日本大学松戸歯学部のストレート合格率と「進級の壁」を徹底分析【2026年3月更新】
歯科医師国家試験の合格発表。各大学が公表する「新卒合格率」には、受験生や保護者が直視すべき残酷な罠が隠されています。
卒業試験を突破し、国家試験を受験できた「生存者」のみを集計した数字は、入学した学生の何割が、実際にストレートで歯科医師になれたのかという真実を語りません。
私は、入学者を分母とした「最低修業年限(6年)内での合格率」=ストレート合格率こそが、教育機関の質と誠実さを測る真実の指標であると考えています。
日本大学松戸歯学部は、私立歯学部の中でストレート合格率の振れ幅が極めて大きい大学です。第117回では51.3%を記録し私立17大学中3位に浮上したかと思えば、翌年の第118回では38.6%に急落して12位に沈むという、ジェットコースターのような推移を繰り返しています。この「不安定さ」の正体は何なのか。そして、入学後に待ち受ける進級の実態はどうなっているのか。
1年の留年は、単なる時間の浪費ではありません。「学費・生活費、そして歯科医師として得られたはずの1年間の逸失利益」を合算すれば、その損失額は1,500万円に達します。
当サイトでは、文部科学省および厚生労働省の一次資料及び各大学公式サイトに掲載されている情報に基づき、修学状況を徹底的に可視化しました。「修学状況に関する情報」の概要については、「偏差値だけじゃわからない歯学部選び|教育の質をデータで比較!大学の「中身」徹底解説」という記事で詳しく解説していますので、まだご覧になっていない方は、そちらを先にご確認ください。
日本大学松戸歯学部の進級者数からみえる留年率
各年度における入学者数と進級者数
まず、入学した学生たちが歯科医師国家試験の合格まで、どのように推移しているのか。その「進級の階段」を可視化しました。学年進行の際に留年や休学が発生すると数が減少する仕組みです。この表において、最も注目すべきは「数字が減少するタイミング」です。

※大学公式サイト公表の「修学状況に関する情報」より作成。学年進行の際に留年や休学が発生すると数が減少する。
日本大学松戸歯学部では、2年次進級時(1年生時)と3年次進級時(2年生時)に大きな「壁」が存在することが見て取れます。入学者数から2年次進級者数への減少(=1年生時の留年)、2年次から3年次への減少(=2年生時の留年)の両方で、大幅な脱落が発生しています。加えて、一部の年度では3年生時や4年生時にも大量の脱落が見られ、低学年の「二段階の壁」に加えて、年度によって中学年にも不規則に出現する壁という、予測困難な進級構造が浮かび上がります。
各年度における留年率:低学年に集中する「進級の壁」
次に、学年別の留年率を可視化します。留年率は、進級時に減少した学生数を入学時の人数で割った値です。右端に私立平均値を併記しました。

※留年率=(前学年人数−次学年進級者数)÷入学時の人数(小数点以下四捨五入)。私立平均値は各学年ごとにデータが存在する全コホート(2年次進級時:H30〜R6、3年次進級時:H30〜R5、…)の私立大学平均を同一の方法で算出。松本歯科大学は進級者数に編入学者が含まれているとみられるため平均の算出から除外。北海道医療大学・日本歯科大学・大阪歯科大学の一部欠損データも分母から除外。すべて各大学公式サイト公表の「修学状況に関する情報」のストレート進級データに基づく。
1. 平成30年度入学者:4年次進級時の壁が鮮明
すでに国家試験の結果まで出揃っている平成30年度入学者(115名)の場合、最大の脱落ポイントは4年次進級時(3年生時)の17%(19名脱落)です。2年次進級時(1年生時)の脱落は9%(10名)、3年次進級時(2年生時)は5%(6名)と比較的穏やかに推移した後、4年次進級時に一気に大量脱落が発生しています。5年次進級時(4年生時)は脱落ゼロという珍しいデータですが、6年次進級時(5年生時)で再び7%(8名)が脱落し、最終的に6年次に到達できたのは72名(62.6%)でした。
ストレート卒業率は63.5%、ストレート合格率は51.3%。入学者の半数近くが6年で歯科医師になれなかった計算ですが、この世代は日本大学松戸歯学部にとっては「良い方」の数字です。
