歯科医師の年収ランキング【2026年最新】医師・薬剤師・看護師・SE・大手企業と徹底比較
2026年7月:厚生労働省 賃金構造基本統計調査 令和7年(2025年実施・2026年3月24日公表)データを反映し、全面リライトしました。
「歯科医師の年収は、他の職業と比べて高いのか、それとも低いのか」「医師・薬剤師・SE・看護師と並べると、結局どこに位置するのか」――歯学部受験を検討されている受験生のかた、お子さんが歯学部進学を検討されているご家庭の方なら、一度はこのような疑問を持ったことがあるのではないでしょうか。
本記事では、厚生労働省・賃金構造基本統計調査の令和7年(R7)データを使い、歯科医師の年収を本記事で対象にした144項目と横並びでランキングします。さらに6年制学部の出口年収比較・経験年数別の最新値まで、最新の確定値で淡々と数字で答えていきます。
結論を先に提示します。
- 歯科医師の推計年収は1,063万円で、賃金構造基本統計調査の本記事で対象にした144項目中の上位5位相当
- 複数職業を含む集合分類・大分類集計を除いた個別の資格職・専門職としては医師・大学教授に次ぐ上位グループ
- 6年制学部の出口比較では、医師→歯科医師→獣医師→薬剤師の序列で第2位
- 経験年数別では5〜9年でピーク1,318万円(参考値)、15年以上は1,142万円
- 経済的メリットを最大化するうえで国家試験にストレート合格することが重要
歯科医師は、職種横断ランキング・6年制比較のいずれの軸で見ても、客観的に高い経済ポジションにある職業です。以下、データで丁寧に証明していきます。
目次
- 歯科医師の年収最新値(2025年・令和7年・1,063万円)
- 【本記事の核心】職種横断・年収ランキング——歯科医師は本記事で対象にした144項目中の上位5位相当
- 6年制学部卒の「出口年収」比較
- 経験年数別年収——5〜9年でピーク1,318万円(参考値)
- 男女別年収——女性歯科医師の実態
- ストレート合格率の重要性——高い年収を実現するための前提
- まとめ——歯科医師の年収は「高い職種」か
- よくある質問(FAQ)
歯科医師の年収最新値(2025年・令和7年・1,063万円)
まず、歯科医師の年収の最新値と推移を確認しておきます。厚生労働省が毎年公表している「賃金構造基本統計調査」は、10人以上の常用労働者を雇用する民営事業所を対象とした全国の抽出調査で、職業別の賃金実態を把握できる公的統計です。なお開業医(個人事業主)は本調査には含まれません。本記事では一貫して勤務歯科医師の数値を扱います。
また、従業員10人未満の小規模な個人歯科診療所は、この集計に十分に反映されていない可能性があります。
【本記事で扱う「年収」の定義】
本記事で扱う「年収」は、賃金構造基本統計調査の表に直接「年収」として載っている数字ではなく、「きまって支給する現金給与額」×12か月に「年間賞与その他特別給与額」を加えて算出した推計年収です。一般的な計算方法ですが、調査票そのものに「年収」項目があるわけではない点にご留意ください。また賃金構造基本統計調査は抽出調査であり、表に出てくる労働者数は、調査票回収数そのものではなく、復元倍率で母集団に補正した推計値です。歯科医師のように職種別の人数が限られる項目では、単年の平均値が対象労働者の構成変化の影響を受ける可能性がある点に留意して読み進めてください。【本記事のデータ出典の使い分け】
本記事の職種横断ランキング・6年制学部比較(第2〜3章)は、「きまって支給する現金給与額」ベース(第1表:職種×企業規模×性別)を使用しており、歯科医師の推計年収は1,063万円です。一方、経験年数別データ(第4章)は「所定内給与額」ベース(第14表:職種×性×経験年数階級別)で、所定内給与額×12+年間賞与その他特別給与額で算出しており、計の推計年収は1,032万円となります。差は約31万円で、これは第1表が超過勤務手当を含み、第14表が含まないことに由来します。どちらも厚生労働省 賃金構造基本統計調査 令和7年版をもとにした集計値です。
R3〜R7の経年推移——5年平均944万円
| 年度 | 推計年収(男女計) | 労働者数(集計値) |
|---|---|---|
| 令和3年(2021) | 787万円 | 20,150人 |
| 令和4年(2022) | 810万円 | 11,550人 |
| 令和5年(2023) | 924万円 | 18,610人 |
| 令和6年(2024) | 1,136万円(過去最高) | 13,870人 |
| 令和7年(2025) | 1,063万円(最新値) | 11,240人 |
