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歯科医師の平均年齢は55.2歳 — 年齢構造の現実と2033年の世代交代

kameman

「歯科医師は余っている」「歯科医院はコンビニより多い」。この言説を聞いたことがある方は多いと思います。しかし、2025年12月に厚生労働省が公表した最新統計を読み解くと、その認識はもはや古いと言わざるを得ません。診療所歯科医師の平均年齢は55.2歳に達し、医療施設で働く歯科医師のうち60歳以上が36.8%を占める。3人に1人以上が、すでに引退を視野に入れる年齢に達しているのです。

今この瞬間に高校3年生として歯学部受験を考えている方が、晴れて歯科医師として1年目を迎えるのは早くて2033年。その頃の歯科医師市場は、今とまったく違う構造になっている可能性があります。本記事では、厚生労働省「令和6年 医師・歯科医師・薬剤師統計」の一次データから、年齢構造の現実と2033年の世代交代について読み解きます。受験生・保護者の方々が「なぜ今、6年で確実に卒業できる大学を選ぶことが重要なのか」を、データに基づいて理解いただける内容です。

本記事の要点(30秒まとめ)

  • 歯科医師の60歳以上比率は 36.8%(3人に1人以上)・最多年齢層は60〜69歳(22,970人)
  • 平均年齢は 55.2歳(2024年)・2000年比で +7.1歳と高齢化が加速
  • 直近2年間で70歳以上だけが増加(+8.9%)、30代は -4.9%と激減
  • 今の高校3年生が歯科医師1年目を迎える 2033年 に世代交代が加速する(推計)
  • 受験生が選ぶべきは 「6年で確実に卒業できる大学」 という指標

目次

  1. 「歯科医師は余っている」は本当か — 2024年データが示す逆説
  2. 年齢構造の現実:60歳以上が3人に1人以上(36.8%)
  3. 平均年齢55.2歳まで上がった40年の歩み
  4. 直近2年間の変化:70代だけが増えた
  5. 診療所院長54,170人の現実 — 後継者問題の序章
  6. 2033年に何が起きるか(推計)
  7. 世代交代後の担い手:若手5.9%・女性化という変化
  8. 世代交代と「早いスタート」の価値 — 大学選びの基準
  9. まとめ — 2033年市場を見据えた大学選びのポイント
  10. よくある質問(FAQ)

「歯科医師は余っている」は本当か — 2024年データが示す逆説

「歯科医院はコンビニより多い」「歯科医師は飽和している」。こうした言説は2000年代半ばから繰り返し報じられ、すでに四半世紀近くにわたって日本社会に定着してきました。しかし、その「常識」が形成された時代と、2024年現在の歯科医師市場の構造は、まったく別物になっています。

厚生労働省が2025年12月23日に公表した「令和6年 医師・歯科医師・薬剤師統計」によれば、2024年12月31日時点の歯科医師総数は 103,652人。実はこの数字は、2020年(107,443人)をピークに2回連続で減少しています。直近2年間(令和4年→令和6年)だけでも -1,615人(-1.5%) という減少です。

そして、この同じ2年間で唯一プラスに転じたのが「70歳以上」の年齢層でした。70歳以上の歯科医師は12,833人から13,975人へ +1,142人(+8.9%) と増加しています。逆に若手の30〜39歳は -823人(-4.9%) と最大の減少幅を記録しました。

つまり、「歯科医師が余っている」という言説が成立した時代のデータと、現在のデータは構造的にまったく異なっています。総数は減り、70代以上だけが増え、若手は急減している。この現実を踏まえずに「歯科医師は余っている」と語ることは、もはや事実に即していません。

歯科医師の需給予測のマクロ動向については、別動画「歯科医師需給ギャップ2040」(2026年5月22日公開)で厚労省ワーキンググループの公式報告書を解説しています。本記事はその「構造的背景」となる年齢構造の実態にフォーカスします。


年齢構造の現実:60歳以上が3人に1人以上(36.8%)

それでは、現在の歯科医師の年齢構造を具体的に見ていきましょう。本章のデータはすべて、医療施設に従事する歯科医師100,266人を対象としたものです(総数103,652人とは異なる点に注意)。

年齢階級別の人数と構成比(2024年・公式値)