2. 令和元年度入学者:3年次進級時と5年次進級時の「ダブルパンチ」
令和元年度入学者(114名)のデータは、日本大学松戸歯学部の進級構造が年度によって大きく変動することを如実に示しています。
2年次進級時(1年生時)の脱落は7名(6%)と穏やかでしたが、3年次進級時(2年生時)で23名(20%)が一気に脱落。入学者の5人に1人が2年生の時に留年しています。私立平均(12%)を大幅に上回る水準です。4年次進級時(3年生時)は5名(4%)と落ち着いたものの、5年次進級時(4年生時)で再び16名(14%)が脱落するという「ダブルパンチ」構造です。
最終的に6年次に到達できたのは入学者114名中60名(52.6%)に過ぎず、入学者の約半数がストレートでは6年次にたどり着けていません。ストレート合格率は38.6%と、平成30年度入学者から12.7ポイントも急落しています。
3. 令和2年度入学者:2年次進級時からの持続的な脱落
令和2年度入学者(116名)は、2年次進級時(1年生時)に16%(19名)が脱落するという厳しいスタートとなりました。私立平均(14%)をやや上回っています。その後も3年次進級時(2年生時)12%(14名)、4年次進級時(3年生時)10%(12名)、5年次進級時(4年生時)7%(8名)と毎年継続的に学生が脱落していくパターンです。6年次進級時はわずか1名の脱落にとどまり、6年次到達者は62名(53.4%)でした。
この世代の特徴は、特定の学年に集中的な「壁」があるのではなく、低学年から中学年にかけてじわじわと学生が削り取られていく構造にあります。
4. 令和3年度入学者:3年次進級時の壁と5年次進級時の再燃
令和3年度入学者(115名)では、2年次進級時(1年生時)に11%(13名)が脱落した後、3年次進級時(2年生時)にさらに13%(15名)が脱落しています。低学年2年間の合計で24%の脱落です。4年次進級時(3年生時)は比較的穏やかな4%(5名)でしたが、5年次進級時(4年生時)で再び10%(12名)が脱落しています。5年次にストレートで到達できたのは70名(60.9%)で、入学者の約4割がすでに脱落しています。
5. 令和4年度以降の入学者:2年次進級時の留年率が深刻
近年の入学者データで最も注目すべきは、2年次進級時(1年生時)の留年率の高さです。令和4年度入学者(127名)では19%(24名)と、入学者の約5人に1人が1年目で留年を余儀なくされています。私立平均(14%)を大きく上回る水準です。令和5年度(13%・17名)、令和6年度(13%・11名)も私立平均並みの高い水準が続いています。
日本大学松戸歯学部のカリキュラムでは、1年次から「歯の解剖学」など基礎専門科目が始まります。この早期専門化が、1年生時の留年率に影響している可能性があります。
なお、令和6年度の入学者数が86名と大幅に減少しているのは、入学定員128名に対して充足率67.2%と、大きな定員割れが発生したためです。
総括
日本大学松戸歯学部の進級構造を総括すると、「2年次進級時と3年次進級時に最も厚い壁があるが、脱落のパターンは年度によって大きく異なる」という不安定さが最大の特徴です。
各進級時の留年率平均を見ると、2年次進級時(1年生時)が12.5%、3年次進級時(2年生時)が10.9%と、低学年2年間の合計で入学者の2割以上が脱落する計算です。これらの数値は私立平均(14%、12%)に概ね近い水準ですが、年度によるばらつきが大きく、令和元年度入学者の3年次進級時20%や令和4年度入学者の2年次進級時19%のように、私立平均を大幅に上回る脱落が発生するケースが目立ちます。
4年次進級時以降は平均7〜8%と私立平均並みに落ち着きますが、令和元年度入学者の5年次進級時14%のように、特定の年度で突出した脱落が発生するケースもあります。
この不規則性こそが、ストレート合格率の大幅な変動(24.7%〜52.4%)の根本的な原因です。入学者にとっては「どの学年が危険か」を事前に予測することが困難であり、全学年を通じて油断できない環境にあると言えます。
1年の留年は1,500万円の損失を意味しますが、日本大学松戸歯学部のデータが示すのは、6年次到達率が53〜63%という現実です。入学した学生の4〜5割が、この損失を被る可能性があることを意味しています。