| 5年平均 | 944万円 | — |
出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」職種(小分類)別 歯科医師(男女計・企業規模計10人以上)。「労働者数」は復元倍率で補正した推計値。
最新の令和7年は1,063万円で、過去最高の令和6年(1,136万円)からはやや反落しています。一方で5年平均では944万円となっており、歯科医師の年収は900万円台から1,000万円台前半の高水準で推移していることが分かります。
R7反落(-73万円)の読み方
令和7年で73万円下がった令和6年比の背景について。令和7年の表では、歯科医師の労働者数(推計値)が令和5年の18,610人より小さく出ています。歯科医師は職種別に見ると、集計対象となった労働者の構成変化の影響を受けやすい職種です。そのため、単年の上下だけで判断するのではなく、複数年平均や長期推移で見る必要があります。
本記事では令和3〜7年の5年平均(944万円)を補完的な代表値として扱います。年ごとの変動を均すと、歯科医師の年収水準は900万円台から1,000万円台前半の高水準で推移しているという理解が妥当です。
企業規模別の構造(中小医療機関1,171万円 vs 大学病院805万円)
歯科医師の年収は、勤務先の規模によっても大きく変わります。令和7年データでは以下のような分布になっています。
| 企業規模 | 推計年収(R7) | 構造的特徴 |
|---|---|---|
| 1,000人以上(大学病院・大規模法人) | 805万円 | 若手中心・修練の場 |
| 10〜99人(中小医療機関中心) | 1,171万円 | 分院長等が含まれる可能性/推計年収が高めに出ている可能性 |
※ 本記事で扱う集計は、10人以上の常用労働者を雇用する民営事業所を対象としており、従業員10人未満の小規模な個人歯科診療所はこの集計に十分に反映されていない可能性があります。
この企業規模別の構造は、学費回収を考える際の重要な前提となります。学費2,700万円の回収シミュレーション(税引後・手取り差267万円・約13年で回収)については、別記事「学費2,700万円は15年で回収」で詳細に解説していますので、あわせてご覧ください。
【本記事の核心】職種横断・年収ランキング——歯科医師は本記事で対象にした144項目中の上位5位相当
ここからが本記事の核心です。厚生労働省の賃金構造基本統計調査の職種別データから、144項目の職種を対象に整理しました。これを推計年収順で並べたとき、歯科医師の推計年収1,063万円はどの位置に来るのか――結論からお伝えします。歯科医師は本記事で対象にした144項目中の上位5位相当です。
本記事で対象にした144項目 上位7位(R7・本記事の整理)
| 順位 | 職種 | 推計年収(万円) | 労働者数(集計値・人) | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 航空機操縦士 | 1,632 | 8,350 | |
| 2 | 医師 | 1,512 | 145,170 | |
| 3 | その他の経営・金融・保険専門職業従事者 | 1,135 | 63,150 | ※集合分類(弁護士・公認会計士・証券アナリスト等の複数職業を含む) |
| 4 | 大学教授(高専含む) | 1,083 | 69,370 | |
| 5 | 歯科医師 | 1,063 | 11,240 | |
| 6 | 法務従事者 | 981 | 7,230 | ※参考値(労働者数が少なめ) |
| 7 | 管理的職業従事者 | 967 | 1,758,300 | ※大分類集計(企業の管理職全体を集計した行・単独職種ではない) |
出典:厚生労働省「令和7年(R7・2025年実施)賃金構造基本統計調査 職種(小分類)第1表」(2026年3月24日公表)。男女計・企業規模計10人以上。「推計年収」=きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額。「労働者数」は復元倍率で補正した集計値。
補足:集合分類・大分類集計を除けば、個別の資格職・専門職としては医師・大学教授に次ぐ上位グループ
3位の「その他の経営・金融・保険専門職業従事者」と7位の「管理的職業従事者」は、単独の職業ではなく、複数職業を含む集合分類・大分類集計です。本記事の整理では、これら集合分類と大分類集計を除いて個別の資格職・専門職に絞って比較すると、歯科医師は以下のように医師・大学教授に次ぐ上位グループに位置づけられます。
