全国29歯学部の進級・留年実態を比較!学生のつまずきどころをデータで読み解く

歯学部入学後、無事に進級・卒業して国家試験に合格できるのか――これは多くの受験生や保護者が気になるポイントではないでしょうか。一般的には偏差値や国家試験の合格率をチェックすることが多いですが、その間の「進級の状況」まで確認している方は意外と少ないかもしれません。
当ブログでは、入学後の留年などが影響する「標準修業年限内の国家試験合格率」が、新卒合格率と比べて厳しい数字となっている点について、これまでも取り上げてきました。では、実際に学生はどれくらい留年しているのでしょうか?
今回は、この疑問に答えるため、文部科学省のホームページで公開されている情報をもとに、全国29の歯学部について、大学ごとに進級や留年の傾向をデータで比較しています。志望校が他大学と比較してどのような状況にあるのか、ぜひご確認ください。
本記事では、文部科学省のホームページで公開されている「各大学の歯学部歯学科の入学状況及び国家試験結果等」のデータをもとに情報をまとめています。
(出典:各大学の歯学部歯学科の入学状況及び国家試験結果等)
国公立大学の留年・休学者の割合(R6)
在籍学生総数に占める留年・休学者の割合(国公立)


まずは国公立大学について見てみよう。平均すると、大学に在籍している1~6年生の学生のうち、だいたい15%くらいが、どこかの学年で留年を経験しているみたいだね。次に、学年ごとにどんな状況か、もう少し詳しく見てみようか。
各学年の学生に占める留年・休学者の割合(国公立)
大学名 | 1年次 | 2年次 | 3年次 | 4年次 | 5年次 | 6年次 |
---|---|---|---|---|---|---|
北海道大学 | 0.0 | 12.7 | 10.9 | 14.8 | 9.5 | 9.8 |
東北大学 | 1.9 | 28.1 | 14.5 | 18.5 | 26.5 | 17.0 |
東京科学大学 | 5.5 | 10.3 | 21.7 | 12.8 | 18.5 | 12.2 |
新潟大学 | 4.8 | 10.4 | 16.3 | 15.6 | 15.0 | 16.0 |
大阪大学 | 1.9 | 15.9 | 14.0 | 19.7 | 28.0 | 21.6 |
岡山大学 | 5.9 | 15.3 | 5.9 | 10.2 | 12.7 | 10.2 |
広島大学 | 3.6 | 13.8 | 9.8 | 10.4 | 12.7 | 10.4 |
徳島大学 | 2.4 | 0.0 | 7.3 | 5.3 | 13.6 | 14.3 |
九州大学 | 10.2 | 30.4 | 40.6 | 35.4 | 31.0 | 39.6 |
長崎大学 | 2.0 | 11.1 | 15.4 | 16.7 | 16.7 | 27.8 |
鹿児島大学 | 7.0 | 9.3 | 10.0 | 25.0 | 20.9 | 4.7 |
九州歯科大学 | 3.1 | 11.4 | 9.6 | 21.5 | 13.4 | 17.0 |

留年や休学を経験した学生の割合が20%を超えているところには色をつけてあるよ。九州大学は、他の大学と比べると、どの学年でも留年している学生の割合が多くて、特に2年生で苦労している学生が多いみたいだね。一方で、学年が上がるにつれて留年や休学をしたことがある学生の割合は少しずつ増えていくけど、全体的には20%未満におさまっているから、比較的スムーズに進級できている学生が多い印象だよ。
私立大学の留年・休学者の割合(R6)
在籍学生総数に占める留年・休学者の割合(私立)


