歯学部の退学率ランキング【国公立・私立大学別】留年率・入試倍率との関係も解説
歯学部ではどれくらい退学者が出ているのか?
歯学部に入学した学生が、入学後にどれくらい退学しているかご存じでしょうか。
文部科学省は、歯学部の6年制課程における令和4年度から令和6年度までの3か年の退学率の平均値を、大学別に公開しています。
この退学率は、それぞれの年度に退学した人数の総数を分子とし、在籍者数は各年度の5月1日時点の在籍者数の総数を分母として算出されています。
29校の国公立大学・私立大学全体の平均退学率は3%です。しかし、大学別に見ると、ほぼ0%に近い大学もあれば、10%を超える大学もあり、大学間で大きな差があることが分かります。
本記事では、歯学部の退学率を大学別ランキング形式で紹介します。あわせて、歯学部を目指す学生が退学率にも注目すべき理由について解説します。
国公立大学歯学部の退学率ランキング
国公立大学の退学率一覧(大学別)
| 順位 | 大学名 | 退学率(R4-6平均) |
|---|---|---|
| 1 | 九州歯科大学 | 0.1% |
| 2 | 北海道大学 | 0.3% |
| 2 | 大阪大学 | 0.3% |
| 2 | 岡山大学 | 0.3% |
| 5 | 東京科学大学 | 0.4% |
| 6 | 東北大学 | 0.5% |
| 7 | 九州大学 | 0.7% |
| 8 | 鹿児島大学 | 0.8% |
| 9 | 新潟大学 | 0.9% |
| 10 | 広島大学 | 1.0% |
| 11 | 徳島大学 | 1.1% |
| 11 | 長崎大学 | 1.1% |
国公立大学で退学率が低い理由
国公立大学の退学率は、0.1%~1.1%の水準です。国立大学11校は各学年おおむね50人前後、公立の九州歯科大学は100人前後の学生数となっています。国公立大学では、学年で1人も退学者が出ない、出ても1人程度という状況であることが分かります。
また、在籍学生に占める留年経験者の割合が10%台と私立大学に比べて低く、年間の学費も安いという特徴があります。留年する学生が少なく、仮に留年した場合でも学費負担が私立大学より小さいことが、退学者の少なさにつながっている可能性があります。
さらに、私立大学と比べて入学時のボーダー偏差値が高く、卒業後の歯科医師国家試験に合格できる見通しを学生自身が持ちやすい点も、退学率が低い要因の一つと考えられます。
私立大学歯学部の退学率ランキング
私立大学の退学率一覧(大学別)
| 順位 | 大学名 | 退学率(R4-6平均) |
|---|---|---|
| 1 | 昭和医科大学 | 1.1% |
| 2 | 東京歯科大学 | 1.5% |
| 3 | 愛知学院大学 | 2.2% |
| 4 | 大阪歯科大学 | 2.4% |
| 5 | 日本大学松戸歯学部 | 3.0% |
| 5 | 神奈川歯科大学 | 3.0% |
| 7 | 日本大学歯学部 | 3.2% |
| 8 | 朝日大学 | 3.6% |
| 9 | 福岡歯科大学 | 3.8% |
| 10 | 日本歯科大学生命歯学部 | 4.1% |
| 11 | 明海大学 | 4.5% |
| 12 | 岩手医科大学 | 4.7% |
| 13 | 日本歯科大学新潟生命歯学部 | 4.8% |
| 14 | 北海道医療大学 | 5.3% |
| 15 | 松本歯科大学 | 8.2% |
| 16 | 奥羽大学 | 8.3% |
| 17 | 鶴見大学 | 10.3% |
私立大学で退学率に差が出る理由
私立大学の退学率は、1.1%~10.3%と非常に幅があります。国公立大学と異なり、大学間の差が大きいのが特徴です。仮に各学年に100人程度在籍しているとすると、学年で1人~10人が退学している計算となり、決して無視できない水準です。
私立大学では、全体で約半数の学生が6年間で一度は留年を経験します。さらに、年間の学費は300万円~600万円程度かかるケースが大半です。留年する学生が多く、留年時の学費負担が国立大学より大きいことが、退学者増加の一因となっている可能性があります。
また、国立大学と比べて入学時のボーダー偏差値が低く、学力面で不安を抱えたまま入学する学生が多い点も無視できません。
歯科医師になるためには、卒業後に国家試験に合格する必要があり、在学中の継続的な学習が不可欠です。十分な学習習慣が身についていないまま入学し、勉強についていけずに留年・退学に至るケースが多いと考えられます。
歯学部の留年率と退学率の関係【データ分析】
留年率の高さが退学率に影響しているかについて、データで検証します。
横軸は2025年度の留年学生の割合、縦軸は過去3か年の退学率の平均値です。
右に行くほど留年率が高く、上に行くほど退学率が高いことを示しています。
散布図の青い点は国公立大学、オレンジの点は私立大学です。
私立大学のデータで検証したところ、決定係数R²=0.4752となっており、留年率が高い大学ほど退学率も高い傾向が、データから確認できます。

入学時競争倍率と退学率の関係【データ分析】
次に、入学時の競争倍率と退学率の関係を検証します。
横軸は2025年度入試の入学時競争倍率、縦軸は過去3か年の退学率の平均値です。
右に行くほど入試の競争倍率が高く、上に行くほど退学率が高いことを示しています。
私立大学のデータでは、決定係数R²=0.2529となり、留年率ほど強い相関ではありませんが、入学時競争倍率が低いほど退学率が高くなる傾向が見られます。
ただし、入学時競争倍率が2未満の大学に注目すると、同程度の競争倍率でも退学率に大きな差があることが分かります。競争倍率が低く、偏差値帯が近い学生が入学しているにもかかわらず退学率が低い大学は、学修面での支援体制が機能している可能性があります。

歯学部選びで退学率に注目すべき理由
歯学部選びでは、偏差値や大学の知名度だけでなく、退学率にも注目することが重要です。
退学率は、学生が入学後にどれだけ学業を継続できているかを示す指標であり、大学の教育体制や学修支援の充実度を反映している可能性があります。同じような入学難易度の歯学部であっても、退学率には大きな差が見られます。
これは、授業についていけない学生へのフォロー体制や、留年後の支援、学習習慣を身につけさせる仕組みの違いが影響していると考えられます。
歯学部は6年間という長い修学期間と高額な学費を要する学部です。そのため、「最後まで卒業できているか」という視点で大学を比較することは、進学後のリスクを下げる上で非常に有効です。
まとめ|歯学部は退学率・留年率も含めて比較しよう
歯学部の退学率は、大学によって大きく異なり、特に私立大学では差が顕著です。退学率の背景には、留年率、学費負担、入学時の学力水準、そして大学側の学修支援体制など、複数の要因が関係していると考えられます。
歯学部選びでは、偏差値や大学の知名度だけでなく、「留年率がどの程度か」「退学率が高くないか」といった指標にも目を向けることが重要です。同じような入学難易度であれば、留年率・退学率が低い大学の方が、学生を最後まで支える環境が整っている可能性があります。
これから歯学部を目指す方は、将来6年間を過ごす環境として、その大学が「学生を卒業まで導いているか」という視点を持って、大学選びを行うことをおすすめします。