- 医師 1,512万円
- 大学教授 1,083万円
- 歯科医師 1,063万円
主要10職種の全体順位(R7・本記事で対象にした144項目中・本記事の整理)
読者のかたが比較したい代表的な10職種を抜粋して、本記事で対象にした144項目中の順位を一覧にしました。
| 職種 | 推計年収(万円) | 144項目中の順位 | 労働者数(集計値・人) |
|---|---|---|---|
| 医師 | 1,512 | 2位 | 145,170 |
| 大学教授(高専含む) | 1,083 | 4位 | 69,370 |
| 歯科医師 | 1,063 | 5位 | 11,240 |
| 法務従事者(弁護士・弁理士・司法書士等) | 981 | 6位 | 7,230(※参考値) |
| システムコンサルタント・設計者 | 889 | 8位 | 174,140 |
| 公認会計士・税理士 | 811 | 10位 | 26,640 |
| 獣医師 | 681 | 19位 | 4,500(※参考値) |
| ソフトウェア作成者 | 579 | 44位 | 817,860 |
| 薬剤師 | 567 | 47位 | 94,850 |
| 看護師 | 525 | 64位 | 903,060 |
出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査 R7職種別第1表」(2026年3月24日公表)を本記事で対象にした144項目で年収降順に並べた本記事の整理。
歯科医師は、上記10職種の中では医師・大学教授に次ぐ第3位、本記事で対象にした144項目で見ても上位5位相当という客観ポジションです。
歯科医師は個別の資格職・専門職としては医師・大学教授に次ぐ上位グループ
歯科医師の推計年収1,063万円は、複数職業を含む集合分類・大分類集計を除いた個別の資格職・専門職としては、医師(1,512万円)・大学教授(1,083万円)に次ぐ上位グループに位置づけられます。
- 医師との差:449万円
- 大学教授との差:わずか20万円
医師との差は確かに大きいものの、大学教授とはほぼ同水準です。歯学部で6年間学んで取得する国家資格の出口として、本記事で対象にした144項目で見ても上位5位相当(個別の資格職・専門職としては医師・大学教授に次ぐ上位グループ)というポジションは客観的に高い水準にあると言えます。
なぜ歯科医師がこのポジションを維持できるのか。構造的な理由は次の3点に集約されます。
- 中小医療機関で推計年収が高めに出ている可能性:規模10〜99人の中小医療機関で1,171万円という水準。この規模帯には分院長等が含まれる可能性があり、推計年収が高めに出ている可能性があります(10人未満の小規模な個人歯科診療所は集計に十分に反映されていない可能性)
- 6年制の高度国家資格:医師同様、6年間の学部教育+国家試験合格を経た専門性
- 地域医療の安定需要:全国どこでも一定の需要があり、賃金水準が安定している
R5からR7で変わった順位変動
令和5年から令和7年への2年間で、職種ごとに動きがありました。主要職種の変化は次の通りです。
| 職種 | R5年収(万円) | R7年収(万円) | 変化 |
|---|---|---|---|
| 歯科医師 | 924 | 1,063 | +139万円(+15.0%) |
| 医師 | 1,437 | 1,512 | +75万円(+5.2%) |
| システムコンサルタント | 685 | 889 | +204万円(+29.8%) |
| 公認会計士・税理士 | 747 | 811 | +64万円(+8.6%) |
| 法務従事者 | 1,122 | 981 | -141万円(-12.6%)※対象労働者構成の年次変化の可能性 |
| 薬剤師 | 578 | 567 | -11万円(-1.9%) |
出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査 R5・R7職種別第1表」。
歯科医師はR5→R7で約15%伸び、医師(+5.2%)・大学教授(+0.7%)よりも伸びが大きい結果になりました。ただしR7単年では集計対象労働者の構成変化の影響を受けている可能性があり、5年平均(944万円)も合わせて参照することが安定的です。
6年制学部卒の「出口年収」比較
次は、同じ6年制の学部を卒業して取得する国家資格の出口を比較します。医師・歯科医師・獣医師・薬剤師。この4職種はいずれも学部6年間に加え、国家試験に合格することで開業権を得る専門職です。
6年制学部卒業職種の年収比較表