次に、私立大学について見てみよう。東京歯科大学、昭和医科大学、大阪歯科大学は、留年や休学を経験した学生の割合が10%台で、国公立大学と同じくらいの水準だね。その一方で、30%を超えている大学も9校あって、勉強などで苦戦している学生が多いのかもしれないね。
各学年の学生に占める留年・休学者の割合(私立)
大学名 | 1年次 | 2年次 | 3年次 | 4年次 | 5年次 | 6年次 |
---|---|---|---|---|---|---|
北海道医療大学 | 14.0 | 20.5 | 28.0 | 50.0 | 24.1 | 37.1 |
岩手医科大学 | 15.2 | 30.6 | 33.3 | 37.8 | 35.2 | 56.5 |
奥羽大学 | 13.3 | 33.3 | 36.2 | 47.1 | 31.5 | 49.3 |
明海大学 | 9.7 | 22.0 | 41.3 | 47.1 | 56.4 | 52.7 |
東京歯科大学 | 3.8 | 10.2 | 12.3 | 20.6 | 18.9 | 27.8 |
昭和医科大学 | 2.0 | 9.5 | 18.3 | 16.5 | 17.4 | 20.6 |
日本大学 | 17.9 | 24.3 | 35.7 | 43.5 | 44.3 | 47.2 |
日本大学(松戸) | 20.4 | 16.4 | 18.3 | 39.9 | 42.0 | 40.8 |
日本歯科大学 | 14.1 | 22.1 | 29.5 | 26.3 | 31.4 | 42.8 |
日本歯科大学(新潟) | 1.9 | 24.6 | 34.3 | 39.2 | 41.2 | 53.3 |
神奈川歯科大学 | 16.7 | 12.0 | 21.9 | 34.1 | 35.4 | 56.1 |
鶴見大学 | 22.2 | 29.6 | 12.8 | 34.7 | 51.2 | 45.2 |
松本歯科大学 | 10.5 | 29.0 | 50.0 | 56.9 | 52.2 | 53.6 |
朝日大学 | 7.9 | 13.5 | 24.1 | 21.3 | 37.7 | 38.1 |
愛知学院大学 | 7.4 | 18.3 | 21.3 | 37.4 | 27.4 | 29.0 |
大阪歯科大学 | 7.9 | 9.7 | 9.5 | 26.7 | 25.4 | 23.3 |
福岡歯科大学 | 9.3 | 27.2 | 22.2 | 49.5 | 34.5 | 48.6 |

留年や休学を経験した学生の割合が30%を超えているところには色をつけてあるよ。東京歯科大学、昭和医科大学、大阪歯科大学では、どの学年でもその割合が30%を超えることはなくて、他の私立大学と比べると、比較的順調に進級できているみたいだね。
一方で、中には留年や休学を経験した学生の割合が半数を超えている大学もあるよ。こういった状況を見ると、大学に入った後も油断せずに、6年間しっかり勉強を続ける覚悟が大切そうだね。歯学部に進学するなら、どの大学を選んでもその気持ちは同じだから、これからも頑張っていこう!

ふえぇ~、思ってたより厳しい現実でちょっと落ち込んじゃったけど、進学前に知っておいて本当によかったよ。
まとめ
私立大学の歯学部は、一部の人気がある大学を除いて、留年や休学を経験する学生の割合が非常に多いことが分かります。以前の記事【歯学部】偏差値だけじゃ見抜けない!国家試験合格率を比較して最適な大学を選ぼうで紹介した新卒合格率と修業年限内合格率に大きな差が生じているのは、本記事で示したように、留年や休学を経験する学生が多いためです。
私立大学の中には、4年次で留年や休学を経験する学生の割合が増加する大学が多く見受けられます。私立大学では4年次にCBTという全国共通の学力試験が実施されており、これが進級要件になっているため、そこでつまずく学生が多いのかもしれません。6年次にもやや比率が高くなる傾向が見られるのは、各大学の卒業試験の難易度などが影響している可能性があります。
6年間を通して良質な教育環境を提供しているかどうかは、国家試験の合格率よりも、このような留年・休学の割合の方が参考になる数字なのかもしれません。そういった意味でも、受験生の方は、留年や休学を経験する学生の割合にも注目して進学先を選ぶのが良いと思います。