日本大学松戸歯学部のストレート卒業率およびストレート国家試験合格率
日本大学松戸歯学部の直近2年間の卒業・合格実績は以下の通りです。
| 項目 | 平成30年度入学者(第117回) | 令和元年度入学者(第118回) |
|---|---|---|
| 入学者数 | 115名 | 114名 |
| 6年での卒業者数 | 73名 | 58名 |
| ストレート卒業率 | 63.5% | 50.9% |
| ストレート合格者数 | 59名 | 44名 |
| ストレート合格率 | 51.3% | 38.6% |
※ストレート合格者数・合格率は文部科学省公表データに基づく。
1. ストレート卒業率:12.6ポイントの急落
ストレート卒業率とは、入学した学生が一度も留年・休学することなく、最短修業年限(6年)で卒業に至った割合です。
- 平成30年度入学者:63.5%(入学者115名/ストレート卒業者73名)
- 令和元年度入学者:50.9%(入学者114名/ストレート卒業者58名)
注目すべきは、この2年間で12.6ポイントもの差が生じている点です。平成30年度入学者は低学年での脱落が比較的少なく約6割がストレート卒業を達成しましたが、令和元年度入学者は3年次進級時と5年次進級時での「ダブルパンチ」により半数程度にとどまりました。年度によって進級の厳しさが大きく変動するという不安定さは、受験生にとって予測困難なリスク要因となります。
2. ストレート国家試験合格率:私立大学平均と比較して
入学者が最短6年で国家試験を突破できる確率である「ストレート国家試験合格率」を見ます。
- 平成30年度入学者(第117回):51.3%(合格者59名)
- 令和元年度入学者(第118回):38.6%(合格者44名)
第118回歯科医師国家試験における日本大学松戸歯学部のストレート合格率は38.6%です。私立15大学平均(東京歯科大学・昭和医科大学を除く)は42.1%であり、平均を3.5ポイント下回る水準に位置しています。
| 区分 | ストレート合格率(第118回) |
|---|---|
| 私立15大学平均 | 42.1% |
| 日本大学松戸歯学部 | 38.6% |
前年の第117回では51.3%と私立17大学中3位を記録していたにもかかわらず、第118回で12位に急落しました。ただし、この変動は日本大学松戸歯学部に限った現象ではありません。第118回の私立17大学ランキングを見ると、東京歯科大学・昭和医科大学の上位2校(75.0%・71.9%)と3位の愛知学院大学(63.9%)を除けば、4位から12位までの9校が38.6%〜51.9%の範囲にひしめく「団子状態」です。私立歯学部のストレート合格率は、上位2〜3校を除けば僅差の争いであり、わずかな変動で順位が大きく入れ替わる構造にあります。日本大学松戸歯学部の「3位→12位」という順位変動も、この団子状態を背景に理解する必要があります。
3. 「生存者バイアス」の罠:新卒合格率61.0%の裏側
厚労省発表の日本大学松戸歯学部における第118回「新卒合格率」は61.0%(合格者50名/受験者82名)です。しかし、入学者を分母とした「ストレート合格率」は38.6%に留まります。
この22.4ポイントもの乖離は、6年間の修学過程で留年・休学を余儀なくされた学生、あるいは卒業試験を突破できず国家試験の受験票を手にできなかった学生が、分母から「除外」されているために生じます。
さらに深刻なのは、第118回における6年次在籍者104名のうち、卒業できたのは82名で、22名(21.2%)が6年次で卒業試験を突破できなかったという事実です。新卒合格率の分母は、この卒業試験を生き延びた学生だけで構成されています。
歯科医学教育における1年の停滞は、「学費500万円+生活費200万円+機会損失(初年度年収)800万円=計1,500万円」の損失に直結します。入学者の61.4%が、この莫大な代償を支払いながら苦闘している現実を直視する必要があります。
4. ストレート卒業者の国家試験合格率
平成30年度入学者のデータでは、ストレート卒業者73名のうち59名が国家試験に合格しており、ストレート卒業者の合格率は80.8%です。一方、令和元年度入学者では、ストレート卒業者58名のうち44名が合格し、合格率は75.9%です。