| 職種 | 修学年数(学部) | R7推計年収(万円) | 労働者数(集計値・人) |
|---|---|---|---|
| 医師 | 6年(医学部) | 1,512 | 145,170 |
| 歯科医師 | 6年(歯学部) | 1,063 | 11,240 |
| 獣医師 | 6年(獣医学部) | 681 | 4,500 ※参考値 |
| 薬剤師 | 6年(薬学部) | 567 | 94,850 |
出典:厚生労働省「令和7年(R7)賃金構造基本統計調査 職種(小分類)第1表」。
「6年間の投資」として見たときの経済的位置
6年制4職種の中で、歯科医師は医師に次ぐ第2位の経済水準です。具体的には、薬剤師の約1.9倍(1,063÷567)、獣医師の約1.6倍(1,063÷681)の年収水準にあります。
学費回収の詳細計算は別記事へ
ただし、歯学部の学費は私立で6年間およそ2,000万円から3,000万円と高額です。「この年収で学費は何年で回収できるのか」は受験生・保護者の方が最も気になる論点でしょう。本記事の核心は「他職種との比較ランキング」のため、回収計算の詳細は別記事で完結させています。
歯科医師の年収で学費2,700万円が何年で回収できるか、税引後の手取りまで踏み込んで計算した記事はこちらです。手取り差267万円・ストレート卒業なら約13年で回収・1年留年でも約19年・2年遅れでも50歳までに完了、という4シナリオで詳細に解説しています。
経験年数別年収——5〜9年でピーク1,318万円(参考値)
ここからは、歯科医師の年収を経験年数階級別で見ていきます。第2〜3章で使用した第1表(職種×企業規模×性別)に対し、本章では第14表(職種×性×経験年数階級別)を出典としています。第14表は「所定内給与額」ベースで集計されており、本章の推計年収は「所定内給与額×12+年間賞与その他特別給与額」で算出しています。計の推計年収は1,032万円(第1表の1,063万円との差は超過勤務手当分の約31万円)となります。
R7経験年数別年収表(0年〜15年以上)
| 経験年数 | 所定内給与月額(千円) | 年間賞与(千円) | 労働者数(集計値・人) | 推計年収(万円) |
|---|---|---|---|---|
| 計 | 824.2 | 428.1 | 11,240 | 1,032 |
| 0年 | 269.3 | 0.0 | 1,170 | 323 |
| 1〜4年 | 586.2 | 169.4 | 2,020 | 720 |
| 5〜9年 | 1,049.6 | 588.0 | 2,060 | 1,318(ピーク・参考値) |
| 10〜14年 | 1,003.5 | 72.6 | 3,020 | 1,212 |
| 15年以上 | 866.4 | 1,022.5 | 2,970 | 1,142 |
出典:厚生労働省「令和7年(R7・2025年)賃金構造基本統計調査 職種(小分類)第14表 職種×性×経験年数階級別」(2026年3月24日公表)。男女計・企業規模計10人以上。推計年収=所定内給与月額×12+年間賞与その他特別給与額。「労働者数」は復元倍率で補正した集計値。
経験年数は「現雇用先での勤続年数」ではなく「職種全体での経験年数」を指す点に注意してください。
ピークは5〜9年の1,318万円——その読み方
経験5〜9年でピークの1,318万円となる背景について解釈を補足します。背景としては、勤務先規模や役職、開業前後の働き方などが影響している可能性があります。
ただし、この表は勤務先で給与を支給される歯科医師(勤務医)が対象であり、開業した歯科医師(個人事業主)は集計外です。そのため、この表だけでは独立や昇進のタイミングまでは特定できません。表に出ているピークの解釈は、あくまで参考程度に見る必要があります。
また経験5〜9年の対象労働者数は2,060人と少なめなので、年度ごとの変動には注意が必要です。本記事ではあくまで「参考値」として位置づけ、経年トレンドを継続的に観察していく必要があります。
R6→R7の変動と単年データの読み方
なお、直近の令和6年(R6)第14表では「経験15年以上の推計年収」が1,839万円と高水準でしたが、令和7年(R7)では1,142万円に変動しています。経験年数別データは対象労働者構成の年次変化を受けやすく、単年データで判断するのはリスクがあります。複数年平均・長期トレンドで見ることを推奨します。
男女別年収——女性歯科医師の実態
R7:男性1,119万円・女性999万円
令和7年の男女別年収は以下のようになっています。
| 性別 | R7推計年収(万円) |
|---|---|