年齢階級人数構成比
29歳以下5,943人5.9%
30〜39歳16,119人16.1%
40〜49歳19,701人19.6%
50〜59歳21,558人21.5%
60〜69歳22,970人22.9%
70歳以上13,975人13.9%
合計100,266人100.0%

出典:厚生労働省「令和6年 医師・歯科医師・薬剤師統計」

このデータが示す事実は3点あります。

第1に、最も多い年齢層は60〜69歳(22,970人・22.9%)です。 若手から中堅、シニア前まで段階的に人数が増え、60代でピークを迎えるという、業界の重心が高齢層に寄った構造になっています。

第2に、60歳以上の合計は36,945人・全体の36.8%。 3人に1人以上が、60代以上の歯科医師ということになります。

第3に、50歳以上で見ると58,503人・全体の58.3%。 半数を超える歯科医師が、すでに50代以上に達しています。

性別による年齢構成の違い

年齢階級ごとの男女比を見ると、世代交代の方向性がより鮮明に見えてきます。

年齢階級男性比率女性比率
29歳以下51.2%48.8%
30〜39歳60.8%39.2%
40〜49歳65.1%34.9%
50〜59歳74.3%25.7%
60〜69歳83.7%16.3%
70歳以上88.2%11.8%

29歳以下では、男女ほぼ同数(男性51.2% vs 女性48.8%)。一方で60代では男性が83.7%を占めます。世代によって、これほど男女比が違う職業も珍しいでしょう。今の60代が引退し、現在の20代が中核を担う2030年代後半には、女性歯科医師が業界の主力になっていく可能性が高いと考えられます。

保護者の方への補足: お子さんが卒業する頃に活躍する歯科医師の主力世代は、現在の40代・50代です。その方々が「経営層」になる時代に、お子さんは「中堅」として参入することになります。今の業界常識ではなく、世代交代後の市場像を見据えた大学選びが重要になります。


平均年齢55.2歳まで上がった40年の歩み

なぜここまで高齢化したのか。その答えは、過去40年の平均年齢推移を見ると一目瞭然です。

診療所歯科医師 平均年齢の推移(1982〜2024年・公式値)

年度平均年齢備考
昭和57年(1982)47.3歳基準年
昭和63年(1988)46.4歳最低点(同値)
平成2年(1990)46.4歳最低点(同値)
平成4年(1992)46.5歳反転上昇開始
平成8年(1996)46.9歳上昇途中の値
平成12年(2000)48.1歳48歳到達
平成20年(2008)50.2歳50歳超え
平成28年(2016)52.9歳
平成30年(2018)53.5歳
令和2年(2020)54.3歳
令和4年(2022)54.8歳
令和6年(2024)55.2歳2000年比 +7.1歳

注:上記の年次推移は「診療所歯科医師」のみが対象です。同統計では施設種別の平均年齢も公表されており、令和6年(2024年)時点で病院(医育機関附属の病院を除く)46.5歳/医育機関附属の病院36.8歳/診療所55.2歳となっています。病院勤務医(特に医育機関)が若く、開業医が高齢という構造が数値に表れています。長期推移グラフが整備されているのは診療所のみのため、本記事では診療所の平均年齢で経年トレンドを示しています。

1988〜1990年に一度若返った理由

1982年に47.3歳だった平均年齢は、1988年・1990年に46.4歳と最低点を記録しました。これは、1970年代に大量新設された歯学部(私立を中心に14校以上が新設)の卒業生が、1980年代に現場へ大量参入した結果です。当時、歯学部の入学定員は急速に拡大されていました。1996年の46.9歳は、すでに上昇に転じたあとの上昇途中の値です。

しかし1992年頃から反転上昇に転じており、2000年には48.1歳に達しました。そこから先は24年間にわたって一貫して上昇を続けています。

高齢化のペースは年間+0.3歳

2000年(48.1歳)から2024年(55.2歳)までの24年間で +7.1歳。年間平均で +0.3歳ペース で高齢化が進んでいる計算です。

直近8年間(2016年52.9歳 → 2024年55.2歳)でも +2.3歳上昇しており、ペースが緩むどころか加速傾向にあります。

このペースが今後も続くと仮定すれば、2033年頃には診療所歯科医師の平均年齢が 57〜58歳台 に達する可能性があります。ただしこれは、現在のトレンドを延長した試算であり、公式の予測値ではありません。あくまで推計としてご覧ください。

