611万円です(各大学公式サイト)。
※2026年度時点の情報です。学費は年度ごとに改定されることがあるため、最新情報は各大学の公式サイトでご確認ください。
留年すると、さらに1年あたり1,500万円
留年すれば、この金額にさらに上乗せされます。当サイトでは、留年1年の損失を1,500万円と置いています。
| 内訳 | 金額 |
|---|---|
| 学費 | 500万円 |
| 生活費 | 200万円 |
| 機会損失(社会に出るのが1年遅れることで失う、キャリア終盤1年分の収入) | 800万円 |
| 合計 | 1,500万円 |
これは全大学共通の固定値で、大学ごとの実際の学費とは別の計算です。上の学費総額(1,793万〜3,190万円)とは別の考え方として見てください。
私立大学で、6年ストレートで卒業できるのは約5割(私立17校平均・入学者基準で51.80%)。残りのおよそ5割の人は、留年や休学、退学を経験しています。
保護者の方には、入学前に、家計の状況と必要になる金額を、一度しっかり把握しておいてほしいと思います。 歯学部の6年間は、決して簡単な道ではないということも、あわせてご理解いただければと思います。
留年と国家試験の関係は新卒合格率と留年・退学リスクの相関、学費と卒業率をあわせた比較は実質コストランキングで解説しています。
まとめ|6つの壁と、入学前にできる準備
ここまで、6つの壁を見てきました。ただ、これはあくまで私立17校の統計的な傾向にすぎません。 どの学年でも、多くの人はストレートで次の学年に進んでいます。最終的に歯科医師になれるかどうかを決めるのは、入学したあとに、その人が学び続けられるかどうかです。
| 壁 | 学年 | 中身 | 入学前にできること |
|---|---|---|---|
| 壁1 | 1年次 | 学習習慣の壁(入学者100人あたり最多の12.55人分) | 毎日勉強する習慣を途切れさせない |
| 壁2 | 2〜3年次 | 暗記量の壁(2年次は1年次とほぼ同じ12.11%) | 間をあけて繰り返し、自分でテストする覚え方の型 |
| 壁3 | 4年次 | 共用試験(CBT・OSCE)の壁 | 試験の存在を知り、前の学年の内容を復習し続ける |
| 壁4 | 5年次 | 油断と逆転のチャンスが同居する壁(最も減らない学年) | 疲れた日でも少しだけ机に向かう |
| 壁5 | 6年次 | 卒業試験の壁(在学中で最多の14.43%) | 低学年から学習習慣をつくり、5年次も勉強を止めない |
| 番外 | ― | お金の壁 | 家計の状況と必要な金額を入学前に把握する |
表を見ると分かるとおり、どの学年の壁にも共通しているのは、毎日の学習習慣です。低学年からしっかり学習習慣を身につけて、着実に進級していけば、ストレートで歯科医師国家試験に合格することは十分にできます。 入学前の今から、その準備を始めていきましょう。
4年次で登場した共用試験、CBTとOSCEについては、その中身と、結果から分かる国家試験に向けた情報を、今後の動画・記事で詳しく扱います。
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この記事の内容は、記事冒頭の動画でも解説しています。
本記事の学年別の数値は、文部科学省「歯学部の修学状況等の調査結果」の公表値をもとに、私立歯学部17校の平成30年度・平成31年度入学者の2か年平均として当サイトで算出したものです。学年ごとの要因の説明は、データの裏付けがない部分については推定として述べています。
出典:文部科学省「歯学部の修学状況等の調査結果」(学年別の進級状況・留年・休学を経験したことがある学生の割合・退学等割合)/文部科学省「令和6年度 学生の中途退学者・休学者数の調査結果」/歯科医師法/医療系大学間共用試験実施評価機構「共用試験ガイドブック」/各大学公式サイト(学費・進級基準・カリキュラム・臨床実習)/留年1年の損失は当サイト独自の試算