| 男性歯科医師 | 1,119 |
| 女性歯科医師 | 999 |
| 男女差 | 120万円 |
出典:厚生労働省「令和7年(R7)賃金構造基本統計調査」男女別・企業規模計10人以上。
女性歯科医師の年収は999万円で、ほぼ1,000万円の大台に届く水準です。女性薬剤師539万円・女性看護師521万円と比べてもかなり高い水準です。
R6比で差が急縮小——今後の注視点
注目すべきは、令和6年から令和7年への男女差の急変です。
| 年度 | 男性(万円) | 女性(万円) | 男女差(万円) |
|---|---|---|---|
| 令和6年(R6) | 1,301 | 716 | 585 |
| 令和7年(R7) | 1,119 | 999 | 120 |
1年で男女差が585万円から120万円へ、約79%縮小しました。これは大きな変化に見えますが、集計対象労働者の構成変化による変動の可能性もあります。
「歯科医師の男女差が構造的に縮小した」と単年データだけで結論付けるのは早計です。今後の複数年データで継続的に注視する必要があります。それでも、女性歯科医師が単年で999万円という水準を記録した事実は、女性の職業選択における歯科医師の経済的水準を示す重要なデータポイントです。
若年層比率の上昇と環境整備の見通し
なお、女性歯科医師の割合は、年齢層が若くなるにつれて上昇傾向にあります。そうした背景から、今後はさらに女性歯科医師が働きやすい環境の整備が進んでいく可能性が高いといえるでしょう。お子さん(特に娘さん)が歯学部進学を検討されているご家庭にとっても、女性キャリアの観点で前向きな材料となる傾向です。
ストレート合格率の重要性——高い年収を実現するための前提
ここまで見てきたとおり、歯科医師になれば客観的に高い水準の年収が期待できます。本記事で対象にした144項目中の上位5位相当、個別の資格職・専門職としては医師・大学教授に次ぐ上位グループという経済ポジションは、データで明確に確認できる事実です。
ただし、その水準を得るには「6年間の学業+国家試験合格」が前提
歯科医師として上記の年収を得るためには、当然ながら歯学部に入学し、6年間の学業を経て、歯科医師国家試験に合格する必要があります。学部入学から国家資格取得まで最短で6年、これは医師・薬剤師・獣医師と共通する6年制学部の構造です。
ストレート合格はデータ上かなり難しい
ところが実際には、歯学部に入学してから6年間でストレートに歯科医師国家試験に合格するのはデータで見るとかなり難しいことが分かっています。低学年からの留年・進級試験不合格・卒業試験での足止め・国家試験不合格と、各段階で受験生・在学生がつまずく可能性があります。
私立17大学のストレート合格率(修業年限内合格率)の最新データでは、上位校でも70%台、中位以下の大学では40〜50%台という結果になっています。「6年間で卒業+一発合格」は、入学時点で誰もが達成できることではないというのがデータの示す現実です。
経済的メリットを最大化するにはストレート合格が重要
仮に1年留年すると、経済的損失は約1,500万円(学費500万+生活費200万+機会損失800万)に達します。本記事で示した年収水準を享受できるタイミングが1年遅れるごとに、生涯収入から1年分が失われる構造です。
つまり、本記事で示した経済的メリットを最大化するためには、国家試験にできるだけストレートで合格することが重要です。歯学部選びの段階で「ストレート合格率の高い大学を選ぶ」ことは、卒業後の年収水準そのものに匹敵するインパクトを持つ意思決定です。
保護者のみなさんへ。 お子さんが歯学部進学を検討されている場合、ストレート合格率という観点での大学選びは、本記事で示した経済合理性を実現するうえで最も重要な要素となります。各大学のストレート合格率データの詳細は、別記事「修学状況まとめ — 大学別ストレート合格率」で網羅的に解説しています。
まとめ——歯科医師の年収は「高い職種」か
本記事では、厚生労働省・賃金構造基本統計調査の令和7年(R7・2025年)データを使い、歯科医師の年収を複数の軸で横断比較してきました。
ランキングの結論(受験生・保護者向けまとめ)
| 軸 | 結論 |
|---|---|
| 職種横断・推計年収 | 1,063万円・本記事で対象にした144項目中の上位5位相当(個別の資格職・専門職としては医師・大学教授に次ぐ上位グループ) |
| 6年制学部の出口 | 第2位(医師→歯科医師→獣医師→薬剤師の序列) |
| 経験年数別ピーク | 経験5〜9年で1,318万円(参考値) |
| 女性年収 | 999万円・女性専門職として高水準 |