全国29歯学部のストレート合格率の過去3カ年平均

この資料によると、国公立大学を含む全国平均のストレート合格率は53.6%であり、歯学部でストレート進級・合格を達成することが容易ではないことが分かります。一般に、国公立大学と比べて相対的に学力分布が低めの学生が入学する傾向のある私立大学の歯学部では、ストレート合格率が3カ年平均で50%を超えるのは4校にとどまります。ストレート合格率の数値を見る際には、こうした全国的な基準も念頭に置いておきましょう。
文部科学省も重要指標として公表を進めている「修業年限内の国家試験合格率」(いわゆるストレート合格率)は、入学後に留年せず修業年限内で進級した学生が、初回の国家試験に合格する割合を指します。したがって、ストレート合格率を高めるには、ストレート進級者の割合を高い水準で維持することが重要です。
日本大学松戸歯学部のストレート合格率の推移
日本大学松戸歯学部の過去10年間(第109回〜第118回)におけるストレート合格率の推移は以下の通りです。当サイトの分析では、比較対象として「私立15大学平均」を用いています。これは、私立の中で突出した合格率を誇る東京歯科大学と昭和医科大学の2校を除いた平均値です。この2校は出口の成績が別格であり、平均に含めると他の大学の教育努力や実態が見えにくくなるため、あえて除外して分析を行っています。
第109回〜第118回:ストレート合格率と私立15大学平均との比較

※本表のデータは文部科学省公表の一次資料に基づく。
日本大学松戸歯学部のストレート合格率の最大の特徴は、「好調と不調を交互に繰り返す、極端な振れ幅」です。
第109回の24.7%から始まり、第112回に43.4%まで回復した後、第114回に52.4%のピークを記録。ところが翌年の第115回では30.7%まで急落し、第116回も37.0%と低迷。再び第117回で51.3%に返り咲いたかと思えば、第118回では38.6%に沈むという、「2年周期の上下動」とも言えるパターンを繰り返しています。
私立15大学平均との比較では、10回中7回で平均を下回っています。平均を上回ったのは第113回(+3.2ポイント)、第114回(+8.7ポイント)、第117回(+11.1ポイント)の3回のみです。「良い年」には大きく平均を超える力がある一方で、「悪い年」には平均を大幅に下回るという、好不調の差が極端に出る大学です。
この振れ幅は私立歯学部の中でも突出しており、50%超を達成した年度は第114回と第117回のわずか2回のみ。安定的に40%台を維持することすら容易ではない状況です。
日本大学松戸歯学部 ストレート合格率:私立17大学内順位推移

この順位推移は、日本大学松戸歯学部の「不安定さ」を端的に物語っています。
第117回での私立17大学中3位(51.3%)は、同学部の歴史において画期的な成果です。しかし、翌年に12位まで後退するという振れ幅の大きさは、この好成績が構造的な改善ではなく、特定の年度に依存したものである可能性を示唆しています。
ただし前述の通り、私立歯学部のストレート合格率は上位2〜3校を除けば団子状態であり、わずかな変動で順位が大きく入れ替わります。順位の変動幅ほどには実力差が大きくないケースもある点は考慮すべきです。
第109回で16位だった時代と比較すれば、全体的な水準は上がっていることは間違いありません。しかし、上位定着には程遠く、「良い年」と「悪い年」が交互に訪れるという構造は10年間を通じて一貫しています。
日本大学松戸歯学部の6年次在籍者と卒業留年率
国家試験の前段階として立ちはだかる最大の壁が「卒業試験」です。日本大学松戸歯学部の直近2年間の6年次在籍者数、および卒業に至らなかった学生の割合(卒業留年率)は以下の通りです。
| 項目 | 令和5年度(第117回) | 令和6年度(第118回) |
|---|---|---|
| 6年次在籍者数 | 141名 | 104名 |
| 卒業者数 | 123名 | 82名 |
| 卒業留年者数 | 18名 | 22名 |
| 卒業留年率 | 12.8% | 21.2% |
