2025

神奈川歯科大学の現実|6年で卒業できる学生の割合と留年事情【2026年1月更新】

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本記事では、神奈川大学が公開している「修学状況に関する情報」の内容について解説します。「修学状況に関する情報」の概要については、「偏差値だけじゃわからない歯学部選び|教育の質をデータで比較!大学の「中身」徹底解説」という記事で詳しく解説していますので、まだご覧になっていない方は、そちらを先にご確認ください。

本記事の内容は、神奈川歯科大学公式サイトの修学状況ページに掲載されている情報を参考にしています。

神奈川歯科大学の進級者数からみえる留年率

カメ人間
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まずは神奈川歯科大学の各年度における入学者数と進級状況を確認していこう。

神奈川歯科大学の各年度における入学者数と進級者数

以下の表は、各年度の新入生が留年や休学をせず、ストレートで各学年へ進級した人数を示したものです。
なお、他大学の紹介では平成30年度入学者のデータから掲載していますが、神奈川歯科大学については、昨年度公表された修学情報の数値に一部不整合が見られたため、今回は令和元年度以降のデータに基づき紹介します。

神奈川歯科大学の各年度における入学者数と進級者数

1. 令和元年度~令和2年度入学者:卒業・国試までの道のり

  • 令和元年度(118名入学): 2年次への進級時に26名が減少(進級率78.0%)し、最終的にストレートで卒業したのは55名、国家試験に現役合格したのは48名でした。入学時の人数から換算すると、**ストレート国試合格率は40.7%**となります。
  • 令和2年度(108名入学): 6年次までストレートで到達したのは53名です。令和元年度と比較すると、6年次到達時点での人数がさらに絞り込まれている傾向が見て取れます。

2. 令和3年度~令和4年度入学者:中間年次の進級状況

  • 令和3年度(104名入学): 2年次進級者は85名でしたが、5年次進級時点では53名まで減少しています。
  • 令和4年度(96名入学): 2年次進級時点で69名(進級率71.9%)と大きく減少しましたが、その後の3年次・4年次への進級は比較的順調に推移しています。

3. 近年の動向(令和5年度~令和7年度)

  • 令和5年度(114名入学): 2年次進級99名、3年次進級96名と、過去の年度に比べて高い進級率を維持しています。
  • 令和6年度(75名入学): この年度は新入生数が一時的に減少しましたが、2年次には68名が進級しました。
  • 令和7年度(118名入学): 今年度の新1年生は118名となり、前年度から大幅に増加しています。

神奈川歯科大学の各年度における留年率

以下の表は、学年進行に伴いどの程度の割合で留年が発生したかをまとめたものです。最下段には、令和7年5月時点での「ストレート進級者」の割合を示しています。なお、前項同様、公表資料の数値整合性を考慮し、平成30年度入学者のデータは除外して分析しています。

神奈川歯科大学の各年度における留年率

私立大学平均との比較から見える「3つの壁」

表の右側には、本学の各学年における留年率の平均値と、私立歯科大学(17校)の平均値を併記しました。これらを比較すると、本学には特に注意すべき「3つのハードル」があることが分かります。

1. 【第1の壁】1年次の基礎専門科目

一般的に私立歯学部では、生活環境の変化や学習習慣の未定着により1年次・2年次の留年が多くなる傾向にあります。本学の場合、1年次の留年率平均は18%と、私立大学平均(14%)を上回っています。これは、1年次から生化学や生理学などの「基礎専門科目」がカリキュラムに組み込まれており、定期試験で苦戦する学生が一定数いるためと推測されます。

2. 【第2の壁】4年次のCBT(共用試験)

4年次の留年率平均は14%であり、私立大学平均(8%)の約1.7倍に達しています。これは、5年次以降の臨床実習に進むために必須となる全国共通試験「CBT(Computer Based Testing)」が大きな関門となっているためと考えられます。令和4年度入学者では21%に達している年もあり、事前の徹底した対策が求められます。

3. 【第3の壁】6年次の卒業試験

6年次の留年率(8%)も私立大学平均(5%)よりやや高い傾向にあります。これは、国家試験受験を目前に控えた最終段階の「卒業試験」において、一定の合格基準が厳格に設けられていることを示唆しています。

まとめ

厳しい数字も見られますが、直近のデータ(令和5年度・6年度入学)に注目すると、1年次の留年率は13%→9%と大きく改善しており、ストレート進級者の割合も向上しています。

神奈川歯科大学のストレート卒業率およびストレート国家試験合格率

カメ人間
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次に、入学した学生が留年することなく修業年限(6年間)で卒業し、さらにその年の国家試験に現役合格した割合を詳しく見てみよう。

神奈川歯科大学のストレート卒業率およびストレート国家試験合格率

直近の卒業・合格実績

データが揃っている直近の2か年を比較すると、ストレートで卒業・合格までたどり着く学生の割合は、わずかながら上昇傾向にあります。

平成30年度入学者(116名入学)

  • ストレート卒業:50名(43%)
  • ストレート国家試験合格:41名(35%)

令和元年度入学者(118名入学)

  • ストレート卒業:55名(47%)
  • ストレート国家試験合格:48名(41%)