なぜ高齢化が加速しているのか。それは、新しく入ってくる若手の数が、引退する高齢層の数に追いついていないからです。次章で、直近2年間の年齢層別変化を見ていきます。


直近2年間の変化:70代だけが増えた

令和4年(2022年)から令和6年(2024年)への、年齢階級別の変化を細かく見ていきます。

R4→R6 年齢階級別変化(公式値)

年齢階級R4(2022)R6(2024)増減増減率
29歳以下5,963人5,943人-20人-0.3%
30〜39歳16,942人16,119人-823人-4.9%
40〜49歳20,217人19,701人-516人-2.6%
50〜59歳22,398人21,558人-840人-3.8%
60〜69歳23,566人22,970人-596人-2.5%
70歳以上12,833人13,975人+1,142人+8.9%

出典:厚生労働省「令和6年 医師・歯科医師・薬剤師統計」

70代だけが増えた

注目すべきは、わずか2年間という短期間で、70歳以上の年齢層だけが増加し、それ以外のすべての年齢層が減少した という事実です。これは2024年データの中でも最も衝撃的な構造変化と言えます。

70代が増えた背景には、現役を続ける高齢歯科医師が増えていることがあります。健康寿命の延伸、自営業者として定年がないという業界特性、そして次世代への承継が進んでいないことなどが複合的に作用していると考えられます。

30代の急減が示す将来

最大の減少幅を記録したのは30〜39歳の -823人(-4.9%) です。

なぜ30代が急減しているのか。直接的な要因は、国家試験合格者数の段階的な減少です。今の30代が国家試験を受けたのは、2010年代後半から2020年代前半。この時期、合格者数は段階的に絞り込まれてきました。歯学部入学者数の減少もありますが、より影響しているのは、国家試験を通過する人数自体が減ってきたという、出口側の絞り込みです。結果として、現場に出てきた30代の絶対数が少なく、この世代だけが大きく減っているのです。

今の30代は、10年後に40代として医療現場の中核を担う世代です。その世代が現時点で最も急減しているという事実は、10年後・20年後の歯科医療の担い手構造を考える上で見逃せません。


診療所院長54,170人の現実 — 後継者問題の序章

歯科医師の働き方の構成を確認しておきます。

施設別歯科医師数(2024年・公式値)

区分人数全体比
総数103,652人100.0%
医療施設従事者100,266人96.7%
うち病院従事者11,563人11.2%
うち診療所従事者88,703人85.6%
うち診療所開設者(院長等)54,170人52.3%
うち診療所勤務者34,533人33.3%

歯科医師の 52.3%、過半数が「自分の診療所を持つ院長」 であるという事実が見えてきます。歯科医師は半数以上が開業医(院長等)として働いているという、職業構造上の大きな特徴です。

開設者の年齢別内訳は「データなし」

ここで重要な注記があります。本統計では、診療所開設者の年齢別内訳は公表されていません。 したがって「60歳以上の院長が何人いるか」「70歳以上の高齢院長は何人か」という具体的な数字は、本記事ではお伝えできません(データなし)。

構造的に推測できること

ただし、医療施設で働く歯科医師の年齢構造において60歳以上が36.8%を占めるという事実から考えれば、診療所開設者54,170人の中にも相当数の高齢層が含まれていることは合理的に推測できます。

その方々の多くが、今後10〜20年の間に引退期を迎えていくことになります。後継者をどうするか。子どもに継がせるのか、外部の若手歯科医師を採用して継承するのか、それとも廃業するのか。

承継開業という新しい市場が、ここから生まれていく可能性があります。これから歯科医師を目指す方々にとっては、勤務医として技術を磨いた後に既存医院を承継して独立する道筋が広がる可能性があるということです。


2033年に何が起きるか(推計)

【重要・前置き】 本章の数値の一部は、2024年公式データを基に当チャンネルが行った試算・推計です。公式の予測値ではありません。各箇所で「推計」「試算」と明示します。