| 私立17大学平均 卒業留年率 | 23.5% | 21.2%(※) |
※データ出典:各大学公式サイト公表の「修学状況に関する情報」より算出。私立17大学平均は当サイトによる機関調査に基づく推計値。
1. 卒業試験のハードル:私立平均並みだが上昇傾向
日本大学松戸歯学部における卒業留年率は、令和5年度が12.8%、令和6年度が21.2%と、2年間で8.4ポイント上昇しています。令和5年度は私立17大学平均(23.5%)を大きく下回る好成績でしたが、令和6年度はちょうど私立平均と同水準にまで上昇しました。
卒業留年率12.8%という数字は、私立歯学部の中ではかなり低い水準であり、6年次に到達した学生の大多数が卒業試験を突破できていたことを意味します。しかし、令和6年度に21.2%へと急上昇したことは、卒業判定の基準が厳格化された可能性、あるいは6年次在籍者の学力構成が変化した可能性を示唆しています。
2. 第119回国家試験における衝撃的なデータ
最新の第119回歯科医師国家試験のデータは、日本大学松戸歯学部の課題をさらに浮き彫りにしています。
| 項目 | 第119回 |
|---|---|
| 新卒出願者 | 116名 |
| 新卒受験者 | 71名 |
| 新卒合格者 | 34名 |
| 新卒合格率 | 47.9% |
| 既卒受験者 | 87名 |
| 既卒合格者 | 23名 |
| 既卒合格率 | 26.4% |
新卒出願者116名に対し、実際に受験できたのは71名。45名(38.8%)が出願したにもかかわらず受験に至っていません。これは、卒業試験で不合格となった学生を含む数字であり、出口の選別が極めて厳格であることを示しています。
新卒合格率も47.9%と前年の61.0%から大幅に低下しています。さらに深刻なのは、既卒合格率26.4%(87名中23名)という数字です。一度留年や国試浪人を経験すると合格率が大幅に低下する構造は、全国的な傾向ではありますが、日本大学松戸歯学部では既卒の母数が多いだけに、その影響はより深刻です。
日本大学松戸歯学部の学費
教育内容と並んで重要な判断材料が、学費です。日本大学松戸歯学部の2026年度学費は以下の通りです。
通常学費
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 入学金 | 600,000円 |
| 1年次 | 6,300,000円 |
| 2年次 | 5,300,000円 |
| 3年次 | 4,300,000円 |
| 4年次 | 4,300,000円 |
| 5年次 | 4,300,000円 |
| 6年次 | 4,300,000円 |
| 6年間合計 | 29,400,000円 |
6年間の通常学費は2,940万円。私立歯学部の中では中〜上位の水準に位置しています。特に1年次の学費が630万円と高額であり、入学金と合わせると初年度の負担は大きくなります。
特待生制度(学費減免)
日本大学松戸歯学部には、1年次の学費が200万円減免される制度があります(2026年度入試時点の情報)。
| 制度 | 6年間合計 | 概要 |
|---|---|---|
| 学費減免 | 27,400,000円 | 1年次のみ200万円減免 |
通常学費2,940万円に対し、減免後は2,740万円。減免額は6年間で200万円にとどまり、奥羽大学の全額免除(6年間50万円)や他大学の大幅減免制度と比較すると、経済的インパクトは限定的です。
※学費減免制度の内容は変更される場合があります。最新の情報は日本大学松戸歯学部公式サイトでご確認ください。
日本大学松戸歯学部の入試状況
入試状況の推移
| 年度 | 定員 | 志願者 | 入学者 | 充足率 |
|---|---|---|---|---|
| 平成30年度 | 115 | 592 | 115 | 100.0% |
| 令和元年度 | 115 | 592 | 114 | 99.1% |
| 令和2年度 | 115 | 467 | 116 | 100.9% |
| 令和3年度 | 115 | 380 | 115 | 100.0% |
| 令和4年度 | 128 | 514 | 127 | 99.2% |
| 令和5年度 | 128 | 509 | 128 | 100.0% |
