鶴見歯科大学の現実|6年で卒業できる学生の割合と留年事情【2026年1月更新】
本記事では、日本大学(東京)が公開している「修学状況に関する情報」の内容について解説します。「修学状況に関する情報」の概要については、「偏差値だけじゃわからない歯学部選び|教育の質をデータで比較!大学の「中身」徹底解説」という記事で詳しく解説していますので、まだご覧になっていない方は、そちらを先にご確認ください。
本記事の内容は、鶴見大学公式サイトの修学状況ページに掲載されている情報を参考にしています。
鶴見大学の進級者数からみえる留年率

まずは鶴見大学の各年度における入学者数と進級状況を確認していこう。
鶴見大学の各年度における入学者数と進級者数
以下の表は、各年度の新入生が留年や休学をせず、ストレートで各学年へ進級した人数を示したものです。

1. 平成30年度〜令和2年度入学者:卒業・国試までの道のり
- 平成30年度(67名入学): 2年次への進級時に12名が減少(進級率82.1%)し、最終的にストレートで卒業したのは18名、国家試験に現役合格したのは16名でした。入学時の人数から換算すると、ストレート国試合格率は23.9%となります。
- 令和元年度(84名入学): 6年次までストレートで到達したのは39名です。平成30年度と比較すると、合格者数は28名(合格率33.3%)まで上昇しており、改善の兆しが見て取れます。
- 令和2年度(69名入学): 2年次進級者は42名でしたが、6年次進級時点では20名まで絞り込まれています(ストレート進級率 29.0%)。1年次から6年次にかけて、ストレート進級者が大きく絞り込まれている状況です。
2. 令和3年度〜令和4年度入学者:中間年次の進級状況
- 令和3年度(48名入学): 2年次進級時点で34名(進級率70.8%)となりましたが、その後の3年次・4年次・5年次への進級は比較的順調に推移しています。
- 令和4年度(56名入学): 2年次への進級時に18名が減少しましたが、3年次から4年次にかけてはほぼ全員が順調に進級しています。
3. 近年の動向(令和5年度〜令和7年度)
- 令和5年度(48名入学): 2年次進級37名、3年次進級32名と、過去の年度に比べて一定の進級率を維持しています。
- 令和6年度(51名入学): この年度は2年次への進級者が34名となりました。1年次の留年率が33%と高水準にあるため、初動の学習習慣が鍵となっています。
- 令和7年度(59名入学): 今年度の新1年生は59名となり、前年度から微増しています。早期から専門科目が始まるカリキュラムに対し、どのような進級状況を見せるか注目されます。
鶴見大学の各年度における留年率
次に、学年ごとの留年率を分析し、どの年次に「進級の壁」が存在するのかを明らかにします。
以下の表は、学年進行に伴いどの程度の割合で留年が発生したかをまとめたものです。最下段には、令和7年5月時点での「ストレート進級者」の割合を示しています

1年次に立ちはだかる「最大の関門」
鶴見大学において、最も特筆すべきは1年次の留年率の高さです。
- 鶴見大学 1年次平均:28.0%
- 私立大学 1年次平均:14.0%
特に令和2年度は39%、令和6年度も33%と、およそ3人に1人が1年次で足止めされています。
この背景をカリキュラム面から考察します。鶴見大学では、1年次から「組織学」や「解剖学」といった、歯科医師教育の根幹をなす基礎専門科目が本格的にスタートします。入学直後の段階で、専門知識の習得に躓いてしまう学生が多いことが、この高い留年率に直結しているのかもしれません。
中間学年とCBT(4年次)の状況
2年次、3年次の留年率は私立平均を下回る年もあり、比較的安定しています。しかし、4年次になると再び留年率が11%(平均8%)へと上昇します。これは、5年次からの臨床実習に進むための共用試験「CBT」において、少し苦戦している学生が多い印象を受けます。
鶴見大学のストレート卒業率およびストレート国家試験合格率

次に、入学した学生が留年することなく修業年限(6年間)で卒業し、さらにその年の国家試験に現役合格した割合を詳しく見てみよう。

直近の卒業・合格実績
データが揃っている直近の2か年を比較すると、ストレートで卒業・合格までたどり着く学生の割合は、上昇しています。
平成30年度入学者(67名入学)
- ストレート卒業:18名(27%)
- ストレート国家試験合格:16名(24%)
令和元年度入学者(84名入学)
- ストレート卒業:36名(43%)
- ストレート国家試験合格:28名(33%)
全国29歯学部のストレート合格率の過去3カ年平均