公式値から確定的に言えること

公式値として確実に言えるのは、次の事実です。

  • 2024年現在、60歳以上の歯科医師は 36,945人(公式値)
  • この方々は9年後の2033年には、全員69歳以上(うち約4割は80歳以上)になっています(単純な算術上の事実)

ここまでは推計ではなく、公式値から導出できる確定的な計算です。

推計:引退と新規参入のバランス

ここから先は推計です。

直近の第119回歯科医師国家試験(2026年実施)の合格者は 1,757人。第115回〜第118回までは 1,969〜2,136人(おおむね2,000人前後)で推移していましたが、第119回で大きく落ち込みました。これは、単に歯学部入学者数の減少が反映されただけではありません。歯科医師の新規参入は、入学者数(入口)と国家試験合格者数(出口)の両方から、段階的に絞り込まれる構造になってきています。若手歯科医師の供給細りが一段進んだ形と言えます。

仮に年間1,800人前後で今後も推移すると見ると、9年間の累計はおおむね16,200人。引退候補36,945人に比べて、半分以下の水準にとどまります。

ただし、この新規参入者の全員が、医療施設に従事するわけではありません。大学、研究機関、行政など、医療施設外の進路もあります。

仮に60歳以上36,945人のうち 6〜7割(約22,200〜25,860人) が9年後の2033年までに引退期に到達するシナリオを置くと、引退者数と新規参入数の差し引きで、純減ポテンシャルは 約6,000〜9,700人規模(概算) に達する可能性があります(シナリオ試算・公式の予測値ではありません)。

区分規模備考
引退規模(シナリオ)22,200〜25,860人60歳以上36,945人 × 6〜7割
新規参入(9年累計)約16,200人第119回1,757人ベース・年間1,800人前後 × 9年
純減ポテンシャル約6,000〜9,700人(概算)引退規模 − 新規参入

繰り返しますが、これは推計です。実際の引退ペースは個人差が大きく、公式に引退年齢を予測した統計データは存在しません(データなし)。

2040年マクロ需給予測との関係

厚生労働省ワーキンググループは、2040年時点の歯科医師供給推計を公表しています。本記事はそのマクロ予測の「構造的背景」となる年齢構成データを補完するものです。マクロな需給ギャップの詳細は別動画「歯科医師需給ギャップ2040」(2026年5月22日公開)をご参照ください。

2033年に何が起きるか — シナリオまとめ

公式値と推計を整理すると、2033年頃の歯科医師市場は次のような構造変化が起きている可能性があります。

  • 現在60歳以上の歯科医師36,945人が全員69歳以上(うち約4割は80歳以上)に達し、引退期を迎える(公式値ベース)
  • 年間1,800人前後の新規参入では、引退ペース次第で総数の純減が続く可能性(推計)
  • 担い手の顔ぶれが大きく変わり、女性比率が上昇していく(次章で解説)
  • 「歯科医師は余っている」という従来の言説の根拠とは、真逆の構造に向かう可能性

これは、現時点で受験を考えている方々にとって極めて重要な変化です。


世代交代後の担い手:若手5.9%・女性化という変化

世代交代後の歯科医師業界は、誰が担うのか。データから読み取れる2つの特徴を整理します。

若手は5.9% — 全年齢層で最少

29歳以下の歯科医師は 5,943人・全体の5.9%。これは全6つの年齢階級の中で、最も少ない構成比です。令和4年と比べてもマイナス20人とほぼ横ばいで、新規参入が大きく増える兆しは見えません。

絶対数として「若手歯科医師が少ない」という現実は、今後10〜20年の業界の担い手構造を考える上で見逃せない事実です。

女性比率の急上昇

区分女性比率
医療施設従事者全体27.0%(R4比 +1.2pt)
29歳以下48.8%
30〜39歳39.2%
50〜59歳25.7%
60〜69歳16.3%

29歳以下に限ると、女性比率は 48.8%。ほぼ男女同数になっています。一方で60代の女性比率は16.3%。世代によって、これほど男女比が違うのです。

今の60代が引退し、現在の20代が中核を担う2030年代後半から2040年代には、女性歯科医師が業界の主力となっている可能性が高いと考えられます。

働き方の変化と実質供給量

女性歯科医師の急増は、業界の働き方とも連動します。産休・育休・時短勤務といった働き方が普及すれば、業界全体の実質的な供給量も変化します。これは歯科医師の絶対数だけでは測れない、構造的な変化です。