| 令和6年度 | 128 | 443 | 86 | 67.2% |
| 令和7年度 | 128 | 503 | 115 | 89.8% |
日本大学松戸歯学部は、令和4年度に入学定員を115名から128名に増員しました。令和5年度までは定員をほぼ充足できていましたが、令和6年度に充足率67.2%と大幅な定員割れが発生しています。令和7年度は89.8%にやや回復したものの、定員を満たすには至っていません。
志願者数は令和3年度の380名を底に回復傾向にありますが、定員増(115→128名)により充足率の維持が課題となっています。
日本大学松戸歯学部の修学状況まとめ
日本大学松戸歯学部の修学状況および国家試験実績をデータで紐解くと、「ポテンシャルの高さ」と「安定性の欠如」という二つの顔が浮かび上がります。
今回のデータ分析から導き出された核心的な事実は、以下の3点です。
1. 「ジェットコースター型」のストレート合格率:3位と12位を行き来する不安定さ
日本大学松戸歯学部のストレート合格率は、第117回で51.3%(私立17大学中3位)を記録した翌年に、第118回で38.6%(12位)に後退しています。過去10年間を見ても、50%超を達成したのは第114回(52.4%・6位)と第117回のわずか2回。30%を下回った年度も2回(第109回:24.7%、第111回:27.4%)あり、「良い年」と「悪い年」が交互に訪れる構造です。
ただし、私立歯学部のストレート合格率は上位2校を除けば団子状態にあり、順位の変動幅ほどには実力差が大きくないケースもあります。とはいえ、私立15大学平均を上回ったのが10回中3回にとどまるという事実は、改善の余地が大きいことを示しています。
この不安定さは、進級における脱落パターンが年度によって大きく異なることに起因しています。ある年度は2年生時に大量脱落、別の年度は3年生時に壁が出現、さらに別の年度は4年生時で急落と、脱落のタイミングが予測不能であることが最大の特徴です。
2. 低学年に集中する「二段階の壁」
日本大学松戸歯学部の進級データを学年別に平均すると、2年次進級時(1年生時)の留年率が12.5%、3年次進級時(2年生時)が10.9%と、低学年2年間だけで入学者の2割以上が脱落しています。4年次進級時以降は平均7〜8%と私立平均並みにやや落ち着きますが、年度によっては中学年でも大きな壁が出現します。
6年次到達率は53〜63%にとどまり、入学者の4〜5割がストレートでは6年次にたどり着けないのが実態です。
3. 卒業試験の厳格化傾向と第119回の厳しい結果
卒業留年率は令和5年度の12.8%から令和6年度の21.2%に上昇し、出口の選別が厳しくなりつつあります。さらに第119回では、新卒出願者116名のうち受験できたのは71名(38.8%が出願後脱落)で、新卒合格率も47.9%にとどまりました。既卒合格率は26.4%と低迷しており、一度レールから外れた場合の回復の困難さが数字に表れています。
学費の現実とリスクの天秤
6年間の通常学費は2,940万円と私立歯学部の中でも高めの水準であり、特待生制度による減免も200万円と限定的です。ストレート合格率が38〜52%の範囲で変動する現実を踏まえると、留年した場合の追加学費と機会損失を含めたトータルコストを冷静に計算する必要があります。
本サイトでは、1年の留年は「学費・生活費・機会損失を合わせた1,500万円の損失」であると定義しています。
日本大学松戸歯学部は、「日本大学」のブランド力と首都圏(千葉県松戸市)の立地という強みを持つ一方で、ストレート合格率の不安定さという構造的な課題を抱えています。第117回で見せた私立3位のポテンシャルは確かに存在しますが、翌年に12位に後退するという現実は、その成果が持続的なものではないことを物語っています。
「新卒合格率」という生存者バイアスのかかった数字に惑わされてはいけません。
しかし、データは同時にもう一つの事実も示しています。ストレートで卒業できた学生の国家試験合格率は75〜81%に達しており、低学年からしっかりと学習習慣を身につけ、着実に進級を重ねていけば、歯科医師国家試験にストレートで合格できる力は十分に身につくはずです。