総合すると、歯科医師は職種横断ランキング・6年制比較のいずれの軸で見ても、客観的に高い経済ポジションにある職業です。本記事で対象にした144項目を母数にした本記事の整理で上位5位相当、集合分類・大分類集計を除く個別の資格職・専門職としては医師・大学教授に次ぐ上位グループというポジションは、歯学部進学を経済合理性の観点で検討する受験生・保護者の方にとって重要な判断材料となります。
なお、これらの数字の経済的メリットを最大化するうえで「国家試験にストレート合格すること」が重要である点は、前章で詳しく解説したとおりです。歯学部入学後に留年・国家試験浪人を重ねれば、上記の年収を得られるタイミングが遅れ、1年あたり約1,500万円(学費500万+生活費200万+機会損失800万)の経済的損失となります。
「学費回収」「ストレート合格率」との接続
本記事は「他職種との年収ランキング比較」に集中しました。関連する論点は以下の記事で深掘りしています。
- 学費2,700万円が何年で回収できるか(税引後・手取り差267万円ベース):歯科医師の年収で学費は何年で回収できるか
- 修学状況まとめ — 大学別ストレート合格率:別記事でデータを比較しています。本記事と合わせてご覧いただくことで、「どの大学に入れば本記事の年収を実現できる確率が高いか」が見えてきます
よくある質問(FAQ)
Q1. 歯科医師の年収は今後も上がるのか
経年トレンドで見ると、令和3年(787万円)から令和7年(1,063万円)まで、5年間で約280万円の上昇傾向にあります。ただし令和6年から令和7年では集計対象労働者の構成変化の影響で73万円の反落があり、単年では揺れもあります。長期的には900万円台から1,000万円台前半の高水準で推移するという見方が妥当です。需給バランスや診療報酬改定の動向次第で、今後の水準は変動する可能性があります。
Q2. 勤務医と開業医ではどちらが稼げるか
本記事で扱った賃金構造基本統計調査は勤務歯科医師のみを対象としており、開業医は含まれていません。開業医の年収は経営状況・地域・診療科目によって大きくばらつきます。詳しくは別記事「学費2,700万円は15年で回収」で、開業医の経営分布(個人立の約半数が1,000万円未満・医療法人の33.6%が赤字等)まで踏み込んで解説しています。
Q3. 女性でも歯科医師として稼げるか
令和7年データでは女性歯科医師の推計年収は999万円で、ほぼ大台に届く水準です。女性薬剤師539万円・女性看護師521万円と比べてもかなり高い水準です。男女差はR6の585万円からR7の120万円へ急縮小しましたが、これは集計対象労働者の構成変化による変動の可能性もあるため継続注視が必要です。少なくとも平均賃金データ上は、女性の職業選択肢として歯科医師は高い経済的水準を期待しやすいと言えます。
Q4. 「歯科医師は稼げない」は本当か
ネットや一部メディアで「歯科医師は稼げない時代」という言説を見かけることがありますが、厚労省R7データではこの主張は支持されません。推計年収1,063万円は本記事で対象にした144項目中の上位5位相当、個別の資格職・専門職としては医師・大学教授に次ぐ上位グループという客観ポジションがあります。「稼げない」と感じる声の多くは、開業医の経営難(個人立の約半数が1,000万円未満)に関するものと思われますが、勤務歯科医師の賃金水準は依然として高位安定にあります。
Q5. 年収と学費のバランスは合っているか
歯学部の学費は私立で6年間およそ2,000万円から3,000万円のレンジ(中央値ベースで2,700万円程度)です。これに対して歯科医師の5年平均年収は944万円、一般正社員平均との手取り差は約267万円です。ストレート卒業の場合、約13年で学費+機会損失を回収できる計算になります。詳細な計算プロセス(税引後・4シナリオ)は別記事「学費2,700万円は15年で回収」で完結させていますので、あわせてご覧ください。
歯学部進学は経済合理性のある選択肢です。本記事で示した「本記事で対象にした144項目中の上位5位相当・個別の資格職・専門職としては医師・大学教授に次ぐ上位グループ」というポジションを実現するためには、低学年からしっかり学習習慣を身につけ、着実に進級してストレート合格を達成することが大切です。大学選びの段階でストレート合格率を確認することが、本記事で示した経済合理性を実現する第一歩となります。
※ 本記事は2026年7月時点の最新公開データに基づいています。歯科医師の年収・労働時間統計は毎年3月に更新されるため、最新値は厚生労働省「賃金構造基本統計調査」公式サイトで随時ご確認ください。