保護者の方への補足: お子さんが歯科医師として活躍する2030年代から40年代の職場環境は、今とはまったく違う世界になっている可能性があります。女性歯科医師が主力で、働き方改革が進み、開業スタイルも多様化している。今の業界常識を前提にした大学選びでは不十分かもしれません。


世代交代と「早いスタート」の価値 — 大学選びの基準

ここまで見てきたとおり、2033年の歯科医師市場は世代交代で椅子が空く有望な市場になる可能性があります。では、これから歯学部を目指す受験生・保護者は、何を基準に大学を選べばよいのでしょうか。

1年でも早く市場参入できることの戦略的優位

世代交代が加速する時期に、1年でも早く市場に立てるかどうかは、変化する市場の恩恵を1年早く受けられるかどうかに直結します。

引退する世代が多い時期に新規参入できるということは、勤務先の選択肢、承継開業のチャンス、後継者を求める医院との出会いといった機会を、1年でも早く手にできるということです。逆に1年遅れれば、世代交代の恩恵を受け始めるタイミングも1年ずれていきます。

これは不安を煽る話ではなく、有望な市場の入口に最速で立つための話です。 ただし、そのチャンスを最大限に活かすには、6年で確実に卒業できる大学を選ぶことが前提になります。

大学選びの基準を「偏差値」から「ストレート合格率」へ

歯学部の大学選びにおいて、本チャンネルが最も重要な指標としているのが ストレート合格率(正式名称:修業年限内合格率) です。これは、入学者のうち6年で卒業し歯科医師国家試験に合格できた割合を示す指標で、文部科学省と各大学が公表するデータから計算できます。

私立15大学(東京歯科大学・昭和医科大学〈旧昭和大学・2025年4月改称〉を除く)の平均は 42.13%(第118回歯科医師国家試験ベースの参考値)。つまり、私立歯学部の入学者のうち約6割が、6年で卒業・国家試験合格に至っていないという現実があります。

大学別のストレート合格率・留年率・学費の詳細比較は私立歯科大学29校 修学状況まとめ、なぜ「合格率90%」を鵜呑みにしてはいけないのかは合格率90%のからくり|数字に隠された問題をご覧ください。

入学後の継続的な学習も計画に含める

大学選びだけでは終わりません。入学後の6年間、低学年からしっかり学習習慣を身につけ、各学年を着実に進級していくことが、ストレート合格への最短ルートです。

歯学部の学費は決して安くありません。だからこそ、入った大学で6年間どう学ぶかまで含めて、計画的に取り組む必要があります。学費が何年で回収できるかについての詳細は歯科医師の年収 — 学費は何年で回収できるかで解説しています。

大学選びと、入学後の学習。この2つを同時に計画することが、世代交代で椅子が空く2033年以降の有望な市場に最速で立つための、最も確実な道です。


まとめ — 2033年市場を見据えた大学選びのポイント

本記事で見てきた事実と推計を、2点の行動指針に整理します。

  1. 市場は地域で大きく違うことを理解すること。 歯科医師の地域偏在は、二次医療圏単位の偏在指標(需要量補正済み)で見ると最大/最小比が9.5倍に達します(区中央部265.5 vs 下北地域〔青森県〕28.0・厚労省WG令和8年3月公表)。「歯科医師が余っている」という言説は全国一律に当てはまるわけではなく、地域ごとに需給構造は大きく異なります。詳細は別動画「歯科医師需給ギャップ2040」(2026年5月22日公開)をご参照ください。
  2. 2033年の市場を見据えた大学選びをすること。 「歯科医師は余っている」という従来の常識は、年齢構造データから見るとアップデートが必要です。60歳以上が36.8%、平均年齢55.2歳という現実から、2033年に向けて世代交代が加速する可能性があります。その有望な市場の入口に6年で確実に立てるかどうかを決めるのが、ストレート合格率(私立15大学平均42.13%)という指標です。この数字を軸に大学を比較し、低学年からしっかり学習習慣を身につけ着実に進級することが、世代交代の機会を最速で手にする道です。