全国平均との比較と分析

これらの数値から、神奈川歯科大学の現状について以下のことが読み取れます。

卒業要件のハードル

本学の卒業留年の割合は、私立大学の平均値よりも高い傾向にあります。これは、6年次の卒業判定が他大学と比較して厳格に運用されていることを推測させます。

ストレート合格率の立ち位置

近年の私立大学(17校)のストレート合格率平均は45%~47%で推移しています。本学の最新実績(41%)は、この私立大学平均をわずかに下回る水準となっています。

全国29歯学部のストレート合格率の過去3カ年平均

カメ人間
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ストレートでの国家試験合格率の数値がかなり低いと感じたよね。ここで、文部科学省が取りまとめた全国29歯学部のストレート合格率の過去3カ年平均の資料を確認してみよう。

文部科学省 標準修業年限内での歯科医師国家試験合格率(直近3か年平均)

この資料によると、国公立大学を含む全国平均のストレート合格率は53.6%であり、歯学部でストレート進級・合格を達成することが容易ではないことが分かります。一般に、国公立大学と比べて相対的に学力分布が低めの学生が入学する傾向のある私立大学の歯学部では、ストレート合格率が3カ年平均で50%を超えるのは4校にとどまります。ストレート合格率の数値を見る際には、こうした全国的な基準も念頭に置いておきましょう。

文部科学省も重要指標として公表を進めている「修業年限内の国家試験合格率」(いわゆるストレート合格率)は、入学後に留年せず修業年限内で進級した学生が、初回の国家試験に合格する割合を指します。したがって、ストレート合格率を高めるには、ストレート進級者の割合を高い水準で維持することが重要です。

神奈川歯科大学のストレート合格率の推移

神奈川歯科大学の「ストレート合格率(入学後6年間で現役合格する割合)」が、全国の私立歯科大学17校の中でどのような順位にあるか、その推移を見てみましょう。

神奈川歯科大学のストレート合格率の推移

乱高下を繰り返した過去と、近年の改善傾向

過去の推移を振り返ると、本学の順位は年度によって非常に大きな幅があります。

過去の動向

第111回および第113回では17校中17位(最下位)を記録する一方、第112回や第115回では8位と、中位まで浮上しています。年度によって合格率が激しく変動する傾向が見られました。

近年の推移

直近3年間(第116回〜第118回)に注目すると、15位 → 13位 → 11位と、着実に順位を上げています。かつての最下位争いからは脱し、改善傾向にあると言えます。

今後の展望:中位安定への課題

文部科学省が重視する「ストレート合格率」を高めるためには、いうまでもなく、これまでに見てきた「ストレート進級率(留年せずに卒業する割合)」を高い水準で維持することが不可欠です。

現在のデータから推計すると、神奈川歯科大学において6年次までストレートで進級・卒業できる割合は、概ね50%前後で推移する見通しです。この「進級のハードル」が維持される限り、全国的なストレート合格率の順位も、急激な上昇というよりは、今後しばらくは「中位付近」で推移していく可能性が高いと考えられます。

受験生としては、大学側が求める進級基準を一つひとつ着実にクリアしていくことが、現役合格への最も確実な近道となるでしょう。

神奈川歯科大学の卒業留年率に見る「最終関門」の厳しさ

カメ人間
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最後に、6年次における「卒業留年率」を確認してみよう。

この指標は、ストレート進級かどうかにかかわらず、その年度に在籍していたすべての6年生のうち、卒業できずに留年(または休学・退学)となった学生がどの程度いるかを示すもの。一般に、下級生次での進級基準が比較的緩やかで、最終的な卒業試験のハードルが高い大学ほど、この数値は高くなる傾向にあるよ。

神奈川歯科大学の卒業留年率

私立大学平均との比較

私立歯科大学17校における令和5年度の卒業留年率の平均値は23%です。本学の数値(40%・39%)は平均を大きく上回る高い水準にあります。

このデータから、神奈川歯科大学では最終学年である6年次の卒業試験において、国家試験合格を見据えた非常に厳格な判定が行われていることが推測されます。国家試験を受験する前段階に、大きな「最終関門」が控えている状況と言えるでしょう。

神奈川歯科大学の修学状況まとめ

本分析のポイント

  • 進級のハードル: 1年次の基礎科目や4年次のCBT、そして6年次の卒業試験と、各段階に明確な関門が存在します。
  • 卒業留年率の高さ: 全国平均(23%)を大きく上回る約40%という卒業留年率は、国家試験に合格できる実力を備えているかを最終段階で厳しく判定している表れと言えます。
  • 改善の兆し: 過去には順位が低迷した時期もありましたが、直近3年間のストレート合格率順位は15位→13位→11位と着実に上昇しており、進級率にも改善の傾向が見られます。

受験生へのメッセージ

数値だけを見ると「厳しい大学」という印象を持つかもしれません。しかし、歯科医師国家試験の難化が続く昨今、大学側が求める基準を一つひとつクリアしていくことは、結果として現役合格への最短距離となります。

神奈川歯科大学を志望する皆さんは、これらのデータを「入学後、どの時期に、どの程度の学習量が必要か」を予測するための道標として活用してください。早期から着実に準備を進める姿勢こそが、6年後の「ストレート現役合格」を勝ち取る鍵となるはずです。

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歯学部データ分析官
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現役の私立大学勤務。入試・教育データの分析を専門
現役の私立大学勤務。入試・教育データの分析を専門とし、10年以上にわたる継続的な調査研究を行っています。 歯学部受験において、受験生が本当に知るべき「数字の真実」を中立に伝えるためのメディアです。国、自治体、各大学が公表する一次資料を徹底的に精査し、新卒合格率だけでは見えないストレート合格率や留年リスクを可視化。16年分の蓄積データに基づき、後悔しないための大学選びをサポートします。数字の背景や注意点まで含めて詳説し、偏差値に偏らない客観的で実用的な指標を提供することが使命です。
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