ストレートでの国家試験合格率の数値がかなり低いと感じたよね。ここで、文部科学省が取りまとめた全国29歯学部のストレート合格率の過去3カ年平均の資料を確認してみよう。

この資料によると、国公立大学を含む全国平均のストレート合格率は53.6%であり、歯学部でストレート進級・合格を達成することが容易ではないことが分かります。一般に、国公立大学と比べて相対的に学力分布が低めの学生が入学する傾向のある私立大学の歯学部では、ストレート合格率が3カ年平均で50%を超えるのは4校にとどまります。ストレート合格率の数値を見る際には、こうした全国的な基準も念頭に置いておきましょう。
文部科学省も重要指標として公表を進めている「修業年限内の国家試験合格率」(いわゆるストレート合格率)は、入学後に留年せず修業年限内で進級した学生が、初回の国家試験に合格する割合を指します。したがって、ストレート合格率を高めるには、ストレート進級者の割合を高い水準で維持することが重要です。
鶴見大学のストレート合格率の推移
「教育の質」を測るうえで欠かせないのが、国家試験のストレート合格率の推移です。

乱高下を繰り返した過去と、近年の改善傾向
過去の推移を振り返ると、本学の順位は年度によって非常に大きな幅があります。
過去の動向
第110回、第114回、および第117回では17校中17位(最下位)を記録する一方、第111回や第113回では14位と、下位圏内での変動が激しい傾向が見られました。
近年の推移
直近の第118回に注目すると、15位へと順位を上げています。合格率の数字は依然として私立平均(約45%)には届きませんが、近年の教育改革が一定の成果を出し始めている兆しとも取れます。
今後の展望:中位安定への課題
文部科学省が重視する「ストレート合格率」を高めるためには、いうまでもなく、これまでに見てきた「ストレート進級率(留年せずに卒業する割合)」を高い水準で維持することが不可欠です。
現在のデータから推計すると、鶴見大学において6年次までストレートで進級できる割合は、年度により20%台から40%台となっています。特に1年次の「進級のハードル」が高い水準で維持される限り、全国的な順位も急激な上昇というよりは、当面は『最下位圏からの脱却と、中位への定着』を模索していく段階にあると言えるでしょう。
受験生としては、大学側が求める1年次からの高い学習基準を一つひとつ着実にクリアしていくことが、現役合格への最も確実な近道となるでしょう。
しかし、最新の第118回試験では、ストレート合格率33.3%を記録し、順位を15位まで浮上させています。依然として私立平均(約45%)には届きませんが、近年の教育改革が一定の成果を出し始めている兆しとも取れます。
鶴見大学の卒業留年率
最後に、6年生の卒業判定の厳しさを表す「卒業留年率」を確認します。

私立大学平均との比較
令和5年度の卒業留年率は38%と極めて高く、6年生の4割近くが卒業試験等で足止めされていました。しかし、最新の令和6年度では24%まで劇的に低下しています。 私立平均が23%であることを考えると、ようやく全国標準並みのハードルに落ち着いてきたと言えます。出口での過度な絞り込みが緩和されたことは、在学生にとっても受験生にとっても、精神的な不安を軽減するポジティブな変化です。
鶴見大学の修学状況まとめ
本分析のポイント
- 1年次の極めて高いハードル: 私立大学平均(14%)の2倍となる「平均28%」の1年次留年率は、全国的にも異例の数値です。1年次から組織学や解剖学などの「基礎専門科目」が課されるカリキュラムが、最初の大きな関門となっています。
- 卒業留年率の減少: 令和5年度は38%台と非常に高かった卒業留年率が、直近の令和6年度では24%まで低下しました。全国平均(23%)と同水準まで改善しています。
- 国試合格実績の回復: 過去には私立大学内で最下位(17位)を複数回経験するなど苦しい時期もありましたが、直近の第118回試験では15位まで順位を戻しています。
受験生へのメッセージ
数値が示す通り、鶴見大学は入学直後から組織学や解剖学といった専門科目がスタートするため、早期からの学習習慣が非常に重要となる大学です。
しかし、これは鶴見大学に限ったことではありません。歯科医師国家試験の難化が続く現在、どの大学を選んだとしても、早い段階からコツコツと知識を積み上げていく姿勢は、歯科医師を目指す者にとって共通の必須条件といえます。
鶴見大学を志望する皆さんは、1年次のカリキュラムを「早くから専門的な学びに触れられる機会」と捉えてみてください。早い段階から着実に準備を進めることこそが、結果として6年後の現役合格への最短距離となります。
国家試験合格という大きな目標に向かって、一歩ずつ、共に頑張っていきましょう。