低学年からしっかり学習習慣を身につけ、6年で着実に進級・国家試験合格すれば、ストレート合格は十分に達成可能です。そして2033年以降の世代交代で椅子が空く有望な市場に、最速で立つことができます。「歯科医師は余っている」という古い常識ではなく、データが示す未来像と冷静な準備で、歯学部受験に臨んでください。

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動画

  • 歯科医師需給ギャップ2040 — 国試合格者1,757人の意味と未来(2026/5/22公開) → 動画を見る
  • 歯学部の学費2,700万円は15年で回収できる|税引後まで計算してみた(2026/5/29公開) → 動画を見る
  • 私立歯科大学29校 修学状況まとめ|ストレート合格率・留年率・学費(2026/6/5公開) → チャンネルへ

ブログ記事


よくある質問(FAQ)

Q1:歯科医師の平均年齢は今後も上がり続けますか?

2024年時点で55.2歳。直近8年間(2016〜2024年)で +2.3歳上昇しています。現在のペースが続けば2033年頃には57〜58歳台になる可能性があります(推計・公式値ではありません)。若手(29歳以下)の絶対数が少ない(5.9%)ことから、短期的には上昇が続く可能性が高いと考えられます。

Q2:歯科医院の数は今後どうなりますか?

本記事の年齢構造統計からは、歯科医院数の将来予測は導出できません(データなし)。院長の高齢化・後継者問題・廃業・継承開業など複合的な要因があり、公式な予測データも現時点では公表されていません。

Q3:「歯科医師が足りなくなる」と「余っている」のどちらが正しいですか?

単純にどちらとは言えません。分野・地域によって需給は大きく異なります。詳細は別動画「歯科医師需給ギャップ2040」(2026年5月22日公開)をご参照ください。本記事は「年齢構造の現実」にフォーカスしており、需給の総量予測は別テーマとして扱っています。

Q4:歯学部を選ぶときに年齢構造データはどう活用すればいいですか?

直接の活用というよりは、「6年で確実に卒業・国家試験合格できる大学を選ぶ」という基準に集約されます。ストレート合格率が指標です。大学別の詳細は私立歯科大学29校 修学状況まとめをご覧ください。

Q5:2033年を「世代交代の転換点」と言える根拠は?

2024年時点の60歳以上36,945人が、9年後(2033年)には全員69歳以上(うち約4割は2024年時点で既に70歳以上=2033年に79歳以上)に達するという公式値ベースの計算が根拠です。ただし「その世代の大半が引退するか」は個人差があり公式データもないため、断言はできません。「世代交代の転換点」という表現はあくまで推計ベースのシナリオです。


出典・参考データ

  • 厚生労働省「令和6年(2024年) 医師・歯科医師・薬剤師統計」(2025年12月23日公表)
    https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/24/index.html
  • 厚生労働省「医師・歯科医師・薬剤師統計」過去回(平成28年・平成30年・令和2年・令和4年)
  • 文部科学省・各大学公表データ(ストレート合格率算出用)
  • 厚生労働省「第118回・第119回 歯科医師国家試験 結果」

※ 本記事中の「2033年世代交代規模」「純減ポテンシャル約6,000〜9,700人規模(概算)」「平均年齢57〜58歳」「相当数の高齢院長」等の表現は、当チャンネル独自の推計・試算であり、公式の予測値ではありません。算出前提:現60歳以上36,945人のうち6〜7割(約22,200〜25,860人)が9年後の2033年までに引退期に到達するシナリオ、新規参入9年合計約16,200人(第119回歯科医師国家試験合格者1,757人ベース・年間1,800人前後×9年・新規参入者全員が医療施設に従事するわけではない)。引退ペース・新規参入数等の前提条件によって結果は変動します。
※ 私立15大学平均ストレート合格率42.13%は第118回歯科医師国家試験ベースの参考値です。最新の合格率データは公式発表をご確認ください。

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歯学部受験情報館を運営しているシカラボです。 教育機関で10年以上、歯学部に関するデータを扱ってきました。 入学者ベースのストレート合格率・留年率・退学率など、見落とされやすい指標を、 厚生労働省・文部科学省・各大学公式サイトの一次資料から継続的に分析しています。